第81話 異世界初の野営訓練に出発!
いつもご覧頂きありがとうございます。
更新ペースを上げるべく頑張ってはいるのですが・・・。
引き続き努力します・・。
おはようございます。
異世界12日目の朝です。
昨夜は遅くまで頑張り過ぎたので若干疲れが残っていますね。
と言うか、腰が痛い(汗)
そっといつもの4点セットをかけて回復しておこう。
隣りではチャロンが静かに寝ています。
その向こうにはスノーが寝ているね。
僕の枕元ではヤトノが丸くなって寝ているようである。
目が開いているのは蛇だから仕方がないのか。
確か蛇は瞼が無かったような。
昨夜も僕とチャロンの営みが終わったあとにスノーがベッドに乗り込んできて、チャロンの体に放出された僕のペイトスをペロペロと舐めていた(汗)
何故かヤトノまでやってきて同じようにペロペロしていた(汗)
お腹を舐められていたチャロンは、営み直後で体が敏感になっていたのか、スノー達のペロペロ攻撃?口撃?を受けて悶絶していた。
見ているこっちが恥ずかしいから止めて欲しい。
チャロンが新たな扉をあけてしまうんじゃないか心配だ(汗)
皆が寝ているうちに恒例のステータスチェックをしておきましょう。
僕はそっと「ステータス」と呟くと、いつものウィンドウを確認する。
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・名前(年齢):七条 拓(21歳)
・種族:人属
・レベル:3
・スキル(メイン):お手伝い
・スキル(メイン)の効果:
他人の仕事を見よう見まねで手伝うことができる。
スキルの無い人よりちょっと早く仕事のコツを掴める。
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(補足説明)
(変化無し。省略)
(サブスキル)
・【鑑定系】:「目利き(上級)」
・【生活魔法系】:「点火」「点灯」「洗浄」「放水」「乾燥」
「汚れ除去」「吹き付け」「吸引」「氷結」
「氷粒」「土いじり」「石粒」「空気研磨」
「防音」
・【弓術系】:「弓術(上級)」「魔力誘導(上級)」「測距(上級)」
「照準補正(上級)」
・【テイマー系】:「テイマー(上級)」
「生き物係(専門学校級)」(←UP)
・【料理系】:「解体(小型)」「焼き加減」「揚げ物」
「鍋奉行(初級)」(←New)
・【剣士系】:「片手剣士(初級)」、「侍(初級)」
・【生産系】:「デザイナー(特級)」「型取士(中級)」
「お針子(中級)」「革細工(初級)」
「武器作成(各種)(初級)」
「魔道具作成(特級)(←UP)」)
・【錬金術系】:「物体作成(上級)」「物質生成(見習い)」
「薬品作成(見習い)」「付与魔法(特級)(←UP)」
・【魔法使い系】:魔法使い(各種)(初級)(←UP)
・【便利系】 :アイテムボックス(上級)
・【格闘戦士系】:総合格闘技(初級)
・【治癒魔法系】:「治療(中級)」「治癒(中級)」
「解毒(中級)」
「回復(中級)」「避妊(初級)」
・【光魔法系】:「浄化(初級)」
・【斥候系】:「投擲(初級)」「罠設置・解除(初級)」「気配察知(初級)」
「気配遮断(初級)」「認識阻害(初級)」
「地図作成(初級)」
・【交渉人系】:「丁稚頭」
(称号)
・ハンバーガー勇者
・物忘れ勇者
・賄い勇者
・夜の勇者
・コスプレデザイナー
・✕✕使い
・YY使い(←New)
(主要な魔道具)
・皮のポーチ(空間魔法1,000L)
・洋弓「タクカスタム」(上級)
(従魔)
・スノー(種族✕✕✕)
・ヤトノ(種族YYY)(←New)
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うん、まあ予想通りの変化かな。
魔法使い(各種)が成長したのは大きいね。
他の属性の魔法も試してみなければ。
付与魔法と魔導具作成が特級になったのか。
昨夜の魔導具作成の成果が大きいのかな?
