第52話 シベリア防衛戦(1)
天正10年(1582年)春。
モスクワ大公国・イヴァン4世からカマ川流域植民地化の許可を得ていた裕福な商人ストロガノフ家は、シビル・ハン国への侵略を提案したイェルマークに、重武装した数百名のコサック歩兵を与えた。
侵略軍は、ストロガノフ家の居城オリョール・ゴロドクを出発、山々を超えて、チュメニの古都チンギ・トゥラに迫った。
「なぜだ、城壁が修復されておる」
「蹂躙して拠点にする予定が狂いましたね。
いかがします?」
「・・・行軍の疲れを癒やしたいが・・・嫌な予感がする。
昨夜の野営地に下がり偵察をしよう」
「「は!」」
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「偵察隊の知らせでは本日辺りと考えていたのじゃが」
「ふむ、敵も然る者か・・・」
「コサック傭兵部隊はさほどに?」
「戦慣れしておるようだ。
一筋縄ではいかんのう」
「どうすんのや、せっかく住民も避難させて待ち伏せしてたんに」
「騒ぐな小童、わしにまかせい」
「う!」
(秀吉・・・別人かよ、こえ~~~)
「大将、五右衛門が戻ってきましたぜ」
「おう、まずは状況確認じゃい」
「・・・敵は近くまで来とったが、高台から見て戻っていきよった。
場所は、この辺や、昨日野営していた地点やな。
敵は500、鉄砲は100丁ぐらいやがな。
防具は南蛮鎧兜でごっつう頑丈そうやし、長槍兵が主体や。
爆薬の用意もしとるで。
今夜は休息をとって、明日やろか」
「城壁の具合で感づいたかな」
「そうでござろうな・・・」
「向こうの偵察部隊は?」
「見はらせとるわ」
「今宵、騒ぐのは禁止、灯火を普段の1/10まで落とし、哨戒も無しとする」
「さすがは半兵衛じゃ」
「羽柴殿、どういう理由なのだ?」
「クチュム・ハン殿、相手を油断させ申す。
こちらの総数を秘し、夜襲をかけさせ、一網打尽じゃ」
「「「なるほど」」」
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「油断して寝静まっているようだな」
「哨戒の兵も出さずとは、恐れることも無かったか」
「火縄を用意せよ、爆薬で門を壊したら突撃だ。
女子供でも容赦するな」
「「「「「「「「おおおおおお~~~~~」」」」」」」」
「バカ、し~~~」
「「「「す、すません」」」」
予期していた夜襲、わざと哨戒せずに罠を張った。
ドカンドカンドカン
「あ、あるえええ!?」
「丈夫に作りすぎたか、おい、門扉を引っ張って開けろ」
「「「「は!」」」」
夜襲なので相手もよく見えていない。
たいまつを灯した敵が近寄って確かめ、門が吹き飛んだと勘違いしたようだ。
「突撃!!」
「「「「「「「「おおおおおお~~~~~」」」」」」」」




