表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オイナカムイ伝  作者: 日川文月
88/100

第73話 リマ

艦隊を再編、カリブ海側はメキシコ湾を制圧する部隊、カリブ海を哨戒する部隊、フロリダ上陸部隊と別れた。

太平洋側はカルフォルニアあたりまで哨戒し、外国船は拿捕する。

日本皇国に連絡する高速艇編隊、物資補給船団は、文官数百名を乗せて1ヶ月後に戻ってきた。


住民聞き取り調査で一般入植者を勧誘した。

もし今後設立される共和国の支配者層ではなく一国民として生きていくなら裁判後に財産を返還、帰国希望なら便宜を図るということだ。

先住民はとにかく数が減りすぎて国力を保てない。

教養があって高潔な人なら共和国の設立にも携わって欲しい。

すでに多くの混血人が生活している。


漁船ぐらいしかいなかったリマの港に制圧部隊が碇を下ろし上陸すると、住民は驚いて逃げ去った。

5大隊二千五百人がリマ城塞を尻目に野営すると、翌日、突然現れた軍隊に驚愕したリマ城塞から特使が訪問した。


「野蛮人ども、何事だ!」

「いきなり強気な発言だな。

礼儀もわきまえぬとは度しがたい」

「なんだと」

「ほれ、読めるかな、宣戦布告状じゃ。

我らはコンキスタドールからの解放者・リベランティオじゃ。

降伏せよ」

「な、なにをいうか、無体な」

「イスパニア人のほうが無体である。

降伏せねば、明朝開戦とする」

「むむむ!!」


翌日、戦車の大砲5発で脅かしたらすぐに降伏となった。

200名の守備兵・義勇兵を武装解除、城塞を捕虜収容所とした。

現地人のほとんどが奴隷で城塞外の粗末な家屋で暮らしていたので問題は無く、すぐに予防接種と治療が行われ、食糧も援助した。


「我が日本皇国では痘瘡の予防法確立しておるからのう。

住民に布告せよ。

イスパニア人の財産は没収、住民の聞き取り調査で罪を記録し、裁判を行う」


文官達の聞き取り調査(尋問とも言う)が始まった。


「責任者と教会の坊主が面会です」

「うむ」

目の下にクマができている2人、お辞儀して勧められた床几に座った。

「お茶をどうぞ」

「あ、はい・・・緑?」

「日本皇国特産の茶ですよ、紅茶とはまた味わいが違い甘い」

「はあ・・・」


二人は信忠と貴丸が飲んでから口をつけて、味わいにびっくりしたようだ。

ちなみに、通訳は貴丸だ。


「早速ですが、国外退去と言いましても・・・」

「船で送るゆえ心配するな。

このあとクスコに進軍する。

お主らは馬を持ち込んでおるから伝令を走らせておるであろう。

イスパニア軍が向かってくれば手間が無くて良いが・・・。

首都クスコを解放し、インカの国を設立する。

退去外国人はリマに集めさせ、いったんメヒコに送る。

すでに解放しておるからの」


「な、なんと」

「ヌエバ・エスパーニャ副王は?」

「刑務所じゃ、そちらも仲間がいて嬉しかろう」

「そ・・・そんな」

「今後、コンキスタドールは全滅にし罪を明らかにする。

フェリペ2世とローマ教皇には賠償請求させるわ」


「戦争をするおつもりですか」

「そうなってもよいが、我らは信のおける国家と交易を行うことは望んでおる。

イングランドとネーデルランドはまだよいか・・・奴隷商や海賊は許さんが」

「・・・信のおける国家とはなんでしょうか」

「一言で言えば、現地人の主権を認め、奴隷の売買を禁止している国だ。

殺し奪う汝らのやりようには主キリストが何というか聞いてみたいものだのう」

「「ク!」」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