「生き物係」が専門学校級と言われてもね。
レベルの度合いがよくわからないな(汗)
ヤトノの影響があるのは間違いないだろうけど。
「YY使い」なんていう称号もついてるしね。
「YY」が何か分からないがまあ良しとしよう。
とりあえずヤトノは危険な魔物じゃなさそうだしね。
料理系のスキルが増えているな。
「鍋奉行(初級)」って言われても・・。
確かに鍋っぽいのは作ったけどね。
このステータスの名付けのセンスはいったいどこから来るのだろうか?
これも勇者タケル様の影響?
それにしても使い込んでいるスキルと、そうでないもののレベルの差が激しくなってきたな。
機会を作ってスキルを伸ばす訓練をしないとね(汗)
特に「薬品作成」には心惹かれるよね。
異世界の定番、ポーションとか作ってみたいぞ!
ステータスを見ながらブツブツ言っていたら、チャロンもムニャムニャと言いながら起きてきた。
「おはよう、チャロン。
よく眠れたかい? 疲れてない?」
「おはようございます、タクさん。
よく眠れましたよ。
ただ、昨夜はいろいろと激しかったのでちょっと腰が痛いかもです・・。」
「それは申し訳ない(汗)
治癒魔法をかけておこうね。
その後でお風呂に入って体を温めよう。」
そう言ってチャロンに治癒魔法4点セットをかけると、朝風呂に入って心身ともにスッキリする。
もちろん朝からご奉仕有りだ!
今夜は野外で皆と一緒にキャンプだからイチャイチャできないからね!
夜の分までスッキリしてもらったのだ!
これでいいのだ!
異世界ライフ万歳!
◆◇
スノーに朝ごはんを食べさせてからチャロンと一緒に2階の食堂に朝食を食べに行く。
ヤトノはテイマースキルでどうしたいか聞いたら、「一緒に食堂に行きたい!」とのことだったので連れてきている。
今は大人しく僕の左腕に巻き付いた状態だ。
食堂に入れば女子チームは既に食事中であった。
うん、皆元気そうで何よりだ。
男子チームはと言うと・・、
おっ!ケン君が見知らぬ美人の女性と一緒に食事をしているぞ?
もしかしてケン君もお世話係を見つけたのか?
マモル君は相変わらずアイル君とラブラブの様子である。
他方、残りの男子3人組は相変わらず冴えない感じだな。
レン君は元々そういうキャラだからいいとして、残りの2人は意外だな。
彼らのスキルを考慮すれば、異世界ではモテモテのはずなんだが・・。
まさかのテンプレ外しが生起したのだろうか?
何かやらかしてしまったとか?
女子チームをよく見れば、亜季ちゃんが能面のような顔をしているから、彼女にとって何か面白くない話があったに違いない(汗)
まあ、観察はこれぐらいにして朝食を食べよう!
チャロンと一緒にいつもの朝食セットを食べる。
自分の分を食べながら、ヤトノにもパンやベーコンや目玉焼きなどを小さく切って食べさせてあげる。
なんとヤトノは結局人間の一人前分をペロリと食べてしまった。
こんな細い体なのによく入るね(汗)
僕の分を追加で注文したのは言うまでもない(汗)
食べ終わった頃に亜季ちゃんと目が合ったので、昨日の朝と同じくハンドサインで8の数字を送ると、了解とばかりに親指を立ててくれた。
ふう、どうやら僕には怒っていないようだ(汗)
まあ、今朝の不機嫌の原因は野外訓練の道中にでもゆっくり聞いてみることにしよう・・・。
◇◆
食後に部屋に戻ってチャロンと2人で戦闘服に着替えてから、荷物の最終チェックをする。
昨日の夜に作製した魔道具はアイテムボックスに放り込んでおく。
ブランケットや寝袋、鍋セットなどの野営セットを確認しながらアイテムボックスに収納する。
最後に着替えの下着やタオル、部屋着などをアイテムボックスに入れて荷物の準備は完了だ。
まあ、部屋着は使わないかもしれないけど(汗)
戦闘服の上から弾帯代わりの革のベルト、革のポーチ、片手剣にナイフ、胸当て等を装着したら準備完了だ。
チャロンも同じように準備完了である。
どうやら空間魔法が付与された革のポーチも使いこなしているようだ。
「準備はいいかな?」
「はい!大丈夫です!」
「よし、じゃあ皆行こう!
