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■第112話:天井破りの巨大足・足洗邸! ……えっ、洗う前に「断熱性の崩壊」と「足底筋膜炎のケア」の説教ですか?

いつもお読みいただき、ありがとうございます!

それでは、本編をお楽しみください!


【場所:天界・管理室】

「……スゥーッ、ハァーッ。うむ、シルクのパジャマと自律神経調整ウェアの重ね着は、睡眠の質を神の領域へと引き上げてくれるな」


神ドラマスは、これまでの妖怪たちから学んだ健康グッズのフル装備で快眠を満喫し、スッキリとした頭でモニターを見下ろしていた。

画面の中では、ヒナタたちが王都の郊外にある、立派だが古びた武家屋敷で夜を明かそうとしているところだった。


「ほう! 次なる怪異は足洗邸あしあらいやしきか!」


ドラマスは、朝の白湯さゆを飲みながらニヤリと笑った。


「夜更けに突如として天井をバリバリと突き破り、泥だらけの巨大な剛毛の足がドスンと降りてくる! そして『足を洗え!』と要求し、洗わないと屋敷中を破壊して回るという理不尽極まりないポルターガイスト! この圧倒的な質量と住居侵入の恐怖に、ヒナタのド正論はどう立ち向かうのだ!?」


【場所:人間界・古い屋敷の寝室】

「う〜ん、古いお屋敷の畳の匂いって、なんだか落ち着きますねぇ」


ヒナタは、ふかふかの布団に潜り込みながら、のんびりとあくびをした。


「ゆ、勇者殿……! この屋敷、夜な夜な天井から化け物が現れるという曰く付きの物件ですぞ……! 熟睡など……」


宰相セバスチャンが、布団を頭まで被って震えていた、その時だった。


メリメリッ……メキメキメキィィィッ!!

突如、寝室の天井板が派手な音を立てて砕け散り、真っ暗な屋根裏から「泥と血にまみれた巨大な右足」が、ドスゥゥゥン!!と畳の上に降り注いだ。


『……足ヲ……洗エェェ……。ワシノ足ヲ……洗エェェェッ!!』


屋根裏の暗闇の奥から、家全体を震わせるようなおぞましい声が響き渡る。


「ひぃぃぃッ!! で、出たァァッ!! 天井を突き破って、巨大な足ですぞォォッ!!」


セバスチャンが布団から飛び出して絶叫する。


『洗ワヌカ……! 洗ワヌナラ、コノ家ヲ木端微塵ニ踏ミ潰シテクレルゾォォ……!』


巨大な足が、脅すように畳を踏み鳴らし、屋敷の柱がミシミシと悲鳴を上げた、その瞬間。


「ちょっと待って!!!」


ヒナタの、家屋の軋む音を完全に制圧する「一級建築士&足病医ガチギレ・トーン」が響き渡った。


『……エッ?』


足洗邸の巨大な足は、踏み鳴らすのをやめてピタリと固まった。

ヒナタは、布団をバサッと跳ね除け、鬼の形相で「無惨に破壊された天井の巨大な穴」をビシッと指差した。


「あなた!! 寝室の天井にこんなどデカい穴を開けるなんて正気の沙汰ですか!! 住宅の『気密性』と『断熱性』が完全に崩壊して、暖房効率が最悪になるじゃないですか!! 屋根裏の冷気とホコリが入り放題で、隙間風のせいで風邪を引きますよ!! 建築基準法を舐めてるんですか!!」

『き、気密性……!? 断熱性の崩壊……!?』


足洗邸は、まさかの「住宅性能の低下」へのガチクレームに、巨大な足の指をビクッと縮こまらせた。


「大体、その足底そくてい!!」


ヒナタは、畳に乗っている泥だらけの巨大な足の裏を指差した。


「泥や汚れを放置して『白癬菌(水虫)』の温床になっているだけじゃなく、足の裏のアーチ(土踏まず)が完全にペシャンコに潰れてるじゃないですか!! それは歩き方が悪くて足底の筋膜が炎症を起こす『重度の足底筋膜炎そくていきんまくえん』と『扁平足』です!! だから足を着くたびに痛くて『洗え(マッサージしろ)』って泣き叫んでるんでしょ!!」

『そ、足底筋膜炎……!? 扁平足……!?』


巨大な足は、言われてみれば最近、朝起きて最初の一歩を踏み出す時に、足の裏に引き裂かれるような激痛が走っていたことを思い出し、親指を悲しそうに曲げた。


「今日から、徹底的な『住宅の気密性リカバリー工事』と『フットケア&インソール矯正』を行います!!」


ヒナタは、四次元リュックから、「ウレタン発泡スプレー(断熱材)」「プロ仕様・抗真菌(水虫)薬用フットソープ」「特大サイズ・足底アーチサポート用インソール」、そして「筋膜リリース用・青竹踏み(丸太サイズ)」を取り出した。


