第83話 余裕のヌルハッちゃん
「・・・でな、来ているんだ」
「は?誰?」
「マンジュ・ハン国のハン殿がな」
「「「え~~~」」」
「西鴻臚館に滞在してるのだ」
鴻臚館は前世で言うところの迎賓館、平安京の頃は主に渤海使を迎賓していた。
マンジュ・ハン国の版図は、ほぼ渤海国と重なる。
復活した鴻臚館の初めての迎賓というのも因縁めいている。
特使のやりとりをして、相互国家承認、通商友好条約を締結、国交樹立してからのお忍び訪問だということだった。
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「おお~ケイジドノ、ゴエモンドノ、タカマル~~」
「すげえ、立派な服じゃないか」
「みちがえたで」
「オレは呼び捨てか」
貴丸にとってはかれこれ13年ぶりの再会になる。
ヌルハチは金糸銀糸の昇り竜の刺繍の入った赤絹の満州服とおしゃれだ。
「辮髪はやめたんか?」
「部族毎に区別するための方便だから、統一したら別にこだわることはない」
「「「なるほど~」」」
「おいおい、紹介してくれ」
「あ、すまんすまん、ヌルハチ、勘九郎は三郎様の嫡男じゃ」
「おお~お主の父上に会いオレは感激で震えたぞ、よろしく頼む」
「こちらこそ、なるほど、聞きしに勝る武人ぞ」
「お主こそ・・・はるか大海を越え、同胞の危難を救いに行くとはあっぱれだ。
話を聞かせてくれ」
マンジュ・ハン国の大使や武将、留学生も加わり豪華な晩餐になった。
「・・・見ると聞くとでは全く違う、実際、鉄道にも乗ってぶったまげたぞ」
「うむ、儂も最初の時は夢かと思ったのう」
「明の帝も紫禁城に引きこもってないで見に来れば良いのだ。
まあ、足下も見られず、宦官の跋扈を許し民を苦しめておるがな」
「ふうむ、明を攻めれば落ちように」
「勝手に落ちるわ、それより国力増進じゃ、エンスイセン・セイジョウウエは三南地方で行い素晴らしい成果を上げ、民を喜ばせておるのだ」
「ほう」
「かような技術を見返りもなくいただけるとはまったく、貴国は太っ腹じゃ。
長期・短期留学生も受け入れていただき感謝する」
「なに、すぐにわかること、それに、貴丸から教わったことだ」
「・・・そうなのか?」
「ん?なになに?」
「このボケ顔の何処に知恵があるのだろう」
「「「「ブハハハ」」」」
「なんか、酷い言われようやな~~。
わい、早う帰りたかったんに、久しぶりやから付き合ったんに~」
(ヌルハッちゃんめが、まあ、国をまとめ、モンゴル・ハン国、ウイグル・ハン国とも国交を樹立して明国への備えを固めるとは、政治家としてもやるもんやな。
まったく、余裕のヌルハッちゃんやな~)
「この唐揚げも、最近ではラーメンだな、大陸では食されておるのだろう?」
「いや、初めて食べるが、旨いものだ、この唐揚げはやみつきになる」
(しまった~)
慶治と五右衛門、勘九郎がジト目になっている。
「ま、まあ、旨ければなんでもいいじゃん」
「「「ま、貴丸だからな」」」




