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第34話 弓の魔道具の完成と野営用装備の作成と

いつもご覧頂きありがとうございます。

 部屋に戻ってきた。

 亜季ちゃんとの会話ではないが、僕達もあまり時間を無駄にできない。

 早速活動しよう。

 

 まずは朝の作業のやり残しである。

 僕とチャロンの弓に改造を加える。


 今朝作成した押ボタンスイッチを弓に埋め込もう。

 弓のグリップ部分を左手で保持した状態で親指をたてる。


 その時に親指の腹にあたる位置に押ボタンスイッチを埋め込む。

 ちょうど先端の5mmくらいが弓の表面から飛び出すような感じだ。

 

 試しに何度か押してみたが動作に問題はなさそうだ。

 ここまではイメージどおりである。


 次に付与魔法でスキル付与する。


 「測距」と「照準補正」の発動条件は昨夜の試作と同じである。

 動作は確認済みだしね。


 今回は「魔力誘導」とその発動条件を追加しないとね。

 付与するスキルの種類と発動条件を次のとおり再整理する。

 「照準補正」と「魔力誘導」を連携させないとね。

 

・弓に付与するスキルは「測距」「照準補正」「魔力誘導」の3種類。

・弓の使用者が弓に魔力を通した時に「測距」と「照準補正」スキルが発動する。

・距離や照準の表示は簡易照準器のガラス板上に表示する。

・スキル発動時に簡易照準器の十字部分と重なっているものがスキルの対象である。

・「照準補正」が照準を確定し「●」を表示した後で使用者が押ボタンスイッチを押した場合は「魔力誘導」が発動する。

・魔力誘導の対象は「照準補正」が「●」で照準を確定した対象と同じ。


 付与するスキルの種類と魔法発動の条件をイメージしながら付与魔法を発動する。

 スキルの数が増えて発動条件が複雑になった分だけ、魔力消費が多かった気がするが何とかなりそうだ。


 昨夜同様にキラキラエフェクトが弓全体にかかったので多分上手くいったのだろう。


 「目利き」スキルで弓を確認すると、


・洋弓(魔道具):魔力を流すと「測距(中級)」「照準補正(中級)」が発動する。

         発動対象はスキル発動時に簡易照準器の十字部分と重なっているもの。

         距離や照準の表示は簡易照準器のガラス板上に表示される。

         弓に内蔵された押ボタンスイッチを押すと「魔力誘導(中級)」

         が発動する。

         発動対象は「照準補正(中級)」が照準を確定した対象と同じ。

         繰り返し使用可能。


 と表示された。 

 なんとか上手くいったようだ。


「チャロン、上手くスキルを3つとも付与できたみたいだよ。」


「すごいですね!早く試してみたいですね。」


「そうだね。でもまずはチャロンの弓にもスキルを付与しないとね。

 押ボタンスイッチの位置決めをしよう。」


 と、チャロンに自分の弓を持たせて押ボタンスイッチの位置決めをしてから、それを埋め込む。

 相変わらず「物体作成」は便利なスキルだ。


 続けて僕の弓と同じように3つのスキルを付与する。

 一度成功しているので問題なく付与できた。


 「目利き」で確認しても僕の弓と全く同じ説明だった。

 うん、完成。


「チャロン、できたよ。

 これでチャロンの弓もスキルが付与された魔道具になったよ。」


「ありがとうございます。

 こんな簡単に魔道具の弓を作ってしまうタクさんに驚きですが・・。

 それはともかく狩りの実地訓練が楽しみですね。」


「そうだね、早く準備を整えて城の外にでかけよう。

 城内だと人目があって僕のスキルを隠さないといけないからね。」


「ですね。

 でもアキさんも一緒に実地訓練に行くならちゃんと説明しないとですね。」


「そこなんだよね。準備ができたら一度話をしよう。

 でも最悪の場合、僕達がこの城から逃げないといけないかも知れないので、装備品の準備を整えるのが最優先だね。

 あとは当座の生活費もね。」


「確かにお金も必要ですからね。

 実地訓練の際に冒険者か狩人に登録しましょう。

 そうすれば訓練で狩った獲物を売ってお金に換えれますから。

 このあたりの知識はまた街に出たら説明しますね。」


「うん、よろしく。次は道具の設計だね。」


 今日はいくつかの道具を設計して各工房に発注したいんだよね。


 まずはバックパック。

 両手をフリーにして行動するためには背負うタイプのカバンが最適だろう。


 形状は当然ながら軍用のものにして・・、色はOD色で・・・、素材はちょっと厚めの帆布生地で・・、ショルダーストラップは幅広で・・、容量は40Lくらいで・・と、元の世界でソロキャンプで使っていたものを参考に図面を描く。


