48.「私のアイコンにしたい」 ― ひとことが宝物になった夜
夜。
尚人は、夕食を食べ終えたあと、
ふとスマホを開いた。
あの“本気投稿”には、いまだ通知が止まらず、
“いいね”もコメントも、少しずつ増え続けていた。
その中に、ひとつだけ――
特別なコメントが届いていた。
「この写真、
あまりにも優しくて、でも芯があって…
私、これ、アイコンにしたいくらい好きです」
尚人は、思わずスマホを胸に抱いた。
(アイコンにしたい…って…)
それは、
“日常の一部にしたい”っていう、最大の愛情表現。
単なる「上手い」じゃなくて、
「気持ちが宿ってる」と、感じ取ってもらえた証だった。
尚人は、ゆっくりと返信を打った。
「そんなふうに言ってもらえるなんて、
本当に嬉しいです。
この写真は、自分にとっても“今のベスト”です。
もしよければ、ぜひアイコンに使ってください☺️
でも、無理はなさらず…!
お気持ちだけでも、十分すぎるくらい嬉しいです!」
送信ボタンを押したあと、
尚人はしばらくの間、スマホを見つめていた。
あたたかい。
胸の奥が、ずっとポカポカしていた。
尚人は、ノートを開き、大きくこう記した。
【今日の宝物】
「この写真、アイコンにしたいくらい好き」
「俺の“気持ちを込めた1枚”が、
誰かの“そばに置いておきたい1枚”になった」
そして、そっと書き足す。
「表現って、技術だけじゃない。
心を込めた分だけ、ちゃんと届くんだね」
尚人はその夜、布団に入ると、
少しだけ口元をゆるめて、こう呟いた。
「ありがとう。
俺……この道、続けてよかったって、
心から思ってるよ」




