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60.届いたかもしれない。その想いを信じて、次へ ― 静かな夜の決意
深夜。
尚人は、静まり返った部屋の中で、
スマホの通知も音も切ったまま、
そっと画面を開いた。
投稿した、あの写真。
キャラの“守る笑顔”。
そして、心を込めたキャプション。
反応は、たくさんあった。
でも――
尚人が、密かに探していたのは、たったひとつ。
(姉ちゃん……見てくれたかな)
通知欄を確認すると、そこにあった。
「@RINA_cosさんが、あなたの投稿を“お気に入り”に追加しました」
胸の奥が、ふわっと温かくなる。
(“いいね”でもコメントでもなくて、
“お気に入り”……)
尚人は、スマホをそっと胸に抱きしめた。
「……届いたんだ。姉ちゃんの心に」
気づいてはいない。
でも――それでいい。
“気持ちが届いた”という、その実感だけで、
こんなに嬉しいなんて。
尚人は、机に向かってノートを開いた。
ページの上部に、新しいタイトルを記す。
【次の撮影テーマ】
“自分のためじゃなく、誰かのために立ち上がる強さ”
そして、その下に、こう書き添えた。
「姉ちゃんの“好き”に寄り添った一枚が、
ちゃんと届いたなら――
次は、俺の“芯”を見せる番だと思うんだ」
「次も、ちゃんと、想いを込めよう。
誰にも気づかれなくても、
届くって、もう知ってるから。」




