26.言葉が届くということ ― 小さなコメントが心に染みた日
夜。
いつものように、尚人は投稿した写真をこっそり見返していた。
“いいね”の数は変わらない。
でも、それだけで十分だと思っていた――そのとき。
通知:新しいコメントがあります
(……えっ!?)
指が一瞬止まる。
鼓動が早くなるのが、自分でもわかる。
投稿を開くと、そこに、たったひとことのコメントがあった。
「キャラの雰囲気、すごく伝わってきました。
好きって気持ち、大事にしてるのが写真から分かります☺️」
(…………!)
画面を見つめる目が、
すぐに潤んでくるのを感じた。
(ちゃんと、伝わった……?)
表情をどう作ればいいのか、
ポーズに正解があるのかも分からず、
ぎこちない手つきでメイクして、
時間をかけて選んだ、たった1枚。
その“全部”が、
たったひとりの誰かの言葉で、ちゃんと報われた気がした。
尚人は、すぐにコメントを返信することはできなかった。
けれど、心の中では、静かに、でも確かに、こう呟いていた。
「ありがとう。
こんな風に言ってもらえるなんて思わなかった。
俺、この一言、ずっと忘れないと思う」
その夜。
ノートのページを1枚めくって、新しい見出しを書いた。
【コメントという魔法】
・誰かのひとことが、自分の“好き”を照らしてくれる
・言葉って、すごい
・今度は自分も、誰かの一歩をそっと支えられる存在になれたらいいな
そしてページの端に、
そっと添えるように、小さなひとこと。
「“好き”を伝えることは、
思ってるよりずっとあたたかくて、尊いことなんだね」




