悪戯な運命
第二十五話
◇◇◇◇◇
2021年8月
美佳 検査の日
『そうしました、こちらで着替えて下さい』
『こちらを頭にして横になってください』
美佳はMRI検査を受けていた。
ひと通り終わり…
『後ほど診察で呼ばれますので
16番の前でお待ち下さい』
「ありがとうございました」
検査室のドアを開けて出たら
椅子に真が座っていた
「何してるの?」
「美佳が終わるのを待ってた」
「なんで今日って知ってるの?」
「だから常連て言ったでしょ」
「個人情報でしょ」
「うそ、うそ、
あの時説明受けてたのを聞いてたの」
「ストーカーじゃん、怖い怖い」
「まぁいいでしょ美佳」
「それで何にしに来たの?」
「何しにって…ちょっと…
検査が気になって」
「本当?何かしょうと思ってるでしょ」
「まぁちょっと、それもあるかな」
16番の前までついて行き.
一緒に座った
「ずっと居るの?パパ」
「そうだよ、終わったら時間ある?」
「まぁあるけどね」
『弓弦美佳さん16番にお入り下さい』
「それじゃ行ってくるけど
待ってるのね」
「はい!」
「調子いいわね、子どもみたい」
美佳は診察室に入っていった
『弓弦さんですか?』
「はい、そうです」
『検査の結果ですが』
『今日はお一人ですか?
誰かご家族の方がいらっしゃっていませんか?』
『一緒に聞いてもらったほうがよいのですが』
「えっーと… はい居ます
ちょっと待て下さい」
美佳はドアを開けて
「パパ来て、中に入って!」
「えっ?入るの?」
「いいから、とにかく来て」
無理やり呼ばれて、真も診察室に入った。
先生が
『ご主人さんですね』
いいえと言う前に 美佳が
「はい、内縁の夫です」
(夫?まぁ悪い気分じゃないからいいけどね)
『今日の検査ですが』
MRIで検査した結果は、上皮性腫瘍と思われます、
一般的にいう、卵巣がんと思って下さい。
大きさ的にはこの画像のように
すでに大きくなっています。
卵巣癌は四期ぐらいまではあまり症状が
出ないでないので気づかれなかったのかも
知れませんが
弓弦さんは多分三期に入ってると思われます。
他にも転移が見られます
ただ三期と申し上げましたが
細かなところは実際、病理検査をしないと
実際の進行度は判断できません。
これからの予定ですが
卵巣の摘出手術と、その時転移など確認
細胞採取による癌の進行度などを調べて
治療方法を決めていきます。
切除のあと
抗がん剤による化学療法になると思います。
••急な事で私は気が動転していたが
美佳は冷静に
「治りますでしょうか?」
そうですね…
卵巣癌の場合は
実際に開腹しての摘出手術と確認しか
出来ないので、そのときの検査での
進行度によります
進行度によっては治る病気です
ただ、根治までには時間は掛かります
まずは早急な手術をお願い致します。
こちらの用紙をお渡し致しますので
後ほど看護師が説明いたします。
入院の手続きは、窓口でお願いします
それと、看護師にご主人さんの連絡先も
伝えといて頂けますでしょうか?
先生は淡々と喋っていたが
こちらは現実を理解するのに必死だった
美佳は外に出て看護師さんから
説明を受けていた
『手術3日前には••••
「パパごめんなさい」
「急に付き合ってもらって
余計な事きかせちゃったね」
「美佳 」
「今は内縁なんて言わないよ
パートナーって言うんだよ」
「昭和だね 笑」
(精一杯の強気で知ったかぶりをして
雰囲気をなごませたかった…)
「へぇー知らなかった、そうなの⁈」
8月の終わり
外に出ると
午後にはあまり聞かない
クマゼミが鳴いていた、なぜか
ずっと鳴いていて欲しいと思った
鳴き止むと、静か過ぎて色々考えて
しまうのが辛かった…
煩さがちょうど良かった…
シャシャシャセンセンセンと
ずっと鳴いていた……




