第74話 インカ復興
守備隊1大隊と文官達を残して、クスコへ進軍。
「敵兵力はおよそ1000、騎兵は30で、現地奴隷の輜重隊が500。
大砲を引っ張っておる」
「それは大変だ、こんな山道でか」
「我が方は2つに分かれ、2大隊は船でここから上陸せよ。
奴らはアヤクチョでも兵を募るだろうから出発3日後に攻め落とすべし。
武装解除し捕虜を閉じ込めたら中隊1を残し、後を追い挟み撃ちにしてくれよう」
「町を制覇しながらだと、ワンカベリカは厄介では?」
「なんのことはないぞ、アヤクチョとの街道の途中で挟み撃ちになるだろうの」
「ハハハ、さすが、左近衛中将様の作戦だ。
付け加えることはござらぬ」
「さっそく出発いたそう」
望遠鏡を持つ偵察部隊は完璧、作戦通りに推移した。
降伏勧告を無視したイスパニア兵と戦闘になったが、結局は降参し、こちらは多少の怪我だけで、イスパニアは負傷者も含め捕虜1500余人、死者100余人は姓名を控え遺品を回収、埋葬した。
解放した奴隷達から希望者に武器を与えて訓練し、インカ共和国親衛隊とした。
各町で鹵獲した外国人は手荷物だけを持たせ、リマに護送して収容した。
アヤクチョから進軍し、クスコの守備兵と戦闘になったが、これもすぐに降伏となったのだった。
「馬が50頭ほど手に入りましたな」
「驢馬の方がよほど役に立つだろう、現地人は足腰が強いな」
「結構な高地やわ~
キツいわ」
自走車は狭い急な道では動かせず、猫車に大砲だけ載せ替えたが、結局使わなかったのでなおがっかりだ。
「失礼します。
インカ帝国皇帝の子孫が生きていたようですが・・・」
「お、そうか、会おう」
噂を聞きつけて出てきたファナ・ピルコワコとその部下5名を迎え面会した。
『父皇帝トゥパク・アマルは激しい拷問ののち、クスコで斬首され、彼女は匿われてマチュピチュに辿り着き育ったそうだ』
「それは、苦労したのう、皇帝の証となるものはお持ちか?」
『皇帝の矛と指輪があるそうだ』
「それでよい、儂は日本皇国天皇陛下より全権を授かる解放軍の将軍じゃ。
インカ帝国を簒奪したイスパニア人の罪状は明らかである。
インカ帝国の再興となろう」
『ありがたいことと言ってる』
「もう一点、イスパニア人がもたらした疫病は予防と治療が可能だ。
リマを制圧後、病院を決めて病人を治療、人民には予防薬を投与する」
『多くの民が死んだそうです』
「皇紀2249年9月9日。
ペルー副王領の滅亡とインカ帝国再興を宣言しよう」
ファナ・ピルコワコと老人達は涙を浮かべてかしずき喜びに咽んだ。
『インカは民主国として再興致したいとのことです』
「であるか、良き覚悟じゃ」
しかし、イスパニアの占領に馴れた若者は戸惑いが多いようだ。
今後時間をかけて国体を制定することが求められる。
キリスト教化からの脱却と自国語の回復は、まだ間に合う。
全面的に日本皇国がバックアップする。
教会の十字架を下ろして学校として使うことにした。
別働の部隊がトゥンベスを制圧、捕虜をリマに集め、聞き取り調査を続けた。
メヒコと同様、住民聞き取り調査で一般入植者に説明した。
もし今後設立される国の一国民として生きていくなら裁判後に財産を返還。
帰国希望なら便宜を図るということだ。
為政者や宗教関係者はまとめてメヒコに送還した。




