表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
44/49

■第44話:魔王軍主催・大運動会開幕! ……えっ、この「岩」は玉入れの球にしては大きすぎませんか?

いつもお読みいただき、ありがとうございます!

本編をお楽しみください



【場所:アル・サト村・中央広場】

『グオォォォッ!!(皆殺しだァァァッ!!)』


オークの隊長が、開始の雄叫びを上げた。

普通なら恐怖で震え上がる咆哮だ。


しかし、ヒナタは満面の笑みで拍手した。


「素晴らしい! なんて気合の入った『選手宣誓』でしょうか!」

「スポーツマンシップに則り、正々堂々と戦うことを誓ってるんですね!」

「ブモォォォッ!(感動した!)」


ゴズももらい泣きしている。

セバスチャンは、物陰で頭を抱えた。


「……もう止められん。試合開始プレイボールだ……」


【第1種目:100メートル走(という名の「村人追跡」)】

『逃げろーッ! 食われるぞーッ!』

『ヒャッハー! 待てェェェッ!』


数匹のゴブリンライダー(狼に乗った騎兵)が、逃げ惑う村人たちを追い回している。

絶体絶命のピンチ。


「おっと! 第1種目は『障害物競走』ですね!」


ヒナタが実況を始める。


「先行する村人チーム! 必死の逃げ足だ! しかし、後ろからゴブリンチームが迫る!」

「ヴァレリア選手! ここで乱入エントリーです!」


シュバッ!!

砂塵を巻き上げ、銀色の閃光が走った。


「遅いな。周回遅れにしてやる」


ヴァレリアは、ゴブリンライダーの横に並走した。

涼しい顔で。


『あ!? なんだテメェ!?』

「コース取りが甘いぞ。イン(内側)が空いている」


ヴァレリアは、走りながらゴブリンの狼に「足払い」をかけた。


ズサァァァァッ!!


『ギャアアアアッ!!』


ゴブリンたちが派手に転倒し、コースアウト(民家の壁に激突)する。


「お見事! ヴァレリア選手、圧倒的なスピードで妨害ブロック成功!」

「村人チーム、そのままゴール(避難所)へ逃げ切りました!」


【第2種目:玉入れ(という名の「投石攻撃」)】

続いて、建物の屋根からトロールたちが巨大な岩を投げつけてきた。


『潰れろォォォッ!!』


ドォォォン!!


「わあ! 次は『ジャンボ玉入れ』ですね!」


ヒナタが空を見上げる。


「でも、ちょっとボール(岩)が大きすぎませんか? カゴに入りませんよ?」

「……ん。入る」


ネムリネが、眠そうにクッションから指を振った。

ピタリ。

空中で、数トンの岩が停止した。


『えっ?』


トロールたちが固まる。


「……全部、入れてあげる」


ネムリネが指を弾く。


ヒュンヒュンヒュン!!

停止していた岩が、猛烈な速度で逆流した。

目指す「カゴ」は――トロールたちの口だ。


『ぐ、ぐえぇぇぇぇッ!!?』


自らの投げた岩を口にねじ込まれ、トロールたちが白目を剥いて落下した。


「すごい! 全弾ホールインワン!」

「ネムリネ選手、驚異のコントロールです!」

「ブモォ!(30点!)」


【最終種目:綱引き(という名の「破壊活動」)】

そして、広場の中央。

魔王軍のボスである剛力オーガが、村のシンボルである時計塔に巨大な鎖を巻き付け、引き倒そうとしていた。


『フンヌゥゥゥッ!! 倒れろォォォッ!!』


ギギギ……と塔が軋む。


「出ました! メインイベントの『綱引き』です!」


ヒナタが目を輝かせて駆け寄る。


「一人で頑張ってますね! でも、綱引きはチーム戦ですよ!」


ヒナタは、鎖の反対側(垂れ下がっている端っこ)をガシッと掴んだ。


「ゴズさん! セバスチャンさん! 加勢しますよ!」

「オーエス! オーエス!」

「ブモォォォッ!!(負けねぇぞ!!)」


ゴズが鎖を体に巻き付け、四股を踏む。


『あ? なんだ? 重くなったぞ?』


オーガが振り返る間もなかった。


「せーのっ……!」

「引けェェェェェッ!!」


ズドォォォォン!!

