表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/49

■第27話:ピラミッド発見! ……わあ、この「隠し扉」のギミック、最高ですね!

いつもお読みいただき、ありがとうございます!

本編をお楽しみください



【場所:砂漠の秘境・王家の谷】

「……で、でかい」


一行の目の前に、天を突くような巨大な三角錐がそびえ立っていた。

古代のファラオが眠る聖域、ピラミッドだ。


「ヒャッホォォォウ!! 本物だァァァッ!!」


ヒナタはラクダから飛び降り、熱い砂も気にせずピラミッドの基部に抱きついた。


「見てくださいセバスチャンさん! この石積みの精密さ! カミソリ一枚通さない技術!」

「地球……じゃなくて、故郷では写真でしか見たことなかったんです! 感動だなぁ!」

「は、はあ。確かに壮観ですが……」


セバスチャンは嫌な予感がしていた。


「勇者殿。これは『お墓』です。呪いがあります。外から拝んで、先を急ぎ……」

「何言ってるんですか!」


ヒナタが目を輝かせて振り返る。


「中は? 中はどうなってるんですか!?」

「王の間は? 宝物庫は? 未発見の空洞は!?」

「全部見なきゃ、死んでも死にきれませんよ!!」


ガーン。

セバスチャンの予感が的中した。


「全部見る」……それはつまり、広大な地下迷宮を「しらみ潰し」にするということだ。


「よし! 総員、探検準備!」

「ヘッドライト(発光苔)用意! スコップ用意! おやつ(300円まで)用意!」

「ブモォォォ!(バナナはおやつに入るか!?)」

「ふむ。古代の罠か……。私の反射神経を試すのに丁度いい」

「やれやれ……。地図作成魔法マッピングの準備をしますか」


止める間もなく、勇者一行は「立ち入り禁止」の石板をスルーして、暗闇の入り口へと吸い込まれていった。



【場所:天界・管理室】

『かかったなアホめ!』


神ドラマスが、モニターの前で高笑いをした。


『そのピラミッドは「帰らずの迷宮」!』

『入り組んだ通路! 凶悪なブービートラップ! そして眠りを妨げられた「ミイラマミー」の大群!』

『好奇心で入ったことを後悔し、恐怖に震えながら迷い続けるがいい!!』



【場所:ピラミッド内部・大回廊】

「すごーい! ひんやりしてて涼しいですねぇ!」


ヒナタは、松明ではなく「発光するキノコ(無人島産)」を持って先頭を歩いていた。


カチッ。

ヒナタが床のスイッチを踏んだ。


ヒュンヒュンヒュン!!

壁から無数の毒矢が発射される。


「危ない!」


セバスチャンが叫ぶが――。


「ふんッ!」


ヴァレリアが剣を一閃。

全ての矢が空中で叩き落とされた。


「……おや? 今、何か飛びました?」


ヒナタは気づいていなかった。


「いえ、ただの『虫』です」


ヴァレリアが涼しい顔で答える。


「(ふむ。今の矢の発射角……計算され尽くしている。古代人の匠の技だな)」


ゴゴゴゴゴ……ッ!!

次は巨大な岩球が転がってきた。

インディ・ジョーンズ的な絶体絶命のピンチだ。


「ひぃぃぃッ! 潰されるゥゥゥッ!」

「ブモッ!(ドッジボールだ!)」


ゴズが正面から岩を受け止め、そのままドリブルし始めた。


「わあ、すごい! 自動でボールが出てくる装置なんですね!」


ヒナタが拍手する。


「古代の人って、遊び心があるなぁ!」


『ちがうゥゥゥッ!!』


天界で神様のツッコミが響く。



【場所:地下2階・埋葬室】

「う~……う~……」


不気味な声と共に、包帯を巻いたミイラ男たちが現れた。


『侵入者め……呪ってやる……』

「ひぃっ! 出た! アンデッドだ!」


セバスチャンが聖水を構える。

しかし、ヒナタはミイラを見て、悲痛な声を上げた。


「……なんてことだ!」

『?』

「全身包帯だらけじゃないですか! どんだけ大怪我したんですか!?」


ヒナタが駆け寄る。


『え、いや、これは防腐処理で……』

「しかも包帯が黄ばんでボロボロだ! これじゃ傷口が化膿しちゃう!」

「エイルさん! 新品のさらし(布)を出して!」

「ええっ!? こ、これにお金をかけるのですか!?」

「当たり前です! 患者を見捨てる医者がどこにいますか!」


数十分後。

そこには、ヒナタの手によって「純白の新品包帯」に巻き直され、さらに「リボン結び」で可愛くデコレーションされたミイラたちの姿があった。


『……あ、なんか清潔』

『肌触りがいい……』

『ありがとう……成仏できそう……』


ミイラたちは、ヒナタに合掌して土に還っていった(浄化された)。



【場所:最深部・王の間】

数々のアトラクションと、魔物(患者)を突破し、ついに一行は最深部に到達した。

黄金のマスクを被ったファラオの棺が鎮座している。


「ここが……王の間!」


ヒナタが感動に打ち震える。


『よくぞ来た……。我が眠りを妨げる者は……』


棺が開き、骸骨のリッチ・ファラオが起き上がろうとした。

しかし、ヒナタは王様を無視して、壁画にへばりついた。


「すごい! このヒエログリフ!」

「こっちの壁には当時の生活様式が! あ、これビールの作り方だ!」

「エイルさん! 拓本コピー取ってください! 全部です! 1ミリも残さず!」

『あ、あの……我は……』

「静かにしてください! 今、歴史的発見の最中なんです!」


ヒナタがファラオに「シーッ」とする。


「あ、王様。ちょっとそこどいてくれませんか? その棺の下の床も調べたいので」

『えっ』

「ゴズさん、王様を持ち上げて」

「ブモッ!(よっこいしょ!)」

『ちょ、おま、呪うぞ!? 我、神だぞ!?』


結局、ファラオは部屋の隅に追いやられ、体育座りでヒナタたちの「調査」を見守ることになった。


「あ、そこのツボは触らないで……あーっ! それ私のコレクション!」



【場所:天界・管理室】

神ドラマスは、げっそりしていた。


『…………終わらない』


モニターの表示は【探索率:5%】。

ヒナタは、「隠し部屋」だけでなく、「通気口」や「排水溝」まで調べ尽くそうとしていた。


『まだ入り口付近だぞ!?』

『このペースだと……全フロア踏破するのに半年はかかるぞ!?』

『頼む……。もう宝箱ゴールを置いてやるから……』

『満足して出ていってくれェェェッ!!』


【3日後・ピラミッド内部】

「ふぅ。地下1階の測量が終わりました」

ヒナタは、自作の「ピラミッド完全攻略マップ」を広げた。


「勇者殿……。そろそろ……」


セバスチャンが縋るように言う。


「何言ってるんですか! まだ地下13階まであるんですよ?」

「しかも、さっきゴズさんが『隠し階段』見つけちゃったんです!」

「ブモォォォ!(お手柄だぜ!)」

「くっ……! こうなったら私も意地だ!」


エイルが眼鏡を光らせる。


「古代建築の謎……全て解き明かして論文にしてやりますよ!」


ピラミッドは、ヒナタたちによって「長期滞在型・研究施設」として占拠された。

ファラオも今では、


『あ、そっちの通路は行き止まりだよ』

『お茶淹れようか?』


と、すっかりアシスタントとして馴染んでいた。

魔王城への旅路は、またしても「歴史の闇(ピラミッドの奥)」へと消えていったのだった。

(第27話・完)


本日もお付き合いいただき、ありがとうございました!


ヒナタのマイペースな異世界蹂躙はまだまだ続きます。魔王軍の胃の痛みが限界を迎える前に、ぜひページ下部の【☆☆☆☆☆】からの評価や、ブックマークでの応援をよろしくお願いいたします!


皆様からの応援トラフィックが、毎日の更新の最大のエネルギーになっています!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