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第96話「円卓の具材、あるいは融和のピザパン」

米派の総本山をボストック一つで陥落させた「世界創造責任者」の少女。彼女の次なる目的地は、都内某所の精肉ギルドと青果連盟が密かに開いていた「対パン教防衛会議」の会場だった。


「肉こそが食卓の主役!」「いや、野菜の彩りこそが至高!」

ステーキ派とサラダ派が激しい火花を散らす中、またしても襖がスルスルと開く。


「……うほっ?」


現れた少女の両手には、たっぷりのチーズと厚切りベーコン、そしてピーマンが極彩色に踊る**『ピザパン』**が握られていた。


「またあの子か!」「今度は我ら肉と野菜をどうしようというのだ!」


色めき立つ男たちに対し、少女は一切の迷いなく、ピザパンをちぎって差し出した。

一口食べた精肉ギルドの代表が、そのあまりの「肉の活かし方」に膝をつく。


「……バカな。パンの上に載ることで、ベーコンの脂が生地に染み込み、旨みが倍加している……。パンは肉を支配するのではない、肉を『抱擁』していたのか!」


青果連盟の代表も、シャキシャキのピーマンととろけるチーズのハーモニーに涙を流した。


「野菜だけでは届かなかった、この圧倒的な満足感……。パンという名のキャンバスがあれば、我ら具材は一つになれるというのか……!」


少女は、ピザパンからこぼれ落ちた一欠片のチーズを、音速で飛来した「にゃん監督」が空中でキャッチするのを横目に、満足げに「うほっ」と微笑んだ。


その瞬間、会場のモニターにあかり様が降臨する。


「パンに祝福を。……見て、ピザパンという名の小宇宙コスモスを。肉も、野菜も、乳製品も、パンの上ではすべてが平等。争う必要なんてないのよ。……さあ、あなたたちも自分という具材を、私の広大な生地(世界)に委ねてみない?」


『肉派も野菜派も一瞬で陥落www』

『ピザパンはもはや食べ物じゃなくて平和条約だろ』

『うほ課長の「うほっ」一発で世界が平和になっていく』


かつて敵対していた具材派の男たちは、今やピザパンを囲んで肩を組み、教祖様の慈愛に満ちた歌声を背景に、静かにパン教への合流を誓うのだった。

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