 次はクッカーセット。

 ソロキャンプ用の定番グッズだね。


 直径18cmくらいで下からフライパン、手鍋(大)、手鍋(小)、コップ、の順番で重ねていくセットの図面を描いた。


 本当はヤカンも欲しかったがこっちの世界の鍛冶技術のレベルがわからないので単純な形状のものだけにした。


 次はフォークとスプーン。

 柄が折り曲げ式になっていて、クッカーセットに収まるやつね。


 次は折り曲げ式スコップ。

 兵隊さんが腰に付けておくやつね。

 テント設営場所の地面を整えたり、夜営中のトイレ問題に活躍してくれるだろう。


 次はテント。

 元の世界で人気だった1ポールテントにする。大きさは2人用だね。


 チャロンと一緒に寝ないといけないからね。

 大きな二等辺三角形を6枚繋いで、大きな六角錐になるイメージで図面を描く。

 元の世界の何処かの国の軍隊の払い下げ品のように、六角錐を半分にしたものを2枚組み合わせる形状にする。


 この払い下げ品は確かすごい人気でネットでも品薄だったはずだ。

 たしか1枚がポンチョにもなるはず。

 こっちの世界でも流行るかもね。

 

 次に寝袋。

 元の世界のような化学繊維の良い素材はないと思うので、シンプルに封筒型のデザインにしておく。


 最後にブランケット

 よくある軍用の薄い毛布だね。

 被るもよし、寝袋の下に敷くもよし、といったところか。


 あ、おまけでフィールドコートかな。

 野営だと夜は寒いだろうから、上着は必要だよね。

 戦闘服と同じ生地で作ってもらおう。


 デザインは個人的趣味だけどモッズコート風にしておこう。

 ちょっと長めのコートのほうが夜は暖かいだろうしね。


 うん、最低限これだけあれば何とかなりそうだ。


「図面ができたよ、チャロン。

 これを各工房に発注したいんだが大丈夫かな?」


「いろいろありますね。どれもデザインが独特ですね。

 特にこの鍋のセットはすごいですね。

 持ち運びが便利そうです。

 どの道具も便利そうなので騎士団が欲しがりそうですね。」


「まあ、もしよければ騎士団用に作ってもらって構わないよ。

 お城のみなさんには毎日お世話になってるからね。お礼がわりにどうぞ。

 それもこの世界への貢献の一つになるかもしれないしね。

 でも、各工房で作ってもらえるかな?」


「そうですね、食器とスコップは武器工房で。

 バックパック、テント、寝袋、毛布、コートは服飾工房で作ってもらえると思いますよ。

 このあと行ってみましょう。」


「そうだね。その前にもう一仕事したいんだよね。」


「何をするんですか?」


「戦闘服用の帽子を作ろうと思ってね。」


 と言って、帽子のデザインを見せる。


「これはブーニーハットと言って、森の中などで行動するときに被るんだよ。

 頭を隠せるし、つばも大きくて日差しを避けることができるから、屋外での行動には適しているんだよ。」


「へえ、初めて見るデザインです。タクさんが作るんですか?」


「うん、昨日服飾工房のチーフデザイナーに布を分けてもらったからパパッと作ってみるよ。

 「お針子」と「型取士」スキルを今こそ発動しよう!」


 と宣言して早速作業にとりかかる。


 スキルの力を借りて、1時間ほどで4つのブーニーハットを完成させた。

 僕、チャロン、亜季ちゃん、楓ちゃんの分である。


「うん、できた! まあまあいい感じだね。

 あと、チャロンの帽子は耳が出せるようにスリットをいれておいたよ。」


「ありがとうございます。実はその点が心配でした。さすがタクさんです。」


「まあ、一応デザイナースキル持ちだからね。」


 うん、これで戦闘服に最低限必要な付属品はできたかな?