今日は楽しいキャンプだぞ!」
「はい!」「バウ!」「・・!」
と皆元気よく返事してくれる。
まあ、ヤトノは声を出せないので首を縦に振っているだけだったけどね(汗)
◆◇
チャロンとスノーと一緒に1階のロビーに向かう。
ヤトノはいろいろと彼女なりに居場所を検討した結果、昨日と同じく僕の弓に巻き付くことに決めたようだ。
まあ、王都の中にいる間はそれでいいだろう。
ロビーに到着すると、女子チームは皆集合済みであった。
相変わらず早いね(汗)
「みんなおはよう。よく眠れたかな?忘れ物はないかい?」
「はい!準備はOKです!」「ワウ!」と楓ちゃんとアッシュが返事する。
「おはようございます。タク先輩。
私とマイティは準備も殺る気もバッチリですよ。」
と亜季ちゃんが返事する。
ちょっとやる気の種類が違うような気がするけど大丈夫かい??
「タク先輩、チャロンさん、スノーちゃんおはようございます。
あ、白蛇さんもおはようございます。
私も準備はOKです!」
と、アカネちゃんも準備は整っているようだ。
「よし!じゃあ出発しようか?
今日は野営訓練を楽しもう!」
「「「「はい!」」」」「バウ!」「ワウ!」「ピー!」「・・!」
さあ、今日はどんなイベントが起こるかな?
楽しみだぞ!
◇◆
お城を出て皆でワイワイとしゃべりながら中央広場に向かう。
ちなみに白蛇さんの名前はヤトノにしたと皆に教えてあげたら、楓ちゃんにいい名前だと褒められた。
意外にも楓ちゃんは日本の神話など古典的な話がとても好きとのこと。
楓ちゃんには次の機会があればまた名付けをお願いします、と言われたが、そんなに頻繁に魔物をテイムする機会はないと思うよ。
この2日間がたまたま多かっただけじゃないかな?
このペースで従魔が増えて行けば大変なことになってしまうよ(汗)
旅暮らしするサーカス団のようになってしまう(汗)
でも肩に乗るような小さな動物は欲しいかも。
少年がお母さんを探して旅するアニメに出てくる白いお猿さんとかね。
「まずは中央広場の朝市で食料品を仕入れよう。」
「そうですね。あとはどこかに寄りますか?」
とチャロンが聞いてくる。
「そうだね。ギルドに寄って例のゴブリンの討伐依頼が出ているか確認しようかな?
参考情報があるかもしれないしね。」
「ですね。また被害が発生しているかもしれませんし。」
「あとは武器屋かな。矢の補充もしておこう。
何かいい武器とか道具があれば買っておくかな。」
「わかりました!武器屋ならギルドの近くにありますよ。
私も購入します!」
「うん。急いで行動するよりもしっかりと準備するほうが重要だしね。」
「そうですね!」
その他の準備についてもいろいろと皆で話しながら街に向かって歩いて行く。
この時間が何気に朝のミーティングになってるんだよね。
チームとしての動きができてきたのかな?
コミュニケーションがきちんと図れるのはいいことである。
元の世界のバイトでもそういうところが大事だったからね。
その他いろいろ雑談をしながら歩いていたらあっという間に中央広場に到着したので、皆で食材の調達に取り掛かる。
とりあえずは主食のパンだね。
コッペパンのような柔らかいパンや、フランスパンのように固くて長いパンを大量に購入する。
皆よく食べるからね(汗)
パン屋のおばさんにお願いしてパン生地もボール2杯分購入する。
またナンを焼いてくれっていうオーダーがあるかもしれないしね。
あとはパスタの乾麺に小麦粉に片栗粉に・・、おっと、米が売ってるから買っておこう。
確か流通量は少なかったはずだ。
買えるうちに手に入れておこう。
野菜も根野菜から葉っぱものまで各種買い揃える。
サラダに使えそうなミニトマトやレタスの生野菜も忘れずに。
キノコ類も買っておこう。
調味料は塩、砂糖、ソース、オリーブオイル、ケチャップ、料理酒、酢などを買っておく。
醤油っぽいのと味噌っぽいのも買っておこう。
コンソメのようなスープの素も買っておこうかな。
手軽にスープが作れて楽だしね。
こういう調味料は過去の勇者が製造方法を伝えたんだろうね。
僕達にとってはありがたい話である。
スパイスを売っている店ではコショウ、ニンニク、しょうが、唐辛子、香草など定番ものを購入する。
カレー粉は売っていないのか?と尋ねたら、今はないけど近日中に他の国からやってくる商隊が運んでくる予定だとの回答であった。
これはぜひとも購入しなければ!
