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■第119話:闇夜に浮かぶ提灯お化け! ……えっ、驚かす前に「火災予防条例違反」と「口腔乾燥症」の説教ですか?

いつもお読みいただき、ありがとうございます!

それでは、本編をお楽しみください!


【場所:天界・管理室】

「……よし。非常用持ち出し袋のチェックも完了し、神殿のBCP(事業継続計画)は完璧だ」


神ドラマスは、くだんのエピソードから学んだ防災マニュアルを棚に収め、満足げにモニターを見下ろしていた。

画面の中では、ヒナタたちが月明かりすらない真っ暗な旧街道を、ランタンの灯りだけを頼りに歩いていた。


「ほう! 次なる怪異は日本のクラシック・ホラー、提灯お化けか!」


ドラマスは、防災ヘルメットを脱いでニヤリと笑った。


「古びて破れた提灯が100年の時を経て魂を宿した付喪神つくもがみ! 生物ではなく『無機物(道具)』の妖怪だ! 健康管理や食事療法など一切通用しないこの相手に、ヒナタのオカン的説教もついに打つ手がなくなるはずだ!!」


【場所:人間界・真っ暗な旧街道】

「う〜ん、今日は星も見えないくらい真っ暗ですね。足元に気をつけてくださいね」


ヒナタは、四次元リュックのベルトを握り直しながら、慎重に歩みを進めていた。


「ゆ、勇者殿……! 前方の暗がりで、何かが赤くポゥッと光っておりますぞ……!」


宰相セバスチャンが、自分の持つランタンを持つ手を震わせた。


『……ベロベロバァァァーーーッ!!』


突然、暗闇から飛び出してきたのは、古びてボロボロに破れた和紙の体、ギョロリとした大きな一つ目、そしてパックリと開いた口から長〜い舌を垂らした、巨大な「提灯のお化け」だった。

提灯の中では、本物のロウソクの火が不気味に揺らめいている。


「ひぃぃぃッ!! で、出たァァッ!! 提灯の化け物ですぞォォッ!!」


セバスチャンが悲鳴を上げてゴズの背中に隠れる。


『ギャハハハッ! 驚いたか人間ども! 俺様は闇夜をさまよう恐怖の提灯! この燃え盛る炎と、底知れぬ呪いで、お前たちを暗闇の迷宮へ引きずり込んで……』


提灯お化けが、長い舌をベロンと舐めずり回し、不気味に体をバサバサと揺らした、その瞬間。


「ちょっと待って!!!」


ヒナタの、真っ暗な街道を物理的に照らし出す「消防設備士&建具職人ガチギレ・トーン」が響き渡った。


『……エッ?』


提灯お化けは、空中でピタリとホバリングしたまま固まった。

ヒナタは、四次元リュックをドンッと置き、鬼の形相で提灯お化けの「破れた体(和紙)」と「中の炎」をビシッと指差した。


「あなた!! そんな和紙がビリビリに破れた状態で、中に『裸火(本物のロウソク)』を灯して飛び回るなんて正気の沙汰ですか!! 歩く『火災予防条例違反』ですよ!! 突風が吹いて火の粉が枯れ草に燃え移ったら、一瞬で山火事になるじゃないですか!! 防火管理の意識が低すぎます!!」

『ひ、火災予防条例……!? 山火事……!? いや、俺様は恐怖の炎で……』


提灯お化けは、自慢の呪いの炎を「ただの重大な延焼リスク」としてブチギレられ、中のロウソクの火をビクッと小さくした。


「大体、その口と舌!!」


ヒナタは、提灯からだらしなく垂れ下がっている長い舌を指差した。


「ずっと口を開けっぱなしで舌を外に放り出しているなんて!! 唾液が蒸発して口の中がカラカラになる『重度の口腔乾燥症ドライマウス』になりますよ!! 唾液の自浄作用が失われて、雑菌が繁殖して口臭の原因にもなる!! だからそんなにカビ臭い息がするんでしょ!! 今すぐ舌をしまいなさい!!」

『ド、ドライマウス……!? カ、カビ臭い息……!?』


提灯お化けは、妖怪としての不気味なアイデンティティ(舌)を「口呼吸による深刻な口内トラブル」として論破され、慌ててシュルッと舌を口の中に引っ込めた。


「今日から、徹底的な『防火・安全対策』と『外装のフル・リノベーション』を行います!!」


ヒナタは、四次元リュックから、「最新型・LEDキャンドルライト(ゆらぎ機能付き)」「防炎加工・超耐久の高級和紙(純白)」「職人用の天然でんぷん糊」、そして「口腔保湿用・オーガニックスプレー」を取り出した。


