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オイナカムイ伝  作者: 日川文月
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第72話 テノチティトラン

「何事だ!」

「副王様、軍隊に囲まれております。おそらく・・・」

「日本皇国とか、誤報では無いのか」

「すでに我が港はすべて制圧されております。事実であります」

「そ、そんな・・・」

「降伏せよと、我がほうの銃は効かぬようでございます」

「ありえん、降伏などありえんぞ!」


ヒュルヒュルヒュル・ズドドドーン


宮殿の塔に大砲が命中、ものすごい音で爆散した。


「な、なんだ!」

「恐ろしい兵器を持っております。

外から打ち込んできたのでしょう」


イスパニア守備隊は戦闘になったがまるで歯が立たない。

刺股で押さえられて縛り上げられていた。


「ええい、大砲を撃て」

「は!」


イスパニアの大砲は射程が足りず手前に、ポトン、ゴロゴロ。

ギャグのようにかわされ、お返しの砲撃数発で沈黙した。


「・・・白旗を揚げよ」

「ですよね~」


兵士は武装解除され、都市は制圧された。

宮殿から副王と幹部、大聖堂から司祭達がカサス広場に集められた。

武装解除された兵士は縛り上げられて転がっている。


「このような無道は許せん、我を誰だと思ってる」

「アルバロ・マンリケ・デ・スニガと聞いている。

そちらは異端審問官かな」

「ペドロ・モヤ・デ・コントレラスだ」

「我々はコンキスタドールからの解放者・リベランティオじゃ」

「「なんだと!」」

「1521年エルナン・コルテスによるアステカ帝国征服から68年。

イスパニアは一貫として罪無き民に宗教を押しつけている。

犯し殺し奪って苦しめてきた。

お前らが持ち込んだ疫病で何千万もの屍を築いてきたな。

調査をしてフェリペ2世に賠償請求してくれようぞ」


「そ、そんな、無体な」

「病院はあるかな、黒死病はノミダニ退治とネズミ退治で予防する。

風疹は衛生管理でなんとかなるが、死亡率の高い痘瘡は種痘を行って予防するぞ」

「ど、どういうことでございますか」

「我が日本皇国では痘瘡の予防法確立しておるからのう。

住民に布告せよ。

あと、イスパニア人の財産は没収する。

住民の聞き取り調査で罪を記録し、裁判を行う」

「ど、どのような・・・権限で」

「申し遅れたが、日本皇国解放軍総司令官、従三位織田左近衛中将である」


イスパニア通詞が通訳、貴丸は感心した。


(すごいなあ、上手く翻訳するもんだ)


「メヒコの次はペルーまで解放していくからそのつもりで。

あ、ルソンのほうは解放済みだぞ」

「な、なんと言われた」

「すでに、我が皇国の援助でルソン共和国が設立されておる」

「・・・そういうことだったのか」

「まあ、ちょうど良い刑務所があるようだからのう。

飢えはしないようにするぞ」


イスパニア人達は真っ青になっていた。

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