ゴズとヒナタの馬鹿力が炸裂した。

時計塔を引き倒そうとしていたオーガは、逆に鎖ごと猛烈な勢いで引っ張られた。


『え? ちょ、わぁぁぁぁッ!?』


オーガの巨体が宙を舞う。

そのまま、村の外まで――いや、星になるまでかっ飛ばされた。


キラーン……(光になった演出)


「やりましたーッ!!」

「勇者チーム、完全勝利(コールド勝ち)です!!」

ヒナタとゴズがハイタッチをする。

「ブモォォォッ!!(いい汗かいたぜ!)」


【閉会式】

魔物たちは全滅(場外へ退場)した。

村には再び平和が戻った……というか、嵐が過ぎ去った後の静けさが広がっていた。


「……た、助かったのか?」

「あいつら、魔物をスポーツで追い払っちまったぞ……」


村人たちは呆然としていた。

ヒナタは、表彰台(瓦礫の山)に上がり、村長に詰め寄った。


「村長さん! 優勝しましたよ!」

「約束の賞品、『幻の蜂蜜』をください!」

「え、あ、はい……」


村長は、状況が飲み込めないまま、とりあえず最高級の蜂蜜の壺を差し出した。


「わあ! ありがとうございます!」


ヒナタは蜂蜜を掲げた。


「これにて、アル・サト村・大運動会を閉幕します!」

「皆さん、来年もまた(魔物が来たら)やりましょうね!」


村人たち(とセバスチャン)は、心の中で叫んだ。

(二度と御免だァァァッ!!)



【場所:天界・管理室】

『…………』


神ドラマスは、モニターの電源を切りたくなった。


『侵略戦争が……町内会の運動会になった……』

『魔王軍の精鋭部隊が……「綱引き」で空の彼方に消えた……』

『もうダメだ。こいつ(ヒナタ)のいる場所では、「シリアス」という物理法則が機能しない』


こうして、隣村の危機は見事に(?)去った。

ヒナタは、戦利品の蜂蜜をたっぷりとパンに塗りながら、次なる目的地へと目を輝かせる。


しかし、その蜂蜜の甘さは、セバスチャンの胃には少し重すぎたようだ。

(第44話・完)


本日もお付き合いいただき、ありがとうございました!


ヒナタのマイペースな異世界蹂躙はまだまだ続きます。魔王軍の胃の痛みが限界を迎える前に、ぜひページ下部の【☆☆☆☆☆】からの評価や、ブックマークでの応援をよろしくお願いいたします!


皆様からの応援トラフィックが、毎日の更新の最大のエネルギーになっています!


――――――――――――――――――――

【 GWスペシャル・新連載スタートのお知らせ 】

本日より、『困った神様シリーズ』第5弾となる新作の連載を開始いたしました!


『世界を統治するのは、ネイルが乾いてから。 ~異世界に召喚された最強メンタルの女子高生、魔法も使わず「正論の暴力」だけで魔界も人間界も完全支配してしまった件~』


今回の主人公は、魔法もチートも一切使いません。

圧倒的な「自己肯定感」と「ぐうの音も出ないド正論」だけで、異世界の勘違いイケメンたちや魔王軍を次々と論破し、パシリにしていく痛快コメディです!


※URLの記載は省いちゃいますが、「作者名」をクリックしてマイページ(作品一覧)に飛んでいただければ、一番上に最新作があります!


GWのスカッとする息抜きに、最強メンタルJKの異世界蹂躙劇をぜひ覗いてみてくださいね!

――――――――――――――――――――


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