純愛
第二十六話
「美佳?」
「もし、彼氏とか良い人がいないんなら
私の家に来ないか?」
(今日は1人にはさせたくなかった)
「彼氏?」
「いたらどうするの?」
「いたら、彼氏のとこにいきなさいよ」
「何、それ」
「わたしの好きにしたらダメなの?」
「いいけど
今日はそばに誰かいる方がいいよ」
「そしたら今日はパパの
ところに行くゎ」
「今日は••か、まぁいいや」
ここから車ですぐのところだから
美佳おぼている?
病院の下にあるのが
地震のときに買い出しにきた
あのショッピングセンターだよ
そうか、あの時は旦那の車できたから
電車降りて、中を歩いて来た時
なんか、一度来たような感じだったんだよね
やっぱそうだったんだね
「パパは職場が近かったんだっけ」
「その時はね」
「今は変わって、もっと三田の
奥の方で仕事しいている」
「だから、こっちに引越して来たんだ」
「ほんと、自宅はここからすぐ近くだよ」
そういって2人は車に乗って
先に買い出しに行ってから真の家に行った。
「パパは自分で料理とかするの?」
「片付けがめんどくさいから」
「ほとんどしないね
汚れたりするのが嫌なんだ」
「パパらしいね」
「美佳はちゃんと自炊してるの」
「まぁね、時間ある時はね
忙しいとついつい外食かな」
「今日は何か作ろうか?」
「いいよ、わたしが作るから」
「へぇー美佳の手料理は初めてだね」
「パパ、ここは1人じゃ広すぎない?」
「うん、そうなんだけど」
「ワンルームだとコンパクトで便利
なんだけど、やっぱいい年して年寄りが
ワンルームもね、なんか寂し過ぎるでしょ」
「そうかな?」
「けど、一戸建て平屋にしたから
ちょうどいいかな」
「周りに家もなくて
かと言って週末には前の公園には
誰か遊びにくるからね」
「子どもの声とか結構賑やかだよ」
「将来、犬も飼いたいしね
なので庭付きの家を買ったんだ」
「えーいいなぁ、わんちゃんは
飼いたいよね」
「何飼うの?」
「決めてないけど
フレンチブルドッグかな…」
「けど、留守番が長いと可哀想だから
まだ実現していない」
こんなたわいもない話しをしていた…
出来れば病院での話しは避けたかった
「ごちそうさまでした」
「美味しかったよ、トースト以来だけど」
「失礼ね、ちゃんと作れていたでしょう」
「うん、美味しかった」
「片付けは私がするよ」
「面倒なんじゃないの?」
「それぐらいはパートナー 笑 だから
分業ですよ」
「美佳はゆっくりしてなよ」
美佳は色々と私の部屋をチェックしていた
チェストの上に置いていた
腕時計をみて
「パパ、まだこの時計持っていたの?」
「まぁ、ね」
「未練タラタラだけど、ずっと持ってるよ」
「まだ、ちゃんと動くんだよ」
美佳は手にとり、自分の腕につけてみた
いいね、昔の時計でもいい感じだね
「返してもらおうかな?」
「いいよ、美佳がする方が似合ってるから」
「本気で言ってるの、怒るよ」
「渡した時の気持ちを忘れてる⁈」
「こっちの部屋は?」
「机と椅子だけ?」
「書斎でもないし、何の部屋」
「一人暮らしで部屋が多すぎるから」
「ここからは公園が見えて、ぼーっとするには
日当たりもいいしちょうどいい部屋なんだ」
「そうか、わたしの仕事部屋に
ちょうどいいかもね」
仕事部屋って…
私の家どけど
「美佳はところで今どこに住んでいるの?」
「ダメ教えると来るでしょ
灘区ってだけ教えてあげる」
「引っ越そうかなって思ってたので
けど、しばらく病院だしね」
「それと、今は付き合ってる人はいるの?」
「うーんいるような、いないような」
「これからそうなるかもしれない人はいるかも」
「けど病気だから嫌がると思う」
「病気、病気ってそんなに気にしなく
ていいし」
「病気だからサヨナラなんて
人だったら、はなからやめなよ」
「そうか、そうだね、どうだろう?」
2人ソファに並んで座って
私はコーヒーで美佳はホットミルク
「ねぇパパ、わたしの病気は治るかしら」
「先生も進行次第では完治もするって
言ってたから、きっと治るよ」
「抗がん剤治療って大変なんでしょ
わたし頑張れるかな」
「頑張らなくていいよ」
「ずっと今まで頑張って来たんだから
自然に任せて」
辛い時は辛いって
苦し時は苦しいって
言えばいいよ
「誰にいうの?」
「そりゃ、さっき言ってた人だよ」
「……」
「パパちょっと待ってね」
美佳はバックから何かを出して
私に渡した••
「何これ?」
なんかシワシワで破れかかった
折りたたんだ紙だった
そっと広げると
それは、あの日に私が美佳に渡した
携帯番号が書いたメモだった。
「美佳、ずっと持っていたの?」
そうだよ
「怒りに任せてあんな事言ってしまった
ことに後悔してたの」
「何度も何度も電話しようと思っていた」
「けどパパはパパだから」
「子どもさんの
パパに戻って欲しいと思って」
「かけれなかった…」
「だから、今までずっと大切にしまって
いたの、パパあの時言ったよね
何かあった時に便利だと」
「まだ、便利?これ繋がる?」
「美佳、ずっと繋がってるよ
あの日からずっと繋がったままだよ」
たとえ、私がいなくなってもずっとね
美佳は真の肩に寄り添って
「ごめんなさい、またよろしくね」…
美佳と真は苦しくて長い病気との闘いが
待ち構えていた、けど2人なら必ず
克服出来ると信じていた…きっと