 あとは実地訓練の結果を踏まえて足していこう。


「亜季ちゃんと楓ちゃんのブーニーハットは夕方に会った時に渡すことにしよう。

 喜んでくれるといいけどね。」


「きっと喜んでくれますよ。私もうれしいですから!」


 これで午後の仕事の準備はできた。

 昼食までもう少し時間があるから、昨日気づいた課題の魔道具の魔力供給源について検討しよう。


「ねえ、チャロン。

 そもそもなんだけど、どうして黒樫で作った杖には魔力が貯まるのだろうね?」


「詳しい理屈はわかりませんが、乾燥した木材の表面や、木材の中の目に見えない隙間とかに魔力が吸着されるみたいな感じらしいですよ。」


「吸着ねー。」


 と僕はどっかで聞いた話を思いだす。

 そう言えば冷蔵庫や部屋の臭い取りに炭を置く方法があったな。

 なんでも炭には臭いの吸着効果があるとか。


 それに食後に余分な油を取り除くために炭の粉を飲むなんて人もいたな。

 炭の粒子は油をよく吸着して、しかも粒子状にすると表面積が増えるから吸着される油の量も増えるとか言ってたな。


 そうか、炭を使うのはありかもね。


「ねえ、チャロン。お城の中に黒樫の炭ってあるかな?」


「ええ、ありますよ。武器工房の鍛冶場では鉄を溶かすのに黒樫の炭を使ってますから。

 まあ、炭作りも過去の勇者様が広めたらしいですけどね。

 炭が必要ですか?」


「うん、ちょっと試したいことができてたんだよ。

 武器工房に行くついでに炭を一束と真鍮の板を1枚もらえないかなと思ってね。」


「わかりました。では早速武器工房に行ってみましょう。

 ついでにさっきの食器とスコップもオーダーしちゃいましょう。」


「あ、いいね。じゃあ今から行こう!」


 と、早速行動に移る。

 時間は有限だからね。


◇◆


 武器工房は相変わらず忙しそうです。

 この城内の人たちはよく働くよね。

 給料がいいのかな?それとも単なる仕事好きなのか?


「こんにちは武器工房長。お願いが2つあって参りました。」


「うん?ああ、召喚勇者様とチャロンじゃないか?

 この間の弓に何か問題でもあったのかい?」


「いいえ、いただいた武器には何も問題はありません。

 今日はお願いが2件ありまして・・。

 1つ目はこちらの道具の製作をお願いできないかなと思いまして。

 野営用の食器セットと折りたたみ式のスコップです。

 個人の携行装備として持ち運びがしやすいように、重ねたり折り曲げたりできる構造で設計してみたんですよ。」


 と言って部屋で描いた図面を武器工房長に渡す。


「おお!これはすごい設計だな!単純だけど確かに携行用としては便利そうだ!

 面白そうだから早速作ってやるよ。

 何セット必要なんだ?」


「とりあえず5セットでお願いします。

 近いうちに仲間と一緒に野営訓練をしようと思いまして。」


「ならすぐに作ってやるよ。

 そうだな、明後日の夕方にはそろえておくから取りにきな。

 それと、これは騎士団の連中も欲しがると思うけど見せてもいいか?」


「ええ、問題ないですよ。

 なんだったら注文があれば作ってあげてください。」


「うん、恩に着るぜ。

 実は前から携行しやすい野営道具の相談を受けていたんだ。

 やつらは交代で野外行軍の訓練に行く機会があるからな。」


「ああ、例の野外行軍訓練ついでに黒牛や猪を狩ってくるやつですね。」


「おお、それだ。ただの訓練だけだと気分がのらないからな。

 訓練と有害動物の駆除と食料確保と革素材の確保などメリットしかないから、騎士団の連中の楽しみの一つでもあるんだよ。」


「そうなんですね。

 野営道具が役にたってくれたらうれしいでよ。」


「うむ。それと、もう一つのお願いは何だ?」


「はい、2つ目のお願いは黒樫の炭を一束と真鍮の板を1枚わけていただけないかと思いまして。

 ちょっと試してみたいことがあるんですよ。」


「何か道具でも作るのかい?」


「そんな感じです。まあ、素人の工作みたいなものですが。」


「たくさんストックがあるから持って行っていいぞ。

 さっきの食器とスコップの設計図のお礼だ。

 おい、そこのお前、勇者様とチャロンを倉庫にご案内しろ。

 炭と真鍮の板をお渡しするんだ。

 じゃあ、早速製作にとりかかるから明後日の夕方な。」


 と、言い残すと武器工房長は僕が描いた図面を持って鍛冶場の奥に消えていった。

 早速作業にとりかかるらしい。

 もしかしてワーカホリック?


 僕達はスタッフさんの案内で倉庫に行って炭と真鍮の板を頂いてから部屋に戻りました。

 スタッフさんにお願いしてちょっと多めにもらったのは内緒です。


最後までご覧頂きありがとうございました。


感想など頂けると励みになります。


引き続きよろしくお願いいたします。

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