第81話 エリザベス1世
「なんですって」
「日本皇国と通商条約を結ぶと、さる筋から知らせがありました」
「フェリペの植民地を潰したのでしょ」
「ですが、うまくまるめこんだようです」
「逆じゃ無いの、まだまだ搾り取れるはずよ」
「日本皇国は植民地にしないと言うことで、健全な貿易関係をと」
「そんなの信じられるわけが無い」
「え、ええ」
「ローマはどう言ってるの?」
「それが・・・沈黙で」
「こんなことを言わせといて、黙ってるなんてどうかしてる」
「イエズス会への非難が多いようです」
「・・・そうか、そうね、現法王はそうね」
「あの・・・われわれのほうも」
「海賊とのことに証拠など無いでしょう」
「ドレーク卿が捕まっておるようで」
「あ、あの、役立たずが、殺せ!」
「は!はい、努力致します」
「むむむ」
ヨーロッパ各国に、イスパニア(ポルトガル)、ローマ法王、イングランドに対する日本皇国からの詰問状が公開された。
それとともに、日本皇国との通商条約締結に応じるとの勧誘もあった。
「コレを認めたら世界のほとんどが日本皇国の支配下になるではないか」
「これほどまでとは・・・まだ発見されていない・・・」
「カリブ諸国も新発見などと言うが、無知な南蛮人の戯言と言われておる」
「しかし、まだ」
「地図じゃ、こんな正確な地図は測量無しには書けないでは無いか」
「ほ、本当なら」
「原住民には、肌白きものにだまされるなと伝えてあるとな、頭が痛いこと」
「他国と善後策を」
「フランスやネーデルランドか、ドイツやオーストリア・・・」
「ロシアやポーランドは」
「あんな田舎者に・・・ええい、なにをやっておる、異民族どもが・・・」
「は、はあ」
ヒステリーを起こした女帝に宰相は口をつぐむしか無かった。
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ローマ法王に面会した極東の将軍は、賠償金の代わりに失われかねない禁書やリストに載った天才達を受け入れることで合意、軍船を引き上げたのだった。
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そして、イングランドの港に迫る。
イングランドの軍船は息を潜めるしか無かった。
エリザベス女王は上機嫌で拝謁を受け入れ、親書と贈り物を受け取ったのだった。
お返しの品々も用意されていた。
「条約に関しては正式な使節が伺います」
「そう、大西洋の艦隊は?」
「まだ海賊の掃討が終わってませぬのでしばらくは哨戒致す所存。
そちらの言う新大陸の保護を致す。
あ、それからアフリカとインドに、どうやら不穏な者どもがおるようで・・・」
「そうですか、それは大変良いことですね」
「そうおっしゃっていただけると張り合いがございます」
「ち!」
「は?」
「いいえ、おホホホ」
日本皇国は国是により各国を尊重し、解放軍はヨーロッパから去った。
その後、各国はあい争うものの、身内の小競り合いで終始して、過激な大戦争は起こらないようになっていった。