「ゴズさん、まずはあの足の泥と菌を薬用ソープで徹底的に洗い落として! ヴァレリアさん、お湯を用意しつつ、天井の穴を魔法の風で一時的に塞いで!!」

「ブモォッ!(おう! 水虫菌は家族にうつるからな! 徹底洗浄だぜ!)」

「ふむ。この巨大な足を洗うのは、城の城壁を磨くような重労働だな」

『ナ、何ヲ……!? ワシノ恐怖ノ足踏ミガ……!』

「【究極の住宅断熱リフォーム&メディカル・フットケアプログラム】です!!」


ヒナタとゴズの手により、巨大な足は薬用フットソープの濃密な泡で包み込まれ、指の間からかかとまで、一切の妥協なくピカピカに洗い上げられた。


『アァァァッ……!! こ、こびりついていた泥と雑菌が……薬用ソープの爽快感とともに根こそぎ落ちていく……! 痒くてジメジメしていた指の間が、信じられないくらいサラサラで快適だぞ……!』

「はい、足が綺麗になったら『筋膜リリース』と『アーチの矯正』です!」


ヒナタは、丸太ほどの大きさの青竹踏みを足の下にセットし、ゴリゴリと足裏の筋膜をほぐし始めた。


『ギャァァァッ! 痛い痛い痛いッ! ……ンギモチイィィィッ!! 凝り固まっていた足裏の筋肉が、丸太のカーブで強制的にほぐされていくぅぅっ!』

「仕上げに、この特注インソール(中敷き)です! これを靴の中に入れて歩くことで、潰れたアーチを物理的に持ち上げて正しい歩行フォームを作ります!」


ヒナタが、巨大な足底にピッタリと合う特大のアーチサポート・インソールを装着させた。


『おおっ……!? かかとに体重を乗せても、ビリッとする痛みが走らない! 足の裏にバネが入ったみたいに、足取りが羽根のように軽いぞ!!』


足の痛みが完全に消え去り、極上のフットケアに感動した足洗邸の足が、スゥーッと屋根裏へ引っ込んでいく。


そして数分後、天井の穴から、大工道具の入った腰袋を提げた「屈強なガテン系の男」が飛び降りてきた。


『いやぁ、ヒナタ先生! 足の痛みが消えたら、なんだか無性に働きたくなってきたぜ! お詫びに、この壊した天井、俺が最新の断熱材を使って前より完璧な気密性でリフォームしとくからよ!』


男(足洗邸の本体)は、爽やかな笑顔でウレタン発泡スプレーを手に取り、ものすごいスピードで天井の修復工事を始めた。


数日後。

そこには、家を破壊する理不尽な巨大足の姿はなかった。


正しい歩行フォームで軽やかに現場を駆け回り、王都の住宅の気密性向上と、職人たちの足の健康(インソール選び)をサポートする「超一流のリフォーム棟梁兼・シューフィッター」として、多くの弟子から慕われる男の姿があった。


「……ゆ、勇者殿。家屋破壊の怪異が……『足底筋膜炎を克服し、高断熱住宅を提供するカリスマ棟梁』になってしまいましたぞ……」


セバスチャンは、隙間風が完全に消え去り、ポカポカと暖かくなった寝室で、今夜こそ熟睡できると深い感謝の涙を流すのだった。


【場所:天界・管理室】

『…………』


神ドラマスは、白湯の入ったマグカップを静かにテーブルに置いた。


『足洗邸が……「断熱性と気密性の破壊」を指摘され、ウレタン発泡スプレーで穴を塞がれた……』

『足の痛みは「水虫と足底筋膜炎」と診断され、青竹踏みとインソールで凄腕のシューフィッター兼リフォーム業者になった……』


ドラマスは、深く、長く息を吐き出すと、もはや「ポルターガイストの恐怖」すら「住宅性能の欠陥と整形外科的アプローチ」で解決してしまうヒナタに完全降伏し、通販サイトで「隙間風防止・高気密テープ」と「人間工学設計・アーチサポートインソール」をポチり、自らの神殿の暖房効率と足元の健康を極限まで高めることを固く誓うのだった。


本日もお付き合いいただき、ありがとうございました!


ヒナタのマイペースな異世界蹂躙はまだまだ続きます。魔王軍の胃の痛みが限界を迎える前に、ぜひページ下部の【☆☆☆☆☆】からの評価や、ブックマークでの応援をよろしくお願いいたします!


皆様からの応援トラフィックが、毎日の更新の最大のエネルギーになっています!


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