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オイナカムイ伝  作者: 日川文月
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第75話 奴隷商船の行く末

「で、で、でた、噂のブラックデビルシップだ~~~」

「面舵・・・」

「む、ムリだ、見ろ、向かい風なのに帆を下ろして走ってくる」

「ど、どうなってるんだ~~」


奴隷商船団を拿捕し制圧、武装解除して臨検、船底に閉じ込められ弱っていた黒人奴隷達を介抱、落ち着いてから出身地を聞き出し、どうするか希望を聞いた。

奴隷商にどこで買ったかも聞き出した。

悪いのは奴隷商だけで無く、アフリカ人王国は奴隷貿易で潤った。

売られた人々は元々、奴隷、戦争捕虜、属国からの貢物となった人々、債務奴隷、犯罪者などだった。

コンゴでは奴隷狩りを目的とする遠征も頻繁に行われたらしい。

ラゴスはポルトガル商人が買っている。


「我が日本皇国や同盟国では奴隷の売買は禁止、刑罰は死刑だ」

「そ、そんな・・・」

「非はあきらかだが、奴隷を売る方も悪い。

お主達はまだまともなほうだから、今回は見逃す。

名前は控えたよって、購入代金も戻そう。

赤字とならぬよう色もつけるわ」

「で、では・・・」

「この者達は帰ってもまた売られると聞いた。

身分解放し入植者として別の開拓地に送ることとする。

この商売はすぐに成り立たなくなる。

まっとうな貿易船として活動することを薦める」


「しかし・・・この船ではインドまでは難しくて」

「キューバだったら良いか?」

「しかしあそこは・・・」

「もうすぐイスパニアから解放し共和国となる予定だ。

イスパニューラもな。

海賊どもは駆逐する」

「へ?」


「この書類を持っていけ、どうせお主らも雇われだろう?」

「まあ、そうですけど」

「船主と相談せよ、もし奴隷商を続けるなら次は無いぞ」

「わ、わかりました」

「仲間にも伝えよ、奴隷商はやめた方が良いと」

「は、はい!」


殺されることを覚悟した船員達は泣いて喜んだ。

黒人達は別の船に移乗、奴隷商船団は対価の銀貨が渡され、武器を戻され食料や水まで貰った。


「これは?」

「乾燥果物だよ、毎日食べてたら壊血病にならないぞ」

「え、本当ですか」

「具合が悪い奴もいるだろ、お前らの食事は偏りすぎだ。

シャボンもやるから体を洗って清潔にしろ」

「は、はい、お礼申し上げます」

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