第31話 新しい仲間
俺たちはねぐらにしている河原に戻ることにした。境内からの帰り際に見たブライは茫然としていたが、もちろん完無視で放置ということで。
「ノブさん、やっぱり強かったすね」
「ランマだって頑張ったじゃないか、やっぱり俺の特訓がよかったんだな」
二匹とも身体に多少のダメージを負っていたが、すっきりとした顔をしてる。
「それにしてもヤスケってヤツ、意外と強かったな」
「だろ、だろ?」
え?
声がした後ろを見るとヤスケが付いてきている。
「なんでお前がいるんだよ!」
「俺も仲間なんだろ? 行く所がないんだから、一緒に連れてってくれよ」
今さら俺たちとやり合うつもりもなさそうだが、目を光らせておかないと何かしでかすかもしれない。仕方ない、連れていくことにしよう。
河原に行くと、トウキチが蹲って震えながらブツブツ呟いている。
「すまない、ランマ。ごめんよ、ごめんよ…」
「トウキチ、大丈夫だったか?」
「ひっ」
俺の声に驚いて振り向いたが、ランマの姿を見ると駆け寄ってきた。
「ランマ、大丈夫だったか。俺が不甲斐ないばかりに…怖かっただろ?」
ランマとトウキチが一緒にいるところへブライの手先が来た。トウキチに手を出すとキングに何かされるかもしれない。ランマだけを連れ去ろうとするのをトウキチが体を張って止めようとしたらしい。
「トウキチさん、必死に止めてくれたんだよ」
だが、何も見なかったことにしないともっとランマを痛めつけると言われ、トウキチはやむを得ずここを去ったという。その話を聞いて、ノブがトウキチの頭を軽くポンッと叩いた。
「トウキチ、立派だったじゃないか。弱いくせに…」
「だけどさ、オイラがもっと強かったらランマのこと守れたのに」
「無理無理! ランマがお前を守ることがあっても、逆はないって」
やっと笑顔が戻ったトウキチだったが、俺たちの後ろにいるヤスケを見つけた瞬間、顔が引きつった。
「ヤ、ヤ、ヤ、ヤスケ~ッ」
トウキチには境内での出来事を話し、とりあえず落ち着いてもらった。
「ってワケで、俺は今日からお前らの仲間だ、よろしくな!」
「おぅ! オイラはトウキチ。先輩だからトウキチさんって呼ぶように」
「ぁんっ??」
「ぇ.ぇ.ぇ トウキチでいいですぅ~」
ヤスケがいなくなり、取り巻きの猫は俺たちの強さを知った。
ブライ一派はもう壊滅だろう。
代わりに俺たちの仲間は着実に増えていく。




