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その自慢話、全部超えてやる。〜誇示超越《ブラグ・トランセンド》〜  作者: 悪頭


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第2話 ギルドって分かりやすい

 


 ふんふんふふーんっと

 鼻歌を森の者達に披露しながら歩く。



 非常に気分が良い。



 さっきのモンスターは雷のオオカミだから名前はカミカミだな。

 うん、かわいい。可愛いよな?な!



 ハッハッハー!



 1人で脳内で話し、1人で脳内で笑っている。

 俺は、本来陽気な人間なのかもしれない。



 ん?なに?

 帰る家がないのに気付いて、なぜそんなに機嫌が良いのかだって?



 決まっている。



 アニメや漫画、小説もほとんど読まない俺だが知っている。



 これは、異世界転生ってやつだろう。

 さっきの現象も俺TUEEEってのに違いない。



 これで気分良くならずに何があると言うんだ。



「ねぇ、あんなに強いなら最初から助けてくれてもよくない?」



「金髪小娘が不満げに話しかけてくる」



「あのね、リルアって名前がちゃんとあるんだけど?」



 おっと失礼。

 俺とした事が。



 つい、口から出てしまったようだ。



「悪い、武器を持ってなかったもんでな。目の前に飛んできたから使わせてもらったという訳だ」



 俺ってこんな話し方だったかな?

 まぁ、いい。



「それに、そこの女の子を助けようと咄嗟に出たら出しゃばってきたのはそっちだろう」



 少し機嫌が悪そうな表情をする金髪小娘もといリルア



「はぁ……まぁ、そうかもね。実際、私は怪我してて魔力を使える状態じゃなかった。ありがとう」



 ほう、案外素直じゃないか。



「ねぇねぇ、びっくりしちゃっててお礼言うの遅くなっちゃったけどお兄ちゃんありがと。」



 この子はなんて素直なんだろう。

 素晴らしい、こんなに幼いのにお礼が言えるとはこの世界の未来は安泰だ。



「全然、大丈夫だよ。怪我はなかった?」



 赤ちゃんや小動物に話しかける様な口調で話す。



「うんっ!それに、怖かったけどお兄ちゃんがすっごくかっこよかった!あ、あとお姉ちゃんもありがと!」



「どういたしまして」



 にっこりと微笑みながら話している。

 俺と話した時との表情の差はなに?



「ところで、いまはどこに向かってるんだ?」



「はぁ?あんた聞いてなかったの?この子のこともあるから村に行くの!」



 そういえばそんな事を言っていたかもしれない。



「それに、あんたはあんたでギルドに行かなきゃでしょ?報告なしの魔物討伐は違法なんだから」



 え、ちょっと待ってそれは初耳だ。



「そ、そうなのか?」



「は?どういうこと?あんたもギルド所属の冒険者でしょ?常識でしょ」



 こんな異世界の常識を俺が知るはずもない。



「いや、俺は冒険者じゃない。そもそもギルドにも行った事ない」



「え……あんた嘘でしょ?」



「嘘じゃない。ってか、あんたアンタうるさいな!俺にもヒロトって名前があるんだよ!!」



 この、短い間に何回あんたって言いやがった!

 金髪ツンツン小娘め!!



「はいはい、ごめんね。ヒ・ロ・ト!」



「で、ギルドのことだけどそれなら余計に行くべき。ギルドで冒険者登録して順番が前後したことを謝ったほうがいい」



 嫌な言い方をしてくるが、一応これは親切心だろう。

 どうせ行く所もない、このまま行動を共にすることにしよう。



 だんだんと陽が落ちてくる。



「まだ、つかないのか?」



「もうすぐよ、ここの坂を下ったら私の住んでる村があるわ」



 辺りは、暗くなってきていたが確かに村が見えた。

 イメージしていた村とは違い、どちらかというと町に近い。



 10分ほど歩くと門の前に着いた。



「門番までいるのか、それに近くにきたら結構大きい門だな」



「ちゃんとした門じゃないとモンスターが入ってくるかもだし、盗賊とかそういう人達もいるからどこの村でも最近は大体あるわ」



 特に興味がある訳ではないが、門を見るのも初めてで威圧感に圧倒される。



「お、リルアじゃないか、もう討伐クエストは終わったのかい?」



 優しそうなおじさんが俺達に話しかけてくる。



「すぐに終わったわ。片手でも十分な相手だったわよ」



「そうか、ところでそちらさんは?」



 怪訝そうな顔で見てきたおじさんと目が合う。



「クエストは簡単だったんだけど途中でこの子が雷化した狼に襲われてて……」




「そして、この男の子が私とこの子を助けてくれたの」



 男の子……?

 なんでこんなに上から目線なんだ。



「危険がある様なやつじゃないから安心して、緊急だったとはいえ無許可で討伐しちゃったから一緒に報告しに行くの」



「そうか。それは大変だったね。報告が終わったらゆっくり休むんだよ」



 なかなか通れない流れか?と心配したが案外すんなり入れた。



 もしかして、金髪娘って金持ちの子?

 権力を持っているとかでないと、こんなすんなり受け入れてもらえなそうなんだけど。



 ギルドは門を潜るとすぐに見えた。

 これも初めて見たが、ここがギルドなんだろうと一目で分かる造りだ。



「おい、その子送り届けなくていいのか?」



「さっきヒロトがぼーっとしてる時に聞いたんだけど母親の帰りは遅いらしいの。だから、時間が来るまで一緒にいるわ。怖い思いもしただろうし」



 2人でずっと手を繋いで歩いていた時に話してたらしい。

 仲間外れですかそうですか。助けたのは俺だっていうのに。



 そうこうしているうちにギルド前に着き、年季が入った扉は耳障りな音を立ててゆっくりと開いた。



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