↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ふたりで灯す、やさしさのかたち  作者: 流浪の旅人
第2章 ふたりで、ゆっくり歩き出す — “やってみたい”が、芽吹いた日
PR
89/114

77.名前じゃなくて、気持ちで繋がる ― はじまりのキャッチボール

ことりは、投稿を何度も見返していた。


やっぱり――

この人の言葉は、自分に届いていた。


(私だけが、知ってる“やさしさ”だった気がする)

(……今度は、わたしの番かも)


コメント欄を開き、深く息を吸った。


そして、ゆっくりと、優しく打ち込む。


「この写真を見て、胸がぽっとあたたかくなりました。

言葉の奥にある“ありがとう”が、ちゃんと伝わってきて、

私の方こそ、また前を向けた気がします。

とても、素敵でした。」


送信。


(名前なんて、いらない。

この気持ちは、“誰か”じゃなく、“あなた”に届いてる)


通知音に気づいた尚人は、

スマホを開く。


@RINA_cosからのコメント。


また――届いた。


(姉ちゃん……)


読めば読むほど、胸があたたかくなる。


(本当は“ありがとう”って返事をするだけのつもりだったけど、

ちゃんと、“受け取ってくれてる”)


尚人は、画面を見つめながら、そっとコメントを返す。


「言葉が届いていたなら、それだけで、僕は前を向けます。

“誰か”のためにじゃなく、

“誰かと”気持ちを重ねられることが、

とても幸せだと、改めて思えました。」


ことりは、再びスマホの画面に指を伸ばした。


通知欄に浮かぶ、@trace_naoの返信。


読んだ瞬間、ふわっと胸があたたかくなった。


(この人、やっぱり……

言葉を交わすたびに、心がふんわりする)


そっと、返す。


「あなたの写真や言葉が、

私のなかに少しずつ“やさしさの種”を植えてくれています。

だから、焦らず、ゆっくりで大丈夫です。

これからも、楽しみにしています。」


尚人は、それを読み終えると、ノートにひとことだけ書いた。


「この距離だからこそ、心が通じることもあるんだな。」


そして、小さく笑ってつぶやいた。


「姉ちゃん…ありがとう。

言葉だけで、今、ちゃんと繋がれてる気がするよ。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。