↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ふたりで灯す、やさしさのかたち  作者: 流浪の旅人
第2章 ふたりで、ゆっくり歩き出す — “やってみたい”が、芽吹いた日
PR
61/114

49.この一枚、なんだろう――心に刺さった誰かの“本気”

週末の夜。


ことりは、ベッドに寝転びながら、

SNSをゆるく眺めていた。


「最近、タイムラインが充実してて楽しいな〜

みんな頑張ってて、刺激になる〜」


ふと、タグを辿って出てきた一枚が、目に止まった。


キャラは、ことりも大好きな少年キャラ。

だけど、それ以上に――

その表情が、目が、空気が――胸を打った。


振り返りぎみのポーズ。

毛先がふわりと舞い、

キャラの目が、“静かな覚悟”を宿していた。


キャプションには、短くこう綴られていた。


「目が合ったその瞬間に、

言葉よりも先に“空気”が届くような――

そんな写真を目指してみました」


ことりは、しばらく画面から目を離せなかった。


(……なに、これ……)


完璧じゃない。

でも――“心の奥”に、なにかがストンと落ちていく感覚。


「すごい…

この子……誰なんだろう」


名前を見る。

「trace_nao」――知らないアカウント名。


フォロー中になっているのに、すぐにはピンとこなかった。


(……あ、数日前にフォローした子だ)


(あのときも「空気感すごい」って思ったけど、

今回は……違う。“本気”が刺さった)


ことりは、そっと「いいね」を押し、

指が止まりかけて――思わず、コメントを書きかけた。


「この写真、…」


けれど、ふと指を止める。


(……やめとこう。なんか、コメントで空気を壊しちゃいそう)


その代わり、ことりは画面を保存し、

お気に入りの投稿フォルダにそっと入れた。


「…いつか、また見たくなる気がする。

そういうのって、あんまりないんだよね」


彼女はスマホを伏せて、静かに目を閉じた。


ほんの少しだけ、胸が温かくなっていた。


「ありがとう、“trace_nao”さん。

…なんだか、今夜は、少し強くなれる気がするよ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。