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男の名前は「今村勉 41歳」
と田山さんの口から発表された。
会社名や職業などは伏せられたが、その理由としては見守るのだから、知る必要性がないからだと付け加えられた。
「見守りは明山さん、そして英君は今日初めてお会いされたと思いますが、久米悟さん、このお2人にお願いします」
今日来ている全員が明山未子と久米悟を見て会釈をした。勿論、永剛もそれにならった。
「処理班は私、田山と八木さん、阿波さん、そして新メンバーであり、今回、被害に遭われた方の息子さんである英永剛君、この4人で行って参りますが、皆さん、宜しいでしょうか」
スポーツ用具点を経営している河野と主婦の広田、バンドマンの本庄と楓と同じ仕事をしている柊木三代子さんが異存がない事を告げる形で頷いた。
「では日時についてですが、来週の火曜日、2月2日とします。これまでのパターンからいえば、今村勉は水曜日が仕事の休みになっています。つまり今村勉は火曜日の仕事終わりは必ずと言っていい程、飲み歩きに出かけます。家に帰る事は稀ですが、家には英君のお母様がいらっしゃるので、今回、自宅内での見守りは厳しいという判断を下しました。ならばどうするか。私がとある場所まで誘い出します。そしてそこで明山さんと久米さんの2人で今村勉を見守って頂いた後、私を含めた処理班で運びます。あくまでこれは大まかな流れに過ぎません。今村が私の誘いに乗らない場合も考えられます。その時は、久米さん、もしくは明山さんのどちからに深手を追わせて頂き、路地裏にでも引きずり込んで貰う事もあります。今までも男性を相手にした事はありますが、いずれも自宅内、もしくは宿泊先で見守りは行われました。外というのは恐らく今回が初めての事となるので、細々としたトラブルは起きて当然という意識を皆様で共有していきたいと思います。そして決して慌てず、仲間がいる事を忘れずに無事、処理まで終わらせて行きましょう」
全員が頷いた。決行日を聞いた瞬間、永剛の胸は高鳴った。
どんな凶器で今村という男を殺害するのか、永剛は楽しみで仕方がなかった。
そしてそれ以上に今村をどう処理するのかが永剛は気に掛かった。
もし今村の死体が自由になるのであれば、永剛はその身体が欲しいと思った。不可能だろうが、もし許されるのであればその死体を自宅に持ち帰り、色々と試してみたい。
だが、今回初めて参加する、言わば新人の自分にそのような事はさせてくれないだろう。もし何処かに埋めたりする場合、永剛はその場所を忘れずに覚えておこうと思った。




