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オイナカムイ伝  作者: 日川文月
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第82話 解放軍凱旋

皇紀2253文禄6年(西暦1593年)春。

後事を任せ、旗艦高砂は4隻の重巡洋艦、12隻の補給艦を伴い、堺に帰還した。

乗員は検疫で隔離を受け、報告書書きにいそしんだ。


「ふわ~飽きたし、ちょうど良いんとちゃう?」

「そうだな・・・子供達は大きくなったかな」

「勘九郎は側女を置いてるの?」

「う~~一人だけ」

「へ~~」

「庶民も、貧乏人の子だくさんは必要ないだろうな」

「うん、少なく産んで大きく育つがいいよね」


「戸籍のまとめでは、おなごの方が多いのだ・・・後家が多いからな」

「そういうことか」

「公家や武家のおなごは、医者や教師を目指すものが多いと聞いている」

「庶民では料理人も多いらしいよ」

「ああ、そうだな」


(意外なことに戦国期は女性の地位が高く、男尊女卑の風潮は目立たない。

男女の身体的にも前世と余り変わず、慶治朗のような6尺を越える男も多い。

そういえば、慶治朗と五右衛門はワイハがお気に入りで、パンツ一丁で海岸を走り回ってたな~)


「ひとまず、貴丸のやりたかったことはかなったかな?」

「うん、おかげだな」

「少しゆっくりして子作りに励め。

まだ新婚だったのに4年余り離れていてはのう」

「まあね」


「おくつろぎの所、申し訳ありませぬが、そろそろお支度を」

「またあれか~」

「凱旋式はせねばなるまい。

勝利を民衆にも伝えねばな」

「う~ん、鎧は着なくて良い?」

「いいけど、父上が怒るぞ」

「うううう」


ーーーーーーーーーー


「お~京阪線が複線になってるの~」

「貨物量が多いのですよ、今日は貸し切りでござる」

「うむ」


今回の帰国は3大隊、一足先に大西洋側から順次入れ替わりの5大隊に引き継いだ8大隊がすでに帰国している。

総大将の正式な凱旋式はけじめだ。

京都駅前広場で集合、2軍楽隊に別れ出発、群衆に手を振りながら行進する。


「馴れんわ、はずい」

「いやはや、京の都は少し見ない間に変わるわ」

「そんなわけ・・・ほんまや~」

「朱雀大路が公園みたいになっとるわ~」

「左側通行かいな」

「ほら、家も増えとるよ、看板も多いの~」


朱雀門前の特設舞台、加冠正装の公家武家が椅子に座り、国旗・錦旗が立ち並ぶ。

正面奥1段高い皇壇に、天皇陛下、上皇陛下が微笑んでおられた。

舞台に上がった総大将の勘九郎と、一歩下がって副大将三七が、かしずいた。


「総大将、織田左近衛中将、報告せよ」

「は!イスパニアの圧政に苦しむアステカ、インカ、およびカリブ周辺地域の開放を果たし、先住民の2国を樹立してござる、後ろの旗は右がアステカ改めメヒコ共和国、左がインカ民国(・・)の国旗となり申す!」

「あっぱれ、大義であった!」

「「はは~~~~」」


天皇陛下の御言葉に全軍人が敬礼、捧げ筒で喜びを表したのだった。

幹部は大内裏へ、軍団はUターンして再び朱雀大路をパレードだ。

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