■第117話:へそ曲がりの天邪鬼! ……えっ、逆らう前に「深刻な反抗期(試し行動)」と「失感情症のケア」の説教ですか?
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それでは、本編をお楽しみください!
【場所:天界・管理室】
「……スゥッ。うむ、極暖インナーとマウンテンパーカーの重ね着は、神の体温を完璧に保ってくれるな」
神ドラマスは、あかはだかのエピソードから導入した完璧な防寒着に身を包み、ツヤツヤの肌(ボディミルク効果)でモニターを見下ろしていた。
画面の中では、ヒナタたちが王都の広場で、村人たちと何やら揉め事に巻き込まれているところだった。
「ほう! ついに来たか! 妖怪の中でも一、二を争う厄介な性格破綻者、天邪鬼の登場だ!」
ドラマスは、手を叩いて身を乗り出した。
「相手の心を読み、言われたことと『完全に逆の行動』をとってパニックに陥れる小鬼! 『右へ行け』と言えば左へ行き、『助けて』と言えば殺しにくる! 物理攻撃も生活改善も、この『絶対的否定』のロジックの前には無意味! ヒナタよ、お前のド正論すらも逆手に取られる、このメンタル迷宮にどう立ち向かう!?」
【場所:人間界・王都の中央広場】
「あーっ! また荷物をひっくり返したな! やめろと言っているのに!!」
「ヒヒヒッ! やめろって言われたから、もっとひっくり返してやるんだよォ!!」
広場では、小柄で醜い小鬼――天邪鬼が、商人の荷車をひっくり返してゲラゲラと笑っていた。
「ゆ、勇者殿! あれは天邪鬼ですぞ! こちらの意図と逆のことをして喜ぶ、極めてタチの悪い妖怪です!」
宰相セバスチャンが杖を構える。
「天邪鬼め! 決して我々に近づくなよ! 絶対に近づくではないぞ!!」
『ギャハハッ! そう言われると、近づきたくてたまらなくなるねぇ!!』
天邪鬼は、セバスチャンの意図を正確に読み取り、猛スピードで突進してきて、セバスチャンの脛を思い切り蹴り飛ばした。
「ギャァァッ!! 痛い! 痛いですぞォォッ!!」
『おっと! 今度は「痛いからもっと蹴ってくれ」って心の中で思ってるな!?』
「思ってない! 全く思ってないから蹴るなァァッ!」
天邪鬼がさらに追い打ちをかけようと、意地悪な笑みを浮かべて足を振り上げた、その瞬間。
「ちょっと待って!!!」
ヒナタの、バカ騒ぎを完全に制圧する「ベテラン保育士&児童心理学者」が響き渡った。
『……あ? なんだ人間?』
天邪鬼は、足を上げたままニヤニヤとヒナタを振り返った。
『お前も俺様に「説教するな」って言われたいのかい?』
ヒナタは、四次元リュックをドンッと置き、鬼の形相で天邪鬼の「ひねくれた顔」をビシッと指差した。
「あなた!! 相手の気を引くために、わざと嫌がることをして相手の愛情や反応を確認するなんて、典型的な『試し行動』じゃないですか!! そんなことを繰り返していたら、周りの人が疲れ果てて愛想を尽かしますよ!! 年齢の割に『深刻な反抗期(愛着障害のサイン)』をこじらせすぎてます!!」
『た、試し行動……!? 反抗期……!?』
天邪鬼は、自分の妖怪としての陰湿なアイデンティティを、「ただの愛情不足で拗らせた子供のイヤイヤ期」として論理的に指摘され、思わず小鬼の顔を引きつらせた。
「大体、相手の言葉と逆のことばかりするなんて!!」
ヒナタは、天邪鬼の胸ぐらを指差した。
「常に自分の本心を押し殺して『逆張り』ばかりしていたら、自分が本当に何をしたいのか、何が好きなのかすら分からなくなる『失感情症』に陥りますよ!! 素直に『これが好き』『これがしたい』って言えないなんて、オカンは悲しいです!! もっと自分の心に素直になりなさい!!」
『し、失感情症……!? アタイが自分の好きなものを……!?』
天邪鬼は、何百年も「他人の逆」を生き続けたせいで、実は「自分が本当に好きな食べ物や趣味」を一つも持っていないという痛い図星を突かれ、ハッと息を呑んだ。
「今日から、徹底的な『自己受容(インナーチャイルドの癒やし)』と『アサーティブ・コミュニケーション(素直な自己表現)』の訓練を行います!!」
