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ふたりで灯す、やさしさのかたち  作者: 流浪の旅人
第2章 ふたりで、ゆっくり歩き出す — “やってみたい”が、芽吹いた日
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54.心が写っていたのは、この1枚だった ― 厳選と確信の夜

撮影後。

尚人は、ノートとスマホを並べて、

撮った写真を一枚ずつ丁寧に確認していた。


(目線が甘い)

(笑顔が明るすぎる)

(顔は悪くないけど、気持ちが届かない)


100枚以上。

表情の違い、微妙な角度の差、

指先の緊張感まで、すべてチェックする。


(“守るために笑う”って、

想像よりずっと難しい)


(でも、絶対に、姉ちゃんの心に触れたい)


そして――

スクロールしていた指が、ぴたりと止まった。


1枚の写真。


キャラの目が、少しだけふるえて見える。

でも、口元には、やさしくて、どこかあたたかい笑み。


目線はまっすぐじゃない。

でも、“誰か”を見つめている。


(これ……この子が、

「泣いていいよ」って言ってる顔だ)


画面を大きく表示して、しばらく見つめる。

何も言葉はいらなかった。


「これが、俺の“想い”だ」


尚人はノートの下に、今日の日付とともにこう記した。


【選んだ理由】


キャラの“強がりとやさしさ”が、両方見える


目線が語ってる


“守る人のやさしさ”が、自然と出てた気がする


「この写真で、姉ちゃんの“好き”に届いてほしい。

たとえ、気づかれなくても」

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