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おっさん、殺し屋少女と家族になる  作者: Atelier Lotus文庫


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SS 第4話 放課後

 放課後。


 帰ろうとした玲へ、ひよりが駆け寄ってきた。


「玲ちゃん!」


「今日このあと時間ある?」


「あるが」


「じゃあ、ミリタリーショップ行こう!」


 玲は一瞬だけ目を細めた。


(武器屋か)


 普通の女子高生が、武器屋へ誘う。


(普通の女の子は、武器の嗜みがあるのか……?)


 玲は隣を歩くひよりを観察する。


(……いや)


(歩き方)


(立ち方)


(視線の配り方)


(素人同然だ)


 暗殺者なら、もっと隙がない。


 それでも。


(いや、油断を誘っているだけかもしれない)


(私を殺すために送り込まれた刺客――)


「玲ちゃん?」


「さっきから何か考え事?」


「……いや」


 玲は小さく首を振った。


(考えすぎか)


 二人は駅前のショッピングモールへ入る。


 案内された先には、大きな看板があった。


『ミリタリーショップ』


 店内には、迷彩服やベスト、ゴーグル、エアガンが所狭しと並んでいる。


 玲は一丁の拳銃を手に取った。


「……軽い」


 スライドを引く。


「安全装置もある」


 マガジンを抜き、内部を確認する。


「なるほど」


 ひよりは目を丸くした。


「玲ちゃん、めちゃくちゃ詳しいね!」


 玲は何気なく頷く。


「……まあ」


(銃器は一通り習ったからな)


 もちろん、そんなことは口にしない。


 ひよりは楽しそうに店内を歩き回る。


「これ可愛い!」


「この迷彩柄好きなんだよね!」


 玲はその様子を見て、首を傾げた。


(……本物じゃないのか)


 改めて手にした拳銃を見る。


 引き金を引いても、弾は出ない。


 これは人を傷つけるための武器ではない。


 遊ぶための道具だった。


「サバゲーで使うんだよ!」


 ひよりが笑顔で説明する。


 玲は小さく頷いた。


「そうか」


(武器で遊ぶ文化もあるのか)


 普通の世界は。


 まだまだ、玲の知らないことで溢れていた。

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