第62話 北方遠征軍帰還
皇紀2245天正13年(1585年)秋。
北方遠征軍は堺の軍港に帰還した。
多数の報告書や決算書類など、とりまとめが大変だろう。
成果報告には一緒に来るよう、貴丸も太政府に呼びつけられた。
「お~チョロ髭が生えてるやないか、下もぼうぼうやろ」
「なんかな~やっぱ、下品やな~」
総大将の羽柴秀吉、幹部達、軍監の森長可もみんな元気だ。
「堺から京への道も変わっとるし、京もいかい変わっててびっくりしたわ」
「ふふふ、賑わっておるだろ」
「はいな」
「羽柴殿、近江に早く戻りたいだろうが、今しばらく留まってくれ。
主上への拝謁が予定されておる」
「は!勘九郎様、謹んで」
翌年からは進入路をかえた7度の小競り合い、防衛網がしっかり働いて事なきを得ることができ、軍隊の練度も十分と判断、国民も増えているそうだ。
街道整備も順調とのことで、帰りの旅は2ヶ月程度で済んだらしい。
「くれぐれも攻め込まないように釘を刺しておいたやろな」
「まあな」
「てか、うちの大将が・・・」
「猿!」
「ひい、やってまへん、ゆるしたって~」
「ロシアはしつこいよってな。
昔、ポーランド・リトアニア共和国に攻められモスクワを奪われても、取り返して倍返ししたさかいな。
つきあいきれんわ」
「シビル・ハン国もさらなる国力増進を目指しており、めったなことはない」
「ブリヤート共和国もだ、国として成立するのに時間はかかるだろうて」
「とにかく、交易でお互いの国力を高めていくのが方針やな」
「であるな」
「マンジュ族もなかなかまとまらないようやが、いろいろやっとるで」
(史実の後金成立まではまだまだだけど・・・)
「朝鮮がらみでなんかもめとるらしいわ」
「遼東総兵の李成梁と李王朝との間で朝貢を巡って賄賂がどうのこうのらしいで」
「海西女真と建州マンジュ族に懲罰軍を編成させたようや」
「元々は女真族の土地に明が勝手に王朝を建てたらしいわ」
「いいがかりやないか?」
(ヌルハチ、あくどいわ~)
「まあ、傍観だな。
南方遠征軍が倭寇の拠点を潰して台湾を制圧した。
しかし、大陸の拠点に関しては明から苦情が来ている。
すみやかに返還せよとのことだ」
「明が見て見ぬ振りというか、倭寇が役人を買収していたのやろ」
「であるな」
「上様、我らはこの後?」
「うむ、いよいよアステカ・インカの解放軍を編成する。はげめよ」
「「「「「は!」」」」」
その時は、朝鮮情勢が急激に動いているのをみんな知らない。
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ヨーロッパではアジア南方からの連絡が途絶えて問題になっていた。
しかし、各国はお互いの疑心暗鬼もあって、実は日本にしてやられていることには気がついてなかった。
カリブ海沿岸地域や大西洋ではイングランド海賊がイスパニア王室の収入に甚大な打撃を与え、大西洋奴隷貿易も各国が海賊行為で妨害しあっている。
イスパニアとイングランドとの関係は宗教問題や、イングランドのネーデルランドへの介入によっても悪化している。
イスパニア王フェリペ2世が激怒、1585年に英西戦争が勃発。
史実では1588年にはアルマダの海戦が起こるはずだ。