ヒナタは、四次元リュックから、「子供用・フカフカのハグ用ぬいぐるみ」「自分の気持ちを素直に書く『感情日記』」、そして「温かいココアと手作りクッキー」を取り出した。
「ゴズさん、天邪鬼を無理に押さえつけないで! ヴァレリアさん、武器をしまって!!」
「ブモォッ!(おう! 反抗期の子供に力で対抗しても逆効果だからな!)」
「ふむ。剣よりも言葉……いや、無条件の愛で包み込むというわけか」
『ナ、何ヲ……!? 俺様ハ逆張りノ妖怪ダゾ……! 優シクシテモ絶対ニ……!』
「【究極のインナーチャイルド・ケア&アサーション・トレーニング】です!!」
ヒナタは、抵抗しようと身構える天邪鬼の前に静かにしゃがみ込み、その小さな体を、ただギュッと、力強く、そして温かく抱きしめた。
『……えっ?』
「もう、無理して人の嫌がることをしなくていいんですよ」
ヒナタの、オカンのような圧倒的な包容力と優しい声が、天邪鬼の耳元に落ちた。
「気を引かなくても、僕はここにいます。あなたがどんなにワガママを言っても、僕はあなたを見捨てません。だから、安心して素直になっていいんです」
『あ……あぁ……』
天邪鬼の心の中に何百年も分厚く張り巡らされていた「逆張りの鎧」が、ヒナタの【無条件の肯定的関心(カウンセリングの基本)】によって、ポロポロと崩れ落ちていく。
『俺様……本当は……本当は……ただ、みんなと一緒に……遊びたかっただけなんだぁぁぁッ……!!』
天邪鬼は、ヒナタの胸の中で子供のようにワァワァと大泣きし始めた。
「はい、偉いですね。自分の素直な気持ち、ちゃんと言えましたね」
ヒナタは、涙で顔をグシャグシャにした天邪鬼に、温かいココアとクッキーを差し出した。
『……素直に言うよ。このココア、めちゃくちゃ甘くて美味しい……。クッキーも、サクサクで最高だよ……』
「良かったです! これからは、嬉しい時は嬉しい、美味しい時は美味しいって、その『感情日記』に書いていく練習をしましょうね!」
数日後。
そこには、人の心と逆のことをして喜ぶ、ひねくれた小鬼の姿はなかった。
他人の本心を正確に読み取る能力を活かし、素直な言葉で相手の本当の悩みを優しく引き出す「王都No.1の凄腕心理カウンセラー(超・素直)」として、人々のメンタルケアに尽力する、礼儀正しい少年の姿があった。
『ヒナタ先生! 僕、もう逆張りなんてしません! 相手の本当の気持ちに寄り添って、みんなを笑顔にするんだ!』
元・天邪鬼は、感情日記を胸に抱きながら、屈託のない満面の笑みで真っ直ぐに手を振った。
「……ゆ、勇者殿。稀代のへそ曲がり妖怪が……『無条件の愛で反抗期を卒業し、圧倒的共感力を持つホワイトなカウンセラー』になってしまいましたぞ……」
セバスチャンは、天邪鬼カウンセラーのおかげで長年の胃痛のストレス原因(仕事のプレッシャー)が解消され、スッキリとした顔でハーブティーを飲んでいた。
【場所:天界・管理室】
『…………』
神ドラマスは、マウンテンパーカーのポケットに静かに手を入れた。
『天邪鬼が……「深刻な反抗期(試し行動)」と「失感情症」を指摘され、無条件の愛でハグされた……』
『逆張りは「愛情不足の裏返し」と診断され、感情日記とココアで素直な心理カウンセラーになった……』
ドラマスは、深く、長く息を吐き出すと、もはや「絶対的否定のメンタル攻撃」すら「発達心理学と愛着形成のアプローチ」で完全に浄化してしまうヒナタに完全降伏し、通販サイトで「傾聴のスキル(ビジネス書)」と「自己肯定感を高める感情日記帳」をポチり、自らの神としてのメンタルバランスと、人間に対する素直な愛情表現を一から学び直すことを固く誓うのだった。
(第117話・完)
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ヒナタのマイペースな異世界蹂躙はまだまだ続きます。魔王軍の胃の痛みが限界を迎える前に、ぜひページ下部の【☆☆☆☆☆】からの評価や、ブックマークでの応援をよろしくお願いいたします!
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