第51話 南洋派遣(2)
落ち着いた段階で、南方への探検隊が編制された。
隊長副隊長は、第2陣総大将の織田信包と副将織田有楽斎の兄弟、参謀の井伊直政と真田源三郎信之、軍監は滝川一益。
文部省の文官も100人加わっていて、探検の主力と期待されていた。
地図で経路をあらかじめ決めている。
長期航海を見据え巡洋艦5隻に定期的に補給艦が往復する体制だ。
ルソン諸島の南西にマレー半島・ジャワ・ブルネイ諸島、南東にパプア諸島、その南に大陸と島がある。
古くから交流があり通訳がいないこともないので、聞き取り調査で多数を雇って同行させた。
島々の名前や地形はできるだけ現地人の聞き取りから採用した。
原住民達は日本人が自分たちに近いと直感し、親しい関係が築けた。
種痘は病よけのまじない、お近づきの印として受け止められた。
白い肌の人間は野蛮人なので来たら逃げ、マニラの日本皇国軍に知らせるように伝え、部族長には、日本皇国旗と国書(保護証)を布や糸、縫い針、漁具漁網、陶器皿や容器などのお土産と一緒に手渡した。
「似ていながらも言葉が違ったり、なかなか把握しきれないのう」
「記録がこんなに、この調査は詳しくやろうとすれば数十年がかりになるな」
「ですな~」
「動植物も見たことの無いようなものばかりやで」
「気をつけんとな」
「ああ、油断できんわ」
大陸に到達、時計回りにぐるっと回り、周辺の島にも上陸した。
大陸中央部は環境が厳しく、集落は少ない。
多くの種族が川そばの海岸に集落を作っている。
望遠鏡で発見したらいちいち接触する。
種痘も行い、時間が掛かる聞き取り調査も、数隻毎に手分けをして効率的に探検していった。
「この地図がほぼほぼ正確なのは不思議だのう」
「この大陸のへそのような場所は、何処の集落でも神聖視されてるようやんな」
1年で外周をひと廻り、有力数十種族となんとか意思の疎通が出来た。
「また戻ったら、その場所で儀式をしたいのだが」
『よかろう、待っている』
原住民達は何かを感じ取ったようだった。
なんとなく、わかったのだった。




