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おっさん、殺し屋少女と家族になる  作者: Atelier Lotus文庫


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SS 第2話 自己紹介

 入学式を終えた玲は、教室へ案内された。


 教室には二十人ほどの生徒が集まっている。


 年齢も雰囲気も様々だった。


 制服姿の高校生らしい生徒。


 仕事帰りなのか私服姿の人。


 少し年上に見える人までいる。


(いろんな人がいるんだな)


 玲は静かに席へ着いた。


 やがて担任の教師が教壇へ立つ。


「それでは、一人ずつ自己紹介をお願いします」


(自己紹介……)


 玲は固まった。


(何を話せばいい)


(殺し屋だったことは駄目だ)


(好きなもの……武器の手入れも駄目だ)


 頭の中で必死に考える。


 そんなことをしているうちに、自分の番が回ってきた。


「朝霧さん、お願いします」


 玲はゆっくり立ち上がる。


 二十人ほどの視線が一斉に集まった。


(無理だ)


(お父さん、助けてくれ)


 心の中で助けを求める。


 もちろん返事はない。


 玲は小さく息を吸った。


「……朝霧玲です」


 一拍置く。


「よろしくお願いします」


 それだけだった。


 教室は静まり返る。


(失敗した)


 そう思った次の瞬間。


「よろしく!」


「よろしくね!」


「仲良くしよう!」


 あちこちから笑顔で声が飛んできた。


 誰も笑わない。


 誰も馬鹿にしない。


 ただ、普通に迎え入れてくれた。


 玲は少し目を丸くする。


(……これが)


(普通なのか)


 その温かさに戸惑いながらも、玲は小さく頭を下げた。


「……よろしく」

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