その後、肉やベーコン、卵などの材料を購入してきた女子チームと合流する。
肉をやたらと購入してるけど大丈夫?
なんか野営訓練というよりはただのキャンプに出かけるような緊張感の無さだな(汗)
僕達は物陰に移動して、僕のアイテムボックスに買い出した材料を収納する。
流石にこんなにたくさんの材料を手で持って運べないからね。
さあ次は冒険者ギルドでゴブリン情報の収集だ!
◇◆
冒険者ギルドの中は、僕達が買い物している間に朝のラッシュアワーは終了したようであり、冒険者達の姿はまばらだ。
皆で早速依頼ボードの注意事項を確認すると、ゴブリン情報がアップデートされてあった。
曰く、
・赤、緑、青、黒が確認されている。
・赤は緑を率いて行動している。
・青は単独行動
・黒は3匹で行動
・討伐された緑からはかなり大きな魔石が採取されている。
魔物としてのレベルはかなり高いと思われる。
・討伐はE以上の冒険者を推奨。
・出現場所が不規則なため、常設依頼とする。
おお! 僕達が昨日提供した情報も掲載されているぞ。
これもこの世界への貢献になるのだろうか?
「赤も気になるけど、青と黒も気になるね。
特に青は単独行動だけに緑よりも戦闘力が高いかもね。」
「そうですね。油断なりません。
行動中は警戒レベルを上げていきましょう。」
と、アカネちゃんが横から話しかけてくる。
「そうだね。アカネちゃんの気配察知と従魔達の警戒で対処しながら行動しよう。」
「ですね。あ、従魔と言えばヤトノちゃんの従魔登録はしなくてもよいのですか?」
「あ、そうだった。
でもこんなに大人しい白蛇さんに登録が必要なのかな?
まあカウンターで聞いてみるか。
皆と一緒にちょっと待っててくれるかい?」
とアカネちゃんに言い残すと、僕は冒険者登録カウンターに立っているお姉さんに「すみません。従魔登録の件でご相談を・・」と声をかける。
うっ、また昨日と同じお姉さんだった(汗)
お姉さんはこちらを見ると、一瞬「またお前かよ。」みたいな顔をしたが、すぐに仕事モードの顔に戻る。
「どんな魔物を登録するのですか?」
「実はこの子なんですが。」
と弓に巻き付いて、チロチロと舌を出し入れしているヤトノを見せる。
「うーん、登録が必要かどうか判断が難しいですね。
蛇の魔物を従魔登録するなんて聞いた事がないですから。
でもまあ登録しておいたほうが無難ですかね。
ただ、従魔の目印を取り付ける事ができなさそうなので、飼い主としてしっかりと管理してくださいね。
ではカードをお願いします。
あとこの白蛇さんの名前を教えてください。」
「はい、カードをどうぞ。名前はヤトノです。」
「わかりました。」
というとお姉さんは淡々と登録作業を実施する。
「はい、どうぞ。」
と渡されたカードには
・従魔︰ヤトノ(蛇(白))
とちゃんと記載されていた。
おお!これでヤトノも立派な僕の従魔だ!
見た目はただの白蛇だけど。
そう言えばヤトノってどんな能力があるんだろう?
「目利き」では分からなかったな。
それにしても淡々と従魔登録してくれたのはいいけど、魔物のレベルや危険度の確認はしなくて良いのだろうか?
いくら冒険者は自己責任とはいえ、もうちょっと何かないのだろうか?
