表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/49

■第29話:1万ピースのパズル! ……わあ、これ「端っこ」から埋めるのが定石ですね!

いつもお読みいただき、ありがとうございます!

本編をお楽しみください



【場所:ピラミッド・地下3階「知恵の間」】

一行が足を踏み入れると、そこは広大なドーム状の部屋だった。


床一面に、無数の砕けた石片――いや、「パズルのピース」が散乱している。

その数、およそ1万個。


『よくぞ来た……愚かな侵入者よ……』


虚空から、試練の守護者の声が響く。


『この部屋は「無限の時」を喰らう場所』

『散らばりし1万の欠片を繋ぎ合わせ、壁画を完成させよ。さすれば「王家の秘宝」を与えん……』


普通なら絶望する量だ。

絵柄もわからず、ヒントもない。完成させるには、数週間はかかるだろう。


「ひぃぃぃッ! 1万ピースだとォォォッ!?」


宰相セバスチャンが頭を抱える。


「無理です! 先を急ぐ我々に、そんな時間はありません!」


しかし。

ヒナタは、床に散らばる石片を見て、うっとりと頬を染めていた。


「……夢みたいだ」

「はい?」


ヒナタはリュックを降ろし、腕まくりをした。


「セバスチャンさん。これ、『超高難易度・純白地獄ホワイトパズル』に近いですよ! しかも石の質感付き!」

「燃える……! パズル好きの血が騒ぐ!」

「い、いや、燃えてる場合では……」


ヒナタは、仲間に指示を飛ばした。


「皆さん! 作戦開始です!」

「まずは『四隅(角のピース)』と『直線(端のピース)』を確保してください!」

「次に『色(模様)』ごとに仕分けます!」

「……ふむ。仕分け作業か」


ヴァレリアが動体視力を極限まで高める。


「私の目にかかれば、1万のつぶてなど止まって見えるわ!」

解析魔法アナライズ、展開」


エイルが空中に魔法陣を展開する。


「全ピースの断面形状をスキャン。3Dマッチングを開始します」

「ブモォォォッ!!(力技でハメるぜ!)」



【場所:天界・管理室】

『フハハハハ! 始めるがいい!』


神ドラマスは、余裕の表情でコーヒーを淹れていた。


『そのパズルは「古代の呪い」! ピースが微妙に似ていて、間違えると爆発するトラップ付きだ!』

『精神をすり減らし、仲間割れを始める頃には、1ヶ月が過ぎているだろう……』



【場所:知恵の間】

しかし、現場で起きていたのは「RTAリアルタイムアタック」だった。


シュバババババッ!!


「はい、青いエリアのピース!」

「了解! こちらは赤いエリア!」


ヒナタの指揮のもと、ヴァレリアとエイルが人間離れした速度でピースを拾い集める。


「エイルさん! 34-Bのピース!」

「座標固定! レビテーション(浮遊)で自動はめ込み!」


カチッ! カチッ! カチッ!

空中で、魔法によって浮いたピースたちが、見る見るうちに結合していく。


「すごい! さすが賢者様! パズル攻略サイト(自動解析ツール)みたい!」


ヒナタが目を輝かせる。


「ふんッ! こっちは力技だ!」


ゴズが、形状が合わないピースを無理やり押し込もうとする。


「ブモッ!(入らねぇ!)」

「ダメですゴズさん! 無理やり入れたら『完成の美』が損なわれます!」


ヒナタが厳しく指導する。


「パズルとは『対話』なんです! ピースが『そこに入りたい』と囁くのを聞くんです!」

「ブモォ……(深ェ……)」


『…………』


神ドラマスは、コーヒーカップを持ったまま固まっていた。


『……早すぎない?』


開始からわずか1時間。

すでに8割が完成していた。

呪いの爆発トラップも、ヴァレリアが「あ、これ罠だ」と直感で回避し、エイルが「構造欠陥ですね」と魔法で無効化していた。


【2時間後】

カチリ。

ヒナタが、最後の1ピース(ど真ん中の王の顔)をはめ込んだ。


「完成……しましたァァァァッ!!」


ゴゴゴゴゴゴ……ッ!!

壁一面に、巨大な古代の壁画が現れた。

それは、冥界の神アヌビスが死者を裁く、荘厳で恐ろしい絵図だった。


「おおお……! なんて達成感だ!」


セバスチャンも、いつの間にか熱中してハイタッチをしていた。


「やりましたな勇者殿! 世界記録級の速さですぞ!」

「ええ! 楽しかった~!」


ヒナタは、完成した壁画を愛おしそうに撫でた。

すると、天井が開き、きらびやかな宝箱が降りてきた。


『み、見事だ……。これほど早く完成させるとは……』


守護者の声が、少し震えている(ドン引きしている)。


『褒美として、この「王家の短剣(攻撃力+500)」を与え……』


「あの、守護者さん!」


ヒナタが食い気味に叫んだ。


『ん?』

「短剣はいりません!」

『は?』

「それより、この完成したパズルを固める『専用のり』と『特大フレーム(額縁)』をください!」

「せっかく完成したのに、崩れちゃったらもったいないじゃないですか!」

『……えっ』

「あと、この壁画、持って帰って城(オアシスの自宅)に飾りたいんですけど!」

『い、いや、これは壁画そのもので……持ち運び不可……』

「え~! ケチ!」

「ブモォ!(ケチだ!)」


結局、ヒナタは「記念写真」をエイルの魔法で撮影し、しぶしぶ報酬の短剣を受け取った。


「あーあ。糊付けして額装したかったなぁ……」


ヒナタは短剣をリュックの奥底(どうでもいい物入れ)に放り込んだ。



【場所:天界・管理室】

『…………』


神ドラマスは、冷めたコーヒーを啜った。


『私の試練が……「日曜日の暇つぶし」にされた……』

『もういい……。次だ……』

『最下層……。そこには最強のガーディアン「スフィンクス」がいる……』

『謎かけだ。暴力もパズルも通用しない、知能戦だ……』


神様は、もはや怒る気力もなく、淡々と次のシナリオへ移行した。


しかし、ヒナタがスフィンクスの「謎かけ」を、「大喜利大会」に変えてしまう未来が見えるのは気のせいだろうか。

(第29話・完)


本日もお付き合いいただき、ありがとうございました!


ヒナタのマイペースな異世界蹂躙はまだまだ続きます。魔王軍の胃の痛みが限界を迎える前に、ぜひページ下部の【☆☆☆☆☆】からの評価や、ブックマークでの応援をよろしくお願いいたします!


皆様からの応援トラフィックが、毎日の更新の最大のエネルギーになっています!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