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第18話 茶トラのランマ

俺たちが尻尾盗りで遊んでいると、負けても負けても果敢に挑戦してくる茶トラの子猫がいた。名前はランマ。


母猫は、ランマを産んですぐに不慮の事故で死んでしまった。一緒に産まれたきょうだいは、この町の猫たちが親代わりに面倒を見ていたが、この夏の暑さに耐えきれずに死んでしまった。父猫は流れ猫で、母猫の妊娠も知らずにここからいなくなったという。


そんな生い立ちのせいか少しひねくれたようなところがあり、町の猫たちは腫れ物に触るような扱いをしていた。



リュウタからそんな話を聞いて俺も様子を見ていたんだが、旅の話に強く興味を示し、尻尾盗りの強さを見たせいか、俺たちには素直に懐いてきた。


「ミー助さん、ノブさん、俺を一番弟子にしてくれよ」


いきなりそんなことを言い出したので、きっぱりと断った。俺は弟子なんてものを持つつもりはないし、そもそも師匠とか弟子とかいう前に、ランマはみんなの仲間にさえなりきっていない。ここは厳しいがはっきりと言ったほうがいい。


「ランマ、お前はみんなに甘えてないか?」

「甘える?」


「お前の生い立ちは聞いた。気の毒だとは思うが、ノラ猫なんてそんなもんだぞ。食い物がなかったり、野たれ死ぬなんてことはよくあることだ。そんなお前に、他の猫たちが優しくしてくれたり世話を焼いてくれるのは当たり前のことじゃない」


ランマは黙って俺の言うことを聞いている。


「お前は可哀そうな子猫じゃない。誇りを持って生きなければならない一匹のノラ猫なんだ。俺が会ったリュウガは最後の最後まで誇りを捨てなかった。みんなに頼るのはいいが、甘えちゃいけない。誇りを持って他の猫と対等に付き合ってみるんだ」


俺の言葉をどう受け止めたのかわからないが、ランマは黙ってその場を去って行った。




「ミー助、ランマに何を言ったんだ?」


数日後、リュウタが俺たちのところに来て言った。ランマに厳しいことを言ったが、あれから俺たちの前に姿を見せていない。


「あいつが何かやらかしたのか?」

「いや、そうじゃない。最近ランマの態度が一変してさ。みんなに愛想よくしたり困っている猫がいると助けたり。いきなり大人びたって感じさ」

「そうか、それなら良かったじゃないか」

「俺たちは、これからあいつにどう接すればいいと思う?」


簡単なことさ。ランマは可哀そうな子猫じゃない。一匹の(オス)として対等に付き合えばいいんじゃないか。


「そっか… あいつは俺たちの仲間だもんな。俺たちも態度を改めるよ」



なんだか人生(猫生?)相談みたいだ。ま、俺も茶々丸時代の寿命を足せば15年以上の時間を生きているんだから、年寄りの説教みたいになっても勘弁してくれ。




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