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■第141話:真夏の怪異・くねくね! ……えっ、精神崩壊の前に「熱痙攣」と「経口補水液の投与」の説教ですか?

いつもお読みいただき、ありがとうございます!

それでは、本編をお楽しみください!


【場所:天界・管理室】

「……ん? 口裂け女も、ずっと前に対応済みだと!?」


神ドラマスは、神殿のメインサーバーから警告音(重複エラー)が鳴り響くのを聞いて、頭を抱えて机に突っ伏した。


「私としたことが……! 過去の指導履歴のインデックスが完全にクラッシュしている! ええい、こうなったら古典妖怪の枠を飛び越え、現代の都市伝説から新たな『く』の刺客を召喚してインシデントを収束させるのだ!!」


神ドラマスが震える手でエンターキーをターン!と叩くと、モニターの標的が切り替わった。


「『く』から始まる新たな刺客、真夏の恐怖・くねくねだ! 猛暑の田園地帯にポツンと現れ、白くウネウネと奇妙な動きを続ける謎の存在! 遠くから見るだけなら無害だが、双眼鏡などでその『正体』を理解してしまった瞬間、発狂して精神が崩壊するという絶対不可避のサスペンス! この正体不明のコズミック・ホラーに、ヒナタのロジックはどう立ち向かうのだ!?」


【場所:人間界・真夏の田園地帯】

「う〜ん、今日は異常気象レベルの猛暑ですねぇ! 照り返しがキツいです!」


ヒナタは、四次元リュックを背負い、麦わら帽子を被って汗を拭いながら田んぼの畦道あぜみちを歩いていた。


「ゆ、勇者殿……! あんな遠くの田んぼの真ん中で、何か『白いもの』が……奇妙に体をくねらせておりますぞ……?」


宰相セバスチャンが、目を細めて遠くを指差した。

ジリジリと焼け焦げるような炎天下の中、遥か彼方で「真っ白な人影」のようなものが、関節のないタコのように、ウネウネ、クネクネと不気味に踊り続けている。


「ひぃぃ……。な、なんだあの気持ち悪い動きは……。少し『遠見の魔法』で拡大して見てみますぞ……」


セバスチャンが杖を構え、視力を強化してその「正体」を理解しようと焦点を合わせた、その瞬間。


『……クネ……クネクネ……』


セバスチャンの脳内に直接、名状しがたい狂気のノイズが響き渡り、両目が虚ろになりかけた。


「あ、あぁ……わかっ、た……。あれは……あれは……ヒャハハハッ!!」


精神崩壊のスイッチが入り、セバスチャンが狂気の笑い声を上げようとした、その瞬間。


「ちょっと待って!!!」


ヒナタの、真夏の田園風景の熱気を完全に凍りつかせる「救急救命士&気象予報士ガチギレ・トーン」が響き渡った。


『……エッ?』


遠くの「くねくね」は、ウネウネするのをやめてピタリと固まった。


ヒナタは、四次元リュックをドンッと置き、鬼の形相で遠くのくねくねと、倒れかけているセバスチャンを交互にビシッと指差した。


「あなたたち!! この気温38度を超える猛暑日(危険レベル)に、帽子も被らずに日向に立ち続けるなんて正気の沙汰ですか!! あの遠くで白くウネウネ見えているのは、妖怪でも何でもなく、極端な地表の熱放射による『陽炎(かげろう:光の屈折現象)』で風景が歪んでいるだけです!! しかも、あそこで倒れかけて痙攣しているのは、塩分と水分が完全に枯渇して『重度の熱中症(熱痙攣)』を起こしている村人ですよ!!」

『け、熱痙攣……!? 陽炎による光の屈折……!?』


くねくね(熱中症で倒れかけていた真っ白な服の村人)は、自分の正体不明の恐怖を「ただの危険な脱水症状と蜃気楼(物理現象)」として気象学・医学的に詰められ、クネクネするのをやめてバタリと倒れた。


「大体、正体を知って発狂するその呪い!!」


ヒナタは今度、白目を剥きかけているセバスチャンの胸ぐらを掴んだ。


「それは呪いでも発狂でもありません!! 日よけもない炎天下で、遠くの蜃気楼を必死に凝視したせいで、セバスチャン自身も脳の温度が急上昇して『熱射病(重度の熱中症による中枢神経異常・せん妄状態)』に陥っているだけです!! 見て発狂したんじゃなくて、一緒に熱中症になって脳がバグったんです!! 意味不明なオカルトに逃げないで、今すぐ『WBGT(暑さ指数)』を確認しなさい!!」

