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80.“好き”の気配に気づいた夜 ― 弟が受け取る気持ち
尚人は、いつものように通知を見ていた。
@RINA_cosさんがコメントしました
開いてすぐ、目に飛び込んできたのは――
ほんの少しだけ“好き”という言葉が滲んだコメント。
「きっと、私が“好き”なのは、
あなたの写真だけじゃないのかもしれません。」
その一文を読んだ瞬間、胸がじんと熱くなった。
(……姉ちゃん)
(これ、俺のこと……“誰”かだとわかってないまま、
気持ちがこぼれてる)
でも尚人は、
それがどんなに危うくても――うれしかった。
(俺も、返したい)
でも、“好き”とは言わずに。
気持ちだけを、そっと添えることにした。
返信コメント。
「あなたがそう言ってくれることが、
今の僕には、なによりの力になります。
僕も、あなたがいてくれてよかったと、
そう思っています。」
ほんのりと。
けれど確かに込められた、“返事”。
尚人は、スマホをそっと閉じてから、
ノートに一言だけ書いた。
「好きだよ、姉ちゃん。
でも今は、“trace_nao”として、
“RINA_cos”に伝えていく。」




