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ふたりで灯す、やさしさのかたち  作者: 流浪の旅人
第2章 ふたりで、ゆっくり歩き出す — “やってみたい”が、芽吹いた日
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40.ひとつひとつを思い出しながら ― 実践、姉ちゃんアドバイス!

夕方の光が部屋に差し込むころ。


尚人は衣装を整えながら、

心の中で、あのカフェでの会話を何度も反芻していた。


「目元に感情を込めて」

「ポーズは“途中”の瞬間を切り取る」

「毛先が動いてるくらいが、空気感出るよ〜」


(うん、やってみよう)


ネクタイを軽く直し、ウィッグを装着。

前髪はいつもより少し軽めにセットし、目元が自然に見えるように。


メイクも、今回は“目元重視”。


「目で、語る……!」


カメラをセットして、

照明はいつもより少し明るめに調整。

三脚の位置を何度も微調整し、立ち位置も確認。


(今回のテーマは、“ふっと振り返ったときの安心感”)


何度か深呼吸して、

気持ちを“キャラの世界”へと切り替える。


そして――くるりと振り返りかけた、その瞬間。


カシャッ!


ウィッグの毛先がほんのわずかに舞い、

シャツの裾がふわりと揺れた。


尚人の瞳には、やわらかな光が宿っていた。


撮影を終えたあと、ギャラリーを確認しながら、息をのむ。


(……これ、姉ちゃんの言ってた“空気感”だ)


止まっていない。

**“動きの中の一瞬”**が、確かにそこに写っていた。


(自分で見ても思う。“この子、そこにいた”って)


お気に入りの数枚に★マークをつけながら、

尚人はそっと呟く。


「やっぱ…すごいな、姉ちゃん。

あんなふうに自然に教えてくれるなんて、反則だよ」


その夜、ノートにはこう記されていた。


【今日の撮影メモ】

・目元を柔らかくしただけで、“キャラの息遣い”が変わる

・振り返りポーズ、予想以上に“空気感”が出た!

・服や髪が動く一瞬を逃さないこと

→ 次は、キャラのセリフを心の中で繰り返してからシャッターを切る!


最後に、いたずらっぽく笑いながらひと言。


「姉ちゃん、今日も俺のレベルをひとつ上げてくれてありがとうね。

……まだ内緒だけど。」

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