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おっさん、殺し屋少女と家族になる  作者: Atelier Lotus


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第24話 ゲームだから

 帰宅。


 玄関へ入るなり、玲はゲームソフトを掲げた。


「やるぞ」


「いや、その前に弁当の仕込みしたいんだけど」


「後だ」


「いや、明日の分が――」


「いいから準備しろ! 命令だ!」


「はいはい……」


 恒一はため息をつきながらテレビの前へ座る。


 ゲーム機を起動し、『ストリートコンバット』をセットする。


 タイトル画面が映し出された。


 玲はソワソワしながら待っている。


「早くしろ」


「急かすなって」


 やがて対戦画面が表示される。


「よし。じゃあ一回やるか」


「うむ」


 対戦開始。


 玲は必死にボタンを連打する。


「はぁぁぁっ!」


 しかし――


K.O.


「負けた」


 再戦。


K.O.


「また負けた」


 三戦目。


K.O.


「……」


 玲はコントローラーを握ったまま固まる。


「本当なら、お前なんて殺せる」


 恒一は苦笑した。


「ゲームだから」


「……」


「現実の強さは関係ない」


「むぅ……」


 玲は不満そうに頬を膨らませる。


「お前、ムカつく」


「褒め言葉か?」


「手加減しろ」


「分かった」


「でも、手加減したら殺す」


「どっちだよ」


 恒一は思わず吹き出した。


 玲も少しだけ口元を緩める。


「……ふふ」


「笑ったな」


「笑ってない」


「いや、笑った」


「笑ってない」


 二人はもう一度コントローラーを握る。


 勝っても。


 負けても。


 命を奪われることはない。


 悔しくても、笑って終われる。


 玲はこの日初めて――


 勝ち負けを楽しむ遊びというものを知った。

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