異世界小説でありがちな、魔物リストで調べてみるとか、物知りな冒険者が頼んでもないのに話しかけてくるとかのイベントがあってもよさそうだけど?
これは「従魔登録に関心が無いギルドのお姉さんは今日も魔物を街に引き込みます!」とかいう小説を書けるレベルだぞ(汗)
もし元の世界に戻れたらネットに小説を投稿してやろう!
それはともかく、せっかくだから少し情報収集していこう。
「従魔登録ありがとうございます。
ところで、例のゴブリンの件で貼り紙の情報以外に何か気をつけることはありませんか?
実は今日はレッドウイングの町に行く予定なんですよ。」
「そうなんですね。
現時点で整理できている情報は張り紙の内容くらいしかないのですが、少なくない冒険者や商人が被害に会ってます。
D級冒険者でも討伐しようとして返り討ちにあっている場合もありますので、もし遭遇してしまったら無理に戦わずに逃げることをお勧めしますよ。」
「ちなみにレッドウイングの町までどれくらいの距離ですか?」
「だいたい20キロくらいの距離ですね。大人の脚で歩いて5〜6時間といったところでしょうか?」
「そうなんですね(汗)
情報ありがとうございました。」
とお礼を述べてカウンターを離れる。
依頼ボードの前で待っていた皆に合流すると、
「従魔登録は無事に終わったよ。情報収集も終わったし、次は武器屋さんに行こうか?」
「「「「はい!」」」」
と僕達は冒険者ギルドを後にする。
今日は絡まれイベントがなくてよかったよ(汗)
そういえば、あの自称一流冒険者達はどうなったのだろうか?
ちゃんと仕事しているのかな?
◆◇
冒険者ギルドを出た後はメインの通りの一本裏の通りに向かった。
こちらのほうが庶民向けの武器や道具を売っているって聞いたからね。
早速武器屋に入って商品を確認すると、剣とか弓とかナイフとか、大体のものは売っていた。
しかもそんなにお高くないかな?
と言ってもどの武器も数千〜数万エソの値段がついていたので、決して安いというわけでもないか。
もし異世界に召喚されて着の身着のままで放り出されていたら武器の入手すら難しかっただろう。
それこそ最初のうちは木の棒で戦うしかなかったかもしれないね(汗)
そう考えると現状はとても恵まれているよね。
少なくとも衣食住には困ってないし。
お世話係のチャロンも付けてもらえたしね。
そんなことよりさっさと買い物しなければ(汗)
僕達は早速矢の補充分を購入する。
品質的にはお城の工房と同じか、ちょっと下くらいかな。
アカネちゃんが投げナイフを何本か購入していたので、僕とチャロンも購入してみた。
昨日の狩りでアカネちゃんが投げナイフを使っていた姿がかなり格好良かったのだ!
僕も時間がある時に練習してみよう!
店の奥に剣や槍の処分品というかジャンク品が格安で売っていたので、ついでに何本か購入しておいた。
使うわけではないが、昨夜のこともあるし物作りの材料として持っておきたいんだよね。
武器屋の次に道具屋に寄って、鍋やフライパン、包丁、お玉にフライ返し、ボール、菜箸等の調理道具も購入する。
ハラペコ少女達が沢山食べるので、道具が不足気味なのだ(汗)
スノーとアッシュ用のブランケットもついでに購入しておく。
地べたに直接寝るのは可哀想だからね。
お城の工房でもらったほうが高品質だが、市販品のレベルを知るのも重要だからね。
今後の物作りの参考にしよう。
「買い物はこんなもんでいいかな?
いい時間だし、そろそろ出発しよう!」
気がつけば朝の9時半頃になっていた。
早く出発しないと明るいうちに目的地に到着できないぞ(汗)
◇◆
いつもどおりに王都の外に出た僕達は北の街道を歩いている。
道行く商人の隊列は昨日よりも数が増えている。
きっと例のゴブリン対策でまとまって行動しているのであろう。
その方が護衛も効率的なんだろうね。
護衛の冒険者達も心なしかピリピリしているな。
彼らにとっても例のゴブリン達は脅威ということか。
いつかは僕も護衛任務をやってみたいものだ。
異世界定番の護衛をしながら旅をして、ついでに収入も得るというやつだね。
堅実な仕事ぶりで依頼主に気に入られて商会の専属にならないか?とオファーされる流れを経験してみたい。
そして「自由な旅暮らしが性に合ってますので・・。」とやんわりとお断りするまでがデフォルトかな?
まあ、そんな主人公的な流れは他の勇者に任せよう。
僕はチャロンと従魔達と一緒にのんびり旅ができればいいや。
「しばらくはこの集団の後ろをついて歩いていこう。
そのほうが安全だしね。」
「そうですね。でも今日は狩りはしないんですか?」
と亜季ちゃんが聞いてくる。
「そうだね。レッドウイングの町に近づいて、時間に余裕があるようならしようかな?
例のゴブリンの件もあるし、明るいうちに野営準備を完了したいからね。」
「それもそうですね。少し残念ですが移動を優先しましょう。」
と、亜季ちゃんが心底残念そうに答える。
そんなに狩りがしたかったのかい?
狩りというかターゲットに向かって弓を打ちたいだけのような気がするが(汗)
「まあでも、道中でいい獲物を見つけたら遠慮せずに狩っておこう。
特にキジやカモとかなら手軽に料理できるからね。」
「わかりました!今夜のおかずの材料は私にお任せください!」
と嬉しそうに答えながら、マイティに「獲物を探すのよ!」と言って空を飛ぶように指示していた。
獲物探しではなく警戒をメインにして欲しいのだが(汗)
それを見た僕はふと以前に楓ちゃんに聞いたことを思いだす。
「そう言えばだけど、テイマースキルを使えば従魔の感覚を共有できるって言ってなかったけ?」
と楓ちゃんに話しかける。
「ですね。私も早速アッシュ君との感覚共有を試しています。
アッシュ君と魔力を流し合ってリンクするイメージですね。
リンクできると匂いに敏感になりますよ。
あと視力と聴力も共有できます。
視界も広がりますし、音もよく聞こえます。
ただ、ずっと共有していると魔力がどんどん消費される気がします。
感覚共有の使い方には研究が必要ですね。
ここぞと言う時に共有するのがいいでしょうかね。」
「おお!早速ぼくも試してみよう。スノーこっちにおいで。」
と、少し前方をアッシュと歩いていたスノーを呼び戻す。
「今から感覚共有を試したいから協力してくれるかい?
魔力で繋がるイメージだよ。」
と声をかけると、スノーは「わかった!」とばかりに「バウ!」と答える。
僕はスノーとリンクする状況をイメージしながらスノーに魔力を流す。
するとスノーからも魔力が流れ込んでくる。
おお!これがリンクのイメージかな。
試しに「聴力」に意識を傾けると急に耳が良くなった気がしたと思ったら、ずっと先を歩く冒険者達の話し声が聞こえた。
どうやらこれがスノーの聴覚らしい。
冒険者の装備品の擦れる音まではっきりと聞こえるぞ!
ちなみにその冒険者は女性のようだ。
なにやら同僚のお姉さんと好みの男性のタイプの話で盛り上がっているらしい。
今日の護衛任務で一緒になった冒険者がタイプのようだ。
この依頼が終わったらデートに誘って欲しいな〜とか、ガールズトークで盛り上がっている。
てゆうか、護衛中にそんな話で盛り上がっていていいのかい?
そんなガールズトークを聞いて思わずニヤけてしまっていたら、
「タク先輩、何か悪いことをしていませんか?(ジト)」
と、横を歩く亜季ちゃんから突っ込まれてしまった。
「そ、そんなことないよ(汗)」と言うと
「そうですか、てっきり前方を歩く女性冒険者の話を盗み聞いてニヤついているのかと思いましたよ。
あ、ちなみに私もマイティとの感覚共有を試してますから、女性冒険者の存在は把握してますよ(ジト)」
「そ、そうなんだ、亜季ちゃんも感覚共有が使えるんだね(汗)」
「ふふふ。実は今朝起きたら「狩人」のスキルが増えていまして。
「狩人」も従魔と感覚共有が使えるようです。
マイティと感覚共有すれば獲物の捜索がかなり容易になりますね(ドヤ)」
「それはすごいね! 空からの索敵なんてかなりの戦闘力UPだよ!」
「ええ。でもマイティは視力の関係で夜は苦手みたいなので、日中の雨が降っていない日限定になりますけどね。」
「それでもすごいよ!
特に見晴らしの良い平原エリアだとかなり有効じゃないかな?」
「ふふふ、そうですね。
おや、どうやら力王号が獲物を見つけたようですね。
ちょっと一狩りしてきますね。」
と言い残すと、街道から草原エリアに向かって矢を放ちまくる!
どうやらマイティと視野を共有することで、直接の視界外からの遠隔攻撃を可能にしたようだ(汗)
何たる反則技!
狩られる側にとっては恐怖でしかないな!
元の世界で言ったら上空の航空機がターゲットの位置を教えているようなものだからね(汗)
「ふははは!我の死の矢の雨から逃れたければ死ぬ気で足掻いてみるがよい!
わはははは!、無駄、ムダ、無駄〜!」
と叫びながら矢を放ちまくっている。
あ、この娘もうだめだ・・(汗)
完全にアンゴルモアゾーンに溺れてしまっているぞ(汗)
当然ながら、皆ドン引きである。
早く狩りを終わらせないと、この近辺の動物が絶滅してしまう!
僕はスノーを側に呼んで、
「スノー、アッシュを連れて獲物を回収する体で周りの動物たちを追い払ってきて。
亜季ちゃんにバレないようにね。頼んだよ。」
とコソッとお願いする。
スノーは「ワウ」と小さく吠えるとアッシュを連れて獲物の回収に駆け出して行った。
スノーがいい感じでアッシュを誘導したおかげで周囲の動物達は森の中へ避難できたようだ。
それでもすでに約30匹くらいの動物達が狩られていた。
中には小型だが山賊猪もいるぞ。
もうこれだけで今日の狩りの成果は十分じゃない?
皆で頑張って獲物を集めて僕のアイテムボックスに収納を終えた頃に、ようやく亜季ちゃんがこちらの世界に戻ってきた。
もう弓術士より狩人がメインジョブでいいんじゃないですか?
「ふう、かなり物足りないですが、今日はこれくらいで勘弁してあげましょう。
今日のお昼と夜のご飯のおかずくらいにはなるでしょう。」
と亜季ちゃんが平然とコメントする。
「もう十分だよ!(ですよ!)(汗)」
と皆のツッコミが計らずもシンクロしてしまった(汗)
◆◇
その後は小一時間ほど何事もなく街道を進む。
楓ちゃんはその間、フラグを立てないようにちょいちょいと注意喚起されていた。
うーん、そろそろお昼ご飯の時間かな?
スノーとの感覚共有で得た情報(先を進む冒険者の会話の聞き取り)によると、キャラバンは昼休憩なしで進むらしい。
冒険者のお姉さん達は「休憩なしかよ〜。お腹すいた〜。」「トイレ休憩くらいさせろよな〜。」「干し肉かじりながら歩こう・・。」等、小声でブーブー言っている。
お姉さん方すみません、従魔の聴力を使って情報収集していたらたまたま聞こえただけですからね。
盗聴じゃないですよ(汗)
「みんな、そろそろお昼だから休憩にしよう。
街道脇の見晴らしのいい草原エリアで昼食の準備にしようか?」
「はい!」「お腹すきました!」「昼ごはん食べたいです!」「さっき狩った肉が食べたいです!」「バウ!」「ワウ!」「・・!」
と元気な返事が返ってくる。
ちなみにマイティは上空を警戒中だから返事は聞こえない。
「じゃあ、今日のランチの役割分担をするぞ。
チャロンと亜季ちゃんでスープと串焼き肉の準備をお願いするね。
朝買った食材とさっき狩った獲物を使って、適当な量で作ってね。」
「「わかりました!」」
「アカネちゃんと楓ちゃんで、パスタを茹でて、野菜サラダを作ってくれるかい?」
「「了解です!」」
「タクさんは何を作るんですか?」
と亜季ちゃんに聞かれたので、
「今日のおかずは野菜とベーコンのアヒージョを作ることにするよ。
朝市で新鮮な野菜とオリーブオイルが手に入ったしね。
ニンニクとトウガラシの効いた美味しい一品を作る予定さ。
残ったオイルをパンにつけて食べても美味しいよ!」
「いいですね!パスタは何味にするんですか?」
「シンプルにペペロンチーノかな?
ニンニクとトウガラシを効かせて野菜ととウインナーも入れたら食べごたえのあるメイン料理の完成さ!」
「楽しみです!!」
亜季ちゃんはもう待ちきれないようだ。
僕は高校の料理部で習ったとおりに鍋でアヒージョを作る。
5人分だから結構な量だよね。
ニンニクとトウガラシのみじん切りを炒めたらキノコ、ジャガイモ、ベーコン、ブロッコリーを入れてオリーブオイルで中火でフツフツと煮る。
具材が煮えてきたらミニトマトを入れてさらに3分ほど煮れば完成だ!
お次はパスタの具材の準備だね。
スライスしたニンニクとトウガラシをオリーブオイルで炒めて香りを出したらブロッコリーにほうれん草、玉ねぎベーコンを中火で炒めておく。
これに茹で上がったパスタと茹で汁を少々入れてよく混ぜ合わせて、塩コショウと香草のみじん切りをパラッとふって味を整えれば、家庭で食べるようなペペロンチーノの完成かな?
レストランで出てくるような上等なものじゃないけど、屋外のキャンプ料理なら十分だろう。
チャロンと亜季ちゃんの野菜スープと串焼きはもうすぐ出来そうである。
アカネちゃんと楓ちゃんがトマトとレタス、キュウリで野菜サラダを作ったら完成かな?
今日はドレッシング代わりにオリーブオイルに塩コショウを混ぜたものを準備しておこう。
マヨネーズが欲しいところだけど、そういえば朝市では売ってなかったな?
鮮度維持が困難かもしれないね。
そのうち自作して持ち歩いておくか。
みんなが料理の仕上げをしている間に、「土いじり」と「物体作製」でいつもどおりテーブルと椅子を作って、できた料理を並べれば準備はほぼ完了だ。
アヒージョ用にフランスパンのような固いパンを薄くスライスしておこう。
「うん、いい感じで料理ができたね!
みんな腕が上がってきていい感じだよ。
早速頂こうかな?」
「「「「はい!いただきます!!」」」」、「バウ」「ワウ」「ピー!」「・・!」
と返事するやいなや、女子チームと従魔達は待ってましたとばかりに食事を始める。
どのメニューも「「「「美味しい!!」」」」と絶賛しながら食べていた。
うん、美味しいご飯は人生を豊かにするよね。
仕事とはいえ、干し肉をかじりながら歩き続けたくはないな。
あのお姉さん達に会うことがあったら食事をごちそうしてあげよう。
チャロンと亜季ちゃんが作ってくれた美味しい野菜スープと串焼きを堪能していたら、アヒージョとパスタはあっと言う間に無くなってしまっていた・・・。
あれ?僕はあんまり食べてないんですけど(汗)
まあ、みんなが喜んでくれたらそれでいいか。
また作る機会はあるでしょう、きっと。
ヤトノが僕に食べさせてもらうのがもどかしいのか、僕の食器セットによそったアヒージョやパスタをそのままモリモリ食べていたのにはビックリしたが。
蛇ってこんなに何でも食べたっけ?
魔物になると食性が変わるのかな?
「うー、お腹いっぱいです!」
「食べすぎました・・。」「幸せです・・。」「イタリアン最高・・」
等々、つぶやきながら女子チームはまどろんでいる。
従魔達も地面に寝転んでグッタリしている。
アッシュはお腹を上に向けてクークーといびきをかいている。
今の君には悪魔狼の威厳は全くないぞ(汗)
しかしみんな食べすぎだよ(汗)
一応野外行動中なんだから、もうちょっと緊張感を持とうね。
これじゃ異世界の冒険じゃなくて、本当にただのキャンプだよ(汗)
みんな野外訓練の目的を忘れてるよね?
最後までご覧頂きありがとうございました。
感動など頂けると励みになります。
引き続きよろしくお願いいたします。




