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第68話 初のターゲットキル!

いつもご覧頂きありがとうございます。


更新が遅くてすみません・・。

 冒険者ギルドを出た僕達はメイン通りを通って王都の北の森へと向う。

 そこが初心者向けの狩猟や採取のポイントらしい。


 15分ほど歩けば街の外に出る門があるそうだ。


 皆で先程までのやり取りを振り返りながらワイワイと話し合う。


「それにしてもさっきの自称1流冒険者とのやり取りは傑作でしたね。

 まさか本当にあんなテンプレートな絡みをしてくるとは予想できませんでしたよ。」


 と、亜季ちゃんが話しかけてくる。


「そうだね。王都の冒険者ギルドにはああいった手合はいないって聞いていたからちょっと驚いたね。

 まさかあんな絵に書いたような3流キャラに絡まれるとはね。

 びっくりしたけど、まあいい経験かな?」


「予想外の展開だった割には対応がスムーズでしたね?

 もしかしたらよくある展開で喧嘩になるんじゃないかと思っちゃいましたよ。」


 おっと、交渉人スキルのことは内緒だったね(汗)


「ま、まあ、いずれはああいう状況に直面するかもしれないと思って、少しだけやり取りの準備をしておいたのさ。

 ああいうバカを相手にして無駄な怪我をしたら馬鹿らしいからね。

 備えあれば憂いなしってやつかな。」


「さすがタク先輩、大人の対応ですね。

 うちのポンコツ騎士とヘッポコ格闘戦士なら間違いなく挑発にのってボコボコにされていたと思いますよ。」

 

「折角の外出の時間を無駄にしたくないからね。

 相手をしないのが得策だよ。これからもそうするつもりさ。」


「でもあんなガラの悪い連中相手に毅然とした態度で対応できるなんてスゴイですよ!

 私はちょっとドキドキしちゃいました!」


 と楓ちゃんが話しかけてくる。


「まあいざとなったら僕とチャロンで対処できるくらいの腕だったと思うしね。」


「私は戦闘系のスキルがないから不安です(汗)。

 早く強い動物をテイムしないと。」


「はは、いいパートナーが今日行く場所で見つかるといいね。」


 と、楓ちゃんに答えておく。


「でも結局タク先輩はどこに行っても目立ってしまいますね。

 今日の出来事でタク先輩はギルドの受付嬢や他の冒険者に覚えられてしまったと思いますよ。

 何しろ登録したてのGランク冒険者が自称でも1流のDランク冒険者を口だけで撃退しちゃいましたからね。」


 と亜季ちゃんに再びツッコまれる。


「ううっ!やっぱりそうなっちゃう?できれば目立ちたくないんだけど(汗)

 あの自称1流冒険者達さえいなければよかったのに(汗)」


「もう済んだ話ですからどうしようもないですね。諦めましょう。

 そんなことより門が見えてきましたよ。」


 と、亜季ちゃんが前方を指差す。


 確かに王都を囲む城壁に設置された門が見えて来た。


 おお! ようやく王都の外に出れるときがやってきた!

 ワクワクするね!


◆◇


 門に到着した僕達はそれぞれもらったばかりのギルドカードを衛兵に見せて門を通過する。


 衛兵はお揃いの服を着た僕達を見て、

「見かけない顔だけど新人冒険者達かい?

 外の森にはあまり危険な生き物はいないが、時々予想外の動物や魔物に出くわす事もあるから気をつけるんだぞ。」

 

 と、声をかけてくる。


「ありがとうございます。気をつけて行ってきます。」と答えておく。


 これも異世界定番のやり取りかな?

 そう言えば小説でもよくあったね。

 

 そんなことを考えつつ門の外に出ると、そこには異世界ならではの光景が広がっていた。


 まっすぐに伸びる土の街道とその上を往来する馬車の列。


 街道の左右には草原が広がり、その奥には森が広がっている。

 なんとものどかな光景である。


 草原の奥には黒い動物の群れが見えるぞ。


「あれが暴れ黒牛かい?」


 とチャロンに尋ねる。


「そうですね!!美味しそうです!

 でも群れだから狩るのは難しいかもですね。

  弓で狩るならはぐれ個体を集中攻撃するのが安全かつ効率的ですからね。」


「なるほど。確かに無理に挑む必要はないよね。

 他に狩りやすい獲物を探そう。」


「右前方にウサギっぽいのがいますよ。」


 と、アカネちゃんが指を指す。


 うん、確かにウサギっぽい何かが2〜3匹跳ねている。


 さすがアカネちゃん、斥候の「気配察知」スキルを遺憾なく発揮して、獲物を探索していたようだ。

 

「あ!あれはフワフワウサギですよ、タクさん!