「熱射病……!? せん妄状態……!? いや、私は深淵を覗いて……」


セバスチャンは、自分の精神崩壊のピンチを「ただの塩分不足と脳のオーバーヒート」として救急医学的に全否定され、ヒナタに首根っこを掴まれて日陰に引きずり込まれた。


「今日から、徹底的な『体内深部温度の冷却』と『オーラル・リハイドレーション(経口補水)プログラム』を行います!!」


ヒナタは、四次元リュックから、「艶消しマットで太陽光を100%遮断する、完全遮光の特大日傘」「瞬間冷却・極冷アイスパック(大量)」、そして「ナトリウムとカリウムが黄金比で配合された、医療用・経口補水液(OS−1)」を取り出した。


「ゴズさん、あの田んぼで倒れている村人くねくねを大至急、木陰の涼しい場所に運んで! ヴァレリアさん、セバスチャンの太い血管(首筋、脇の下、そけい部)にアイスパックを的確に当てて急冷して!!」

「ブモォッ!(おう! 夏の田んぼを舐めたら命に関わるからな! 救助だ!)」

「ふむ。この太い動脈のポイントを正確に冷やし、血液の温度を下げる……暗殺の逆、活人の術だな」

『ナ、何ヲ……!? 私ノ精神崩壊ノ呪イガ……!』

「【究極の熱中症レスキュー&完全遮光・クールダウン・プログラム】です!!」


ヒナタたちの手により、木陰に運ばれた村人くねくねとセバスチャンは、マットな完全遮光日傘の下で急速冷却され、ヒナタから「経口補水液」を少しずつ飲まされた。


『おおっ……!? な、なんだこれは……! 普段ならしょっぱく感じるはずの液体が、干からびた体に信じられないほど甘く、美味しく吸収されていく……! 痙攣クネクネしていた筋肉がスゥーッと落ち着いて、狂いそうだった頭の中のモヤモヤ(せん妄)が、嘘のようにクリアになったぞ……!!』

「はい! 経口補水液が美味しいと感じる時は、体が極度の脱水状態にある証拠です! これからは、夏場に日差しを遮るアイテムを持たずに外出するのは絶対にやめなさい!」


ヒナタの的確な救急処置により、二人の熱中症(と都市伝説の恐怖)は完全に取り除かれた。


数日後。

そこには、真夏の田園地帯でウネウネと動き、見る者を狂わせる正体不明の怪異の姿はなかった。


艶消しマットの完全遮光日傘をスタイリッシュに差し、首にはクールネックリングを装備して、田んぼで農作業をする人々に「経口補水液の適切な摂取と、WBGT(暑さ指数)に基づく適度な休憩」を指導して回る、「王都認定・熱中症予防アンバサダー(元・くねくね)」として、村人たちの命を炎天下から守り抜く青年の爽やかな姿があった。


『皆さん! 喉が渇く「前」に水分と塩分を補給してください! 少しでも痙攣クネクネを感じたら、すぐに日陰でアイスパックです!』


元・くねくねは、一切の陽炎も狂気も生むことなく、完璧な熱中症対策で村の安全を守っていた。


「……ゆ、勇者殿。精神を崩壊させる都市伝説が……『熱痙攣と蜃気楼を解明され、完全遮光日傘で熱中症予防を啓蒙するアンバサダー』になってしまいましたぞ……」


セバスチャンは、氷のように冷えた麦茶を飲みながら、自分の脳がバグったのは呪いではなく完全に日射病だったと猛省していた。


【場所:天界・管理室】

『…………』


神ドラマスは、自分のデスクの横に設置していた暖房器具(冬用の名残り)の電源を静かにブチ抜いた。


『くねくねが……「熱痙攣と陽炎による光の屈折」と指摘され、日陰で経口補水液を飲まされた……』

『精神崩壊の呪いは「ただの熱射病によるせん妄状態」と怒られ、完全遮光日傘を与えられて熱中症予防アンバサダーになった……』


ドラマスは、深く、長く息を吐き出すと、もはや「現代のコズミック・ホラー」すら「異常気象による熱中症と脱水症状」として救急救命士のロジックで完璧に治療してしまうヒナタに完全降伏し、通販サイトで「医療用の経口補水液(箱買い)」と「艶消しマットの完全遮光・晴雨兼用傘」をポチり、自らの神殿での水分補給と温度管理を、WBGT指数に基づいて徹底的に管理することを固く誓うのだった。

(真・第141話・完)


本日もお付き合いいただき、ありがとうございました!


ヒナタのマイペースな異世界蹂躙はまだまだ続きます。魔王軍の胃の痛みが限界を迎える前に、ぜひページ下部の【☆☆☆☆☆】からの評価や、ブックマークでの応援をよろしくお願いいたします!


皆様からの応援トラフィックが、毎日の更新の最大のエネルギーになっています!


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