第47話 御前会議(1)
「徳川殿も追い出された口かのう」
「うむ、臣どもめが邪魔じゃと・・・家督を三郎に譲ったのよ」
「儂もじゃ、戦のようには役にたたんなどと酷いわ」
「ほんに酷いのう」
「「ハハハ」」
戦いの日々から解放され、参議上席に祭り上げられた徳川家康と上杉謙信は苦笑いだ。
「おうおう、仲良うに、なんの話でごじゃるかな」
「されば・・・」
朝廷のため戦国の世を駆け回った近衛前久も、肩の荷を降ろし元老に就任。
悠々自適だ。
同僚は前関白の九条兼孝。
地方へ下向していた公家達も戻り、実情からかけ離れた体制も改められ、役職を振り分けられている。
行政トップである太政府・太政大臣・織田信長の補佐として4院が定められた。
人事院は役職任命の事務機関で太政大臣の雑用もこなす。
元老院は今まで朝廷を支えてきた序列上位の公家から、参議院は武家上位から選ばれ、諮問機関の役割を果たす。
州議院は、各州からの要望を集め、政府からの要望も伝える。
集税からの国庫納付も命ぜられる。
太政官の下に実務八省(宮内、大蔵、内務、外務、文部、軍務、農務、産務)がおかれ各大臣が統括する。
大蔵省では皇国府・都州府の予算決算の査定など運営成立のため重要な役所だ。
立法は、立法府・右大臣が統括。
司法は、司法府・左大臣が統括。
今回は御前会議、第106代正親町天皇と信長が会議室に到着した。
みな椅子から立ち上がり、作法通りの立礼をした。
「苦しゅうない、みな着席するように」
「「「「は!」」」」
「大義じゃ、かつては御簾の裏に朕ひとりでおじゃったが、みなの顔を見ながら聞き話すは嬉しい」
「仰せである。
御前でござるが忌憚なくお話しせよ」
「「「「は!」」」」
紫宸殿の小会議室は洋風で大テーブルの左右に12席ずつ、奥中央のひときわ豪華な御椅子に天皇陛下がちょこんと座っている。
壁に国旗がどど~んと飾られ、アイヌ民国旗も小さく横に飾られていた。
床のペルシア絨毯、欅の腰板、白漆喰の壁、檜の格子天井と、趣味が良い。
「まずは、天文寮から、暦の提案でござる。
複雑な太陰太陽暦を改め、太陽暦を採用すべしとのことでござる」
「「は?」」
「そ、それは」
「そもそも、天照大神の降臨せしこの日本皇国である。
太陽の動きこそ農事に恵みをもたらす最も重要なり」
「「ごもっともでござる」」
「そやな~閏月なんぞは面倒やな~」
「然り、然り」
「夏至冬至の周期は一定で、1年は365日と1/4日と、過去からの記録からわかっておるそうで、さすれば、1・3・5・7・9・11月を30日、2・4・6・8・10月を31日、12月は3年は30日、4年毎に31日と定める閏年というのが案でござる」
「なるほど、異議はござらぬ」