 いきなり発見するなんて今日はツイてますよ!

 彼らは警戒心が強くてなかなか遭遇できませんからね。

 高値で売れますから是非狩っちゃいましょう。

 幸いにもまだこちらには気づいていませんから、風下からそっと近寄って弓でしとめましょう!」


「うん、じゃあ早速弓の腕を試すとするか。

 亜季ちゃんとチャロンと僕でアタックしよう。

 アカネちゃんは先頭に立って風下から近づくルートを案内してくれるかい?

 楓ちゃんは後方の警戒をお願いするよ。」


「「「「はい!」」」」


 と、行動方針を確認すると僕達はそれぞれ装備を準備する。


 ついに、僕の魔改造?した洋弓「タクカスタム」が火を吹く瞬間がやってきたぞ!

 まあ、弓矢なんで実際は火は吹かないが・・、比喩的な表現で・・。


  僕達はブーニーハットを被って目立たない服装を整えるとアカネちゃんの誘導に従って風下から低い姿勢でターゲットに近づいて行く。


  うん、ハンティングって感じでワクワクするよね!


「どれくらいの距離まで近づけばいいですか?」


 と、アカネちゃんが小声で聞いてきたので、


「できれば50mくらいまで、難しければ100mくらいまで近づけるとありがたいね。」


「わかりました。慎重に近づきましょう。」


 と言うと、アカネちゃんは更に警戒を高めながらターゲットに向かってゆっくりと進んで行く。


「もうかなり近づいてきました。あと200mくらいですね。

 ここからはターゲットの聴覚の探知範囲に入りますので更に慎重に進みますよ。

 私は「気配遮断」スキルを発動しながら進みますので、皆もできるだけ静かについてきて下さいね。」


 そう言うと更に低い姿勢で気配を殺しつつゆっくりと近づいて行く。


 さすがは斥候スキルの保有者である。

 初の実戦?なのに動きとルート選択に無駄が無い。


 僕も「気配遮断」スキルを使おうかと思ったけど、まだ皆に説明していないから止めておいた。

 急に僕の気配が薄くなったらビックリするかもしれないしね。


 そうこうしているうちにターゲットに結構近づいてきた。


 僕の視力でもフワフワウサギ達がモコモコと動きながら一生懸命に草を食べているのが視認できる。


 こうやって遠くから眺めていると、フワフワウサギ達はとても可愛いらしい。


 だがしかし!、今の僕たちにとっては彼らはただのターゲットでしかない!


 僕達のハンターとしてのモチベーションは急上昇中である。


 ふっ、悪いが僕達の経験値と臨時収入に変わってもらうぞ!!

 この異世界は弱肉強食の世界なのだよ!


 などとお気楽な事を考えていたら、先頭を行くアカネちゃんが歩みを止め、僕達に手のひらを向けてハンドサインで『待て』と指示する。


 そのまま10秒ほどターゲットの様子を確認すると、わずかに聞こえる小声で、


『ターゲットの耳がピクピクしています。

 どうやら何かが近づいているのに気が付いて警戒しているようですね。

 近づくのはここまでが限界のようです。』


 と、僕達に教えてくれる。


 ふむ、ならばここから狙うしかないな。


 僕は背中に背負った弓をそっと下ろすと、少しだけ弓に魔力を流して簡易照準器の中心にターゲットを捉えた状態で測距のスキルを発動させる。


 簡易照準器上には「90m」と表示されている。


 うーん、ちょっと遠いけど狙えるかな?


 そのまま「照準補正」を発動してターゲットに狙いを定めつつ弓を上方にずらすと、照準器上に「●」が表示された。


 うん、これならいけそうだ!


 僕は小声で、


『亜季ちゃん、チャロン、ターゲットまでは約90mだよ。

 この距離でも測距と照準補正のスキルを使えばターゲットにヒットできそうだよ。』


『そうなんですね!

 じゃあこのまま猟っちゃいましょう!』


『ふっ、それくらいの距離なら私の弓術スキルをもってすれば楽勝ですよ(キリッ!)』


 と、チャロンと亜季ちゃんが応える。


『じゃあ、ターゲットはちょうど3匹いるから一匹ずつ狙おう。

 左側から僕、チャロン、亜季ちゃんの順でいこう!

