第44話 皇国派遣軍(1)
「巡洋艦はでけえな」
「黒いのはピッチの焼き付け仕上げか」
「おうよ、半年ごとに塗り替えればフナムシもツボムシもつかないからな、甲板もや、綺麗やろ」
「鉄板貼りより安いか。
まるで黒船やな」
「キールや肋材、梁は鋼材やