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嵐になる

第十一話



今日から三連休だから

奥さんと子どもたちを実家に連れていく。

そうする事で、私のための家事もなくなり

子育てからも 少し解放される、私が居ないことで

妻も自分の実家でのびのびと過ごす事ができる。


私もそちらの方が何かと都合が良かった。


送って行ったあと、一旦帰り

美佳とのデート用に着替える

少し時間を潰して待ち合わせ場所に向かう。


これは明らかに裏切りなんだと思う 

しかし、正直者にはなれない••


待ち合わせまでの間は車で寝ていた。

そろそろ時間だから、以前に送って行った

山手幹線に停めて美佳を待った。


前から美佳が歩いてきた。

車から降りて、助手席のドアを開けた

(もう、暗いから誰もみてないだろう)


「美佳、お疲れ様」

「どうだった?忙しかった」


「うん、喋り過ぎて喉がカラカラだよ」


「よし、そしたら早くご飯に行こう」


車をとばして

(予約していた六甲山のレストランで食事をとった)


美味しく食事をしてから

お茶をのみ夜景をみていた。


無粋だが、気になるから聞いてみた

「今日は前に言ってたとおり、友だちん家って

 言ってるの?」


「うん、恵子ん家って言ってる」


「ふーん」

「恵子さんには言ってるの?」


「言ってないよ、大丈夫でしょ」


(内心、大丈夫かなと不安になった)

 後にその不安が的中する事になる


やっぱ六甲山は少し寒いね、遅いし

少しドライブしてからホテルに行こうか?


ホテルといっても、三連休で予約も

いっぱいだったので、裏六甲の

ファッションホテルで泊まろうと考えていた。


ただ、ファッションホテルも

どこも満室で、探してやっと入る事が出来た 。

すでに22時を回っていたのでそのまま、泊まりに


広くて綺麗な部屋が空いていたのでよかった。


「美佳シャワーするなら先にしてもいいよ、

 仕事で疲れているでしょう?」

 「温めてきてあげるよ」


「いいよ、もう少しお話しをしようよ」


そうだねといいながら、少し無言になり


肩をよせて、抱きよせて、頬をよせて

キスをしていた、そのままベッドへ

倒れ込み、口づけをしながら抱きしめていた。



その時、美佳のベルが鳴った。

何かいやな予感がした

聞こえないふりをしていたが、また鳴った。


美佳は無視していたが、私は何かを感じて

「ベル確認した方がいいよ」

「たぶん旦那さんでしょ」


「うん」と言って美佳はベルを見た。


「ちょっと返信するね」


そうして、部屋の電話でベルを返信したが

うまくいかなかった。

(今から思うと、たぶんアナログの機械式だから

 プッシュ信号が送れなかったんだと思う)

 ベルをちゃんと返す事が出来ていたなら

  また、違った事になってたかもしれない…


 何度やってもうまくいかない、けど

 旦那さんからのベルは何度も何度も鳴っていた 。


 このまま気づかなかった事にして

 無視した方が良い気がしたが…


 美佳が

 「怒っているから電話してみる」て言うので


 「それがいいよ、そうしたら」って


 「向こうに行ってるね」と

  ドアの向こうに行った、しばらくして戻り


 「どうだった?と聞くと」


 「すぐに帰って来いて言われた」


 「なぜ?どうしたの… 」


「恵子に電話したんだって

 そしたら今日の事は知らないって言ったて」


(そうだろうな~合わしてなかったんだからな)


「なぜ恵子さんに電話したんだろう?」


「最近、美佳が明るいから気になってた時に

 泊まりって言うから疑ってたんだって」

(感づくより、束縛したいだけのような気がした)



「ごめん、パパ送ってくれる?」


「わかったけど大丈夫か?帰って何もないか?」

(殴られたりしないかが心配だった)


「パパのことは言わないから安心して」


「そんな事より自分の事を考えないと…

 ほんと帰っても大丈夫か?」


「大丈夫…だと思う」


「そしたら、早く出よう」

(不安であまり乗り気ではなかったが)


フロントに連絡して出る事にした。

時間は夜中の1時をまわっていた


車を飛ばして美佳の家まで行った。


車のドアを開けるまえに、もう一度


「ずっと一緒にいてもいいんだよ」って言った


それでも美佳は「とにかく今日は帰る」

「ごめんなさい」と言って車を出た。


(この時、明日が来るのか不安だった)

 まさかの明日になる事も予想出来なかった。



戻ってきてもいいように

私はしばらく車を駐めて待っていた。

2時間は待っただろか、

もう戻ってこないだろうと思い 、心残りだが

車を出して帰る事にした。


----------------


自宅に着き、家に入ると、電話が鳴っていた。

切れるまで出ないでいると

留守番電話がたくさん入っている事に気づく


何度も何度も、みんな旦那からだった。



『俺の奥さんに何をしたんだ!電話に出ろ!』

 というような内容が何度も録音されていた。


そしてまた掛かってきた

出る気はなかったのでコードを抜いた

電話は鳴らないけれど、交換機部分が

ジリジリと小さく響いていた。


なぜ、番号を知っているんだろう?と考えたが

美佳に問い詰めたんなら美佳が余計に心配になった。



何度も何度もかけてきた、ジリジリ鳴っていた。


私が何もかも全て悪いのはわかっているが

理不尽なことを言われたような錯覚に陥っていた

冷静になれと自分に言い聞かせ受話器をとった。


「はい、もしもし」


『やっと出たか!』

「まだ、帰ってなかったので、すみません」

『何考えている』

『人の奥さんに手を出して、何歳だ』

(美佳は歳までは言ってなかったのか…)

『お前にも奥さんや子供もいるんだろう!

 どう説明するんだ!』

『どう責任とるんだ、、うちの美佳にたいして』

『どうせ、遊びだろう!』

返事をしないと、また聞いてきた

遊びだと思い込みたかったんだろう

『美佳をもてあそびやがって』

また

『どう責任をとるんだ』と捲し立てられた。

(当然の事だった、責任けじめはつけなければ

 いけないと思っていた)


『お前なんか、どうにでも出来るんだ』と

            次は脅しだった。


(旦那は私にどうして欲しいんだ?)


何も反抗、反論もせず私は、すみませんを

繰りかえしていた。


「すみませんでした」


『とにかく、明日朝8時に新神戸駅の 改札口

 あたりに来い』


『わかったか、来ないと〇翼の先輩が黙ってないぞ』

(また、脅しか?)


「はい、いきます、すみませんでした」


やっと電話が切れ落ち着いた。


美佳は本当に大丈夫だろうか?

それだけが心配だった


それと同時にもう美佳とは終わったんだと思った

悲しい気持でいっぱいだった、

短くも楽しい三か月だった。

不倫をした事への罪として自ら終わらすことは

とても辛かった…




それ以上に

新しい自分を存在させてくれた美佳に感謝していた。


もう…終わってしまうんだと




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