 照準が完了したら同時に発射するよ!』


『『了解です!』』


 と、攻撃方針を確認した僕達は、それぞれの弓に矢を番えてターゲットに狙いを定める。


 僕のタクカスタムが照準を完了したら、ロックオンボタンを押して魔力誘導を発動する。


 チャロンもロックオンを完了したようで、頷いている。


 その隣では亜季ちゃんも頷いている。

 どうやら魔力誘導は既に発動済みのようだ。


 チャロンと亜季ちゃんの準備完了を確認した僕は、


『じゃあ、同時に発射するよ。3カウントでいくからね。』


 と言うと


『3,2,1,撃て!』


 と号令をかけると同時に矢を放つ!


 3人の弓から同時に放たれた矢は緩やかな放物線を描きつつターゲットに向かって飛翔していく。


 ターゲット達は耳をピクッとして、何かの接近を感知したらしいが、斜め上方から点のように飛来する3本の矢には気がつけなかったようで、逃げる様子はない。


 矢はそのまま飛翔を続けると、ターゲットに吸い込まれるように命中した!

 どの矢もターゲットの心臓あたりに命中するクリティカルヒットである。

 

 ターゲット達はその場で絶命したようであり、動く気配はない。


「よし!命中したようだ。

 初弾からクリティカルヒットとは幸先がいいね!

 他の動物に横取りされないうちに素早く回収しよう!」


「はい!タクさん!」、「「「はい!」」」


 と、皆で周囲を警戒しつつ仕留めたターゲットの回収に向かう。

 手には念のため片手剣を持っておこう。


 異世界物の小説では、こういう時にゴブリンなんかと遭遇して戦闘になるのが定番だからね。

 口に出すとフラグが屹立してしまうので、決して喋ってはならないぞ!


◇◆


 仕留めたターゲットに近づくと、周囲に他の動物や魔物がいないことを全員で確認する。


「ターゲットの周囲クリアー!」


 と、ちょっとサバゲー風に状況を報告する。


 アカネちゃんはアウトドア好きだけあってノリノリで「ラジャー!」と答えてくれたが、

楓ちゃんは若干苦笑いであった。


 うん、理解していただけるように今後も丁寧な説明に努めよう・・。


「すごーい!3匹とも急所を一撃ですね!

 あの距離から仕留めるなんて、みなさん凄い腕ですよ!

 亜季は弓術士だし、タク先輩はもともと弓道部だからわかりますけど、チャロンさんも弓の名手だったんですね!」


 と、アカネちゃんが褒めてくれる。


「ま、まあ、チャロンはもともと弓も使えたからね。

 そのあたりは後でちゃんと説明するよ。

 今はとりあえずターゲットを回収しよう。

 肉が痛む前に血抜きとか下処理だけしておこうか?

 悪いけどチャロンは手伝ってくれるかい?」


「はい!、タクさん!」


 と言うと、僕とチャロンでターゲットの血抜きと内臓の取り出しを開始する。

 うん、事前に解体(小型)のスキルを入手しておいてよかったよ。


 2人でささっと下処理を終えると、取り出した中身は地面に穴を掘って埋めておいた。

 血の匂いが危険な肉食獣を呼び寄せるといけないからね。

 

 ここで早速折りたたみスコップが大活躍である。

 作ってもらっておいて良かった。

 武器工房長に感謝だね!


 あとは、チャロンの生活魔法の「放水」で手を洗って、仕上げに「汚れ除去」をかけてもらったら作業終了である。


「タク先輩もチャロンさんも手際がいいですね!

 流石に私は解体はまだできないです・・。

 私にも覚えられるでしょうか?」


 と、アカネちゃんに質問される。


「大丈夫だよ。

 僕もこっちの世界に来てからお城の解体場でチャロンに教えてもらったからね。

 これからの野外訓練でいくらでも学ぶ機会はあるさ。

 次にノウサギでも狩れたら一緒にやってみよう。」


「はい!お願いします!」


 と、アカネちゃんが明るく返事をする。

 うん、元気があっていいね!


「タク先輩、もちろんですが私と楓にも教えていただけるんですよね?

 それにタク先輩とチャロンさんが使っている弓も私のものと何やら雰囲気が違いますよね?

 見たことのないパーツが付いていますし。

 そのあたりも含めてきちんとご説明をして頂きたい気分ですよ。」


 と、亜季ちゃんが冷静に突っ込んでくる。


「も、もちろんだよ(汗)。

 いま狩ったターゲットの保管の件もあるから、一度ちゃんと説明するね(汗)。」


 とタジタジで亜紀ちゃんに答える。


 さあ、いよいよ皆にちゃんと説明する時がやってきたようだ!


◆◇


最後までご覧頂きありがとうございました。


感想などいただけると励みになります。


引き続きよろしくお願いいたします。

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