「ゴズさん、提灯さんをしっかり持ってて! ヴァレリアさん、中の危険なロウソクを素早く取り除いて!!」

「ブモォッ!(おう! 火の不始末は一番危ねぇからな、しっかり消火するぜ!)」

「ふむ。このゆらゆら動く芯だけを斬り落とす……太太刀の精密なコントロールが試されるな」

『ナ、何ヲ……!? 俺様ノ恐怖ノ灯リガ……!』

「【究極の安全第一・LEDスマート化&建具リペア・プログラム】です!!」


ヴァレリアの神速の剣さばきにより、提灯お化けの中から危険なロウソク(裸火)が安全に抜き取られた。

続いてヒナタは、ドライマウスで乾ききっていた提灯お化けの口元に保湿スプレーを吹きかけ、古いボロボロの和紙を綺麗に剥がしていく。


『アァァァッ……!! こ、こびりついていた何百年分のカビとホコリが……! そして保湿スプレーのおかげで、カラカラだった口の周りがスゥーッと潤っていくぞ……!』

「はい、骨組みを整えたら、燃えない安全な和紙を張りますよ!」


ヒナタの手際よい職人技で、提灯の竹ひごに「防炎加工の真っ白な高級和紙」がピンと張られていく。


「仕上げは、これです!」


ヒナタが、提灯の底に「最新型LEDキャンドルライト」をカチャッとセットした。


ポゥ……。

スイッチを入れると、本物の炎のように温かく、しかし絶対に燃え移ることのない安全な光が、純白の和紙越しに周囲を美しく照らし出した。


『おおっ……!? な、なんだこのクリアで安定した光は……! しかも熱くない! 今までロウソクの熱で常に頭がのぼせていた(熱中症寸前だった)のに、頭が信じられないくらいスッキリしているぞ!!』


提灯お化けは、自らの完璧な防炎ボディと、安全なスマート照明(LED)の快適さに感動し、夜空で嬉しそうにホバリングをした。


「……ん。この光、暖かみがあって……すごくよく眠れそう……」


ネムリネが、LEDのゆらぎ機能(1/fゆらぎ)に誘われ、空飛ぶクッションの上でスヤスヤと寝息を立て始めた。


「完璧ですね! これなら風が吹いても絶対に火事になりません! 人を脅かすのはやめて、その美しい光で夜道の安全を照らしてあげてくださいね!」


ヒナタが、満足げにウンウンと頷く。


『合点承知だヒナタ親方!! 俺様、これからは脅かすのをやめて、この火災リスクゼロの最新ボディで、王都の「夜間パトロール用・エコ街灯」としてみんなの足元を照らすぜ!!』


元・提灯お化けは、一つ目をパチリとウインクさせ、安全で優しい光を放ちながら、暗い街道の先導役としてフワフワと飛んでいくのだった。


「……ゆ、勇者殿。不気味な付喪神が……『ドライマウスを克服し、防炎和紙とLEDを搭載した超安全なスマート照明』になってしまいましたぞ……」


セバスチャンは、全く火事の心配がない提灯の優しい光に照らされながら、王国の街灯もすべてLEDに切り替えようと心に決めていた。


【場所:天界・管理室】

『…………』


神ドラマスは、防災マニュアルを静かに閉じた。

『無機物の提灯お化けが……「火災予防条例違反」と「ドライマウス」を指摘され、ロウソクを抜かれた……』

『ボロボロの体は「防炎和紙」に張り替えられ、LEDライトを仕込まれてエコな街灯になった……』


ドラマスは、深く、長く息を吐き出すと、もはや「付喪神(道具)の呪い」すら「建具のメンテナンス不足と消防法違反」として物理的にリフォームしてしまうヒナタに完全降伏し、通販サイトで「アウトドア用・LEDランタン(ゆらぎ機能付き)」と「間接照明セット」をポチり、自らの神殿の夜を火災リスクゼロの安全でリラックスできる空間に改造することを固く誓うのだった。


本日もお付き合いいただき、ありがとうございました!


ヒナタのマイペースな異世界蹂躙はまだまだ続きます。魔王軍の胃の痛みが限界を迎える前に、ぜひページ下部の【☆☆☆☆☆】からの評価や、ブックマークでの応援をよろしくお願いいたします!


皆様からの応援トラフィックが、毎日の更新の最大のエネルギーになっています!


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