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■第18話:大陸に上陸! ……わあ、この「魔法の絨毯」って本物ですか?

いつもお読みいただき、ありがとうございます!

本編をお楽しみください



【場所:砂の大陸・玄関口「アル・バハラ港」】

「つ、ついた……! 土だ! 大地だァァァッ!!」


タラップを降りた瞬間、宰相セバスチャンは港の石畳にキスをした。


長かった。本当に長かった。

王都を出てから数ヶ月。本来なら数週間で終わる旅程が、永遠に続くかと思われた。


「さあ勇者殿! ここからは陸路です!」


セバスチャンが鼻息荒く立ち上がる。


「馬車を手配しましょう! 休む間もなく砂漠を越え、魔王領へ……」

「わあ……! 見てくださいセバスチャンさん!」


ヒナタは、セバスチャンの言葉をBGMにして、港の風景に目を奪われていた。

そこは、白と茶色のレンガで造られた、エキゾチックな街並み。

ターバンを巻いた人々、スパイスの香り、そして何より――。


市場バザールですよ! すごい活気だ!」


港の出口には、大陸最大級の巨大バザールが広がっていた。


【場所:入国管理局・検問所】

まずは関所を通らねばならない。

強面の衛兵が、槍を構えて立っていた。


「止まれ! 貴様ら、何者だ! 入国の目的は!」


普通の冒険者なら緊張する場面だ。

しかし、ヒナタはニコニコとパスポート(冒険者カード)を出した。


「初めまして~。日向です。目的は……そうですね、『異文化交流』でしょうか?」

「い、異文化……?」


衛兵が眉をひそめる。


「怪しいな。荷物を見せろ。危険物は持っていないか?」

「はい、どうぞ。あ、これ、お近づきのしるしに……」


ヒナタはリュックから、船旅で作った「干しイカ(リヴァイアサン)」を取り出した。


「なんだこれは?」

「海の主の干物です。噛めば噛むほど味が出ますよ~」

「……ほほう」


衛兵が一口かじる。


「!! ……うまい。故郷の味だ……」

「でしょう? あ、こっちには珍しい貝殻もありますよ。お子さんのお土産にどうですか?」

「む……息子が喜びそうだ。……いや、職務中だぞ!」

「まあまあ。立ち話もなんですし、そこの木陰でお茶でも飲みながら……」


10分後。

そこには、衛兵とすっかり意気投合し、この国の観光スポットや美味しい店情報を聞き出しているヒナタの姿があった。


「へぇ~! この先のオアシスに伝説のフルーツが!」

「おうよ。絶対行けよ兄弟!」

「ありがとうございます! 良い旅になりそうです!」


パスポートには【VIP(超仲良し)】のスタンプが押されていた。

セバスチャンは頭を抱えた。


「なぜ……なぜ『尋問』が『観光案内』に変わるのですか……」



【場所:巨大バザール】

関所を抜けると、そこは物欲の魔窟だった。


「安いよ安いよー! 魔法のランプだよー!」

「空飛ぶ絨毯! 今なら30%オフ!」

「砂漠の秘宝、サソリの串焼きはいかが!」


色とりどりのテント。怪しげな骨董品。

ヒナタの目が、少年のように輝いた。


「すごい……! アラビアンナイトの世界だ……!」

「ヴァレリアさん! エイルさん! ここで『砂漠用の装備』を整えましょう!」

「ふむ。確かに今の服装では暑いな」


ヴァレリアも、エキゾチックな踊り子風の鎧(防御力高め)を手に取って満更でもない顔をしている。


「この曲線美……動きやすそうだ」

「ほう、古代文字の魔導書ですか。……これは掘り出し物だ」


エイルは古本屋に吸い込まれていった。


「ブモォォォ!(このカレー、辛くてうめぇ!)」


ゴズは屋台街から帰ってこない。


「ちょ、皆さん!? 先を急ぐのでは!?」


セバスチャンが叫ぶが、ヒナタは絨毯屋の前で座り込んでいた。


「おじさん、この絨毯、肌触り最高ですねぇ」

「だろう? 最高級の羊毛さ」

「これの上で昼寝したら気持ちよさそうだなぁ……。セバスチャンさん、これ買いましょう!」

「買いません! 荷物になります!」

「え~? でも、砂漠の夜は冷えるって言いますし……」


結局、ヒナタの「おねだりスキル(物理攻撃力ゼロ)」に負け、

* 最高級ペルシャ絨毯(昼寝用)

* 巨大な水パイプ(観賞用)

* 謎の壺(漬物用)

を買う羽目になった。



【場所:天界・管理室】

『…………』


神ドラマスは、モニターの前で震えていた。


『着いたんだろ……? 陸に着いたんだろ……?』

『なんでスタート地点(港)で「お買い物フェーズ」に入ってるんだァァァッ!!』

『そこは「補給」だけで素通りするところだろ! 1軒1軒丁寧に見て回るな!』


画面の中では、ヒナタがターバンを巻き、現地の服に着替え、完全に「砂漠の商」と化していた。


「似合いますか? セバスチャンさん」

「……似合いますな。(くそっ、可愛い笑顔しおって……)」

『ほだされるな宰相!!』


神の叫びも虚しく、セバスチャンの財布の紐は緩みっぱなしだった。



【数時間後・港町の出口】

「ふぅ~、良い買い物をしました」


ヒナタたちは、ラクダ(レンタル)に揺られて、ようやく街を出ようとしていた。

しかし、その装備は「冒険者」のものではなかった。

ラクダの背中には山のようなお土産。

ヒナタたちは民族衣装に身を包み、手には食べかけのケバブ。

どう見ても「シルクロードの富豪一行」だ。


「さあ、いよいよ砂漠ですね!」


ヒナタが、果てしなく続く砂丘を見つめる。

神ドラマスが、最後の希望を託して祈る。


『そうだ……。行け……。過酷な砂の世界へ……』

『水も何もない、死の世界で後悔するがいい……』


しかし、ヒナタはラクダの背中をポンと叩いて言った。


「楽しみだなぁ。砂漠で『サンドスキー』やるの、夢だったんですよねぇ」

「あと、夜の星空の下で『キャンプファイヤー』も!」

「ブモッ!(マシュマロ焼くぜ!)」

『…………』


神様は、そっとモニターの電源を切った。

砂漠が「巨大な砂場サンドボックス」に変わる未来しか見えなかったからだ。


こうして、新たな大陸での「大冒険(という名の観光旅行)」が、またしてもスローペースで幕を開けたのだった。

(第18話・完)


本日もお付き合いいただき、ありがとうございました!


ヒナタのマイペースな異世界蹂躙はまだまだ続きます。魔王軍の胃の痛みが限界を迎える前に、ぜひページ下部の【☆☆☆☆☆】からの評価や、ブックマークでの応援をよろしくお願いいたします!


皆様からの応援トラフィックが、毎日の更新の最大のエネルギーになっています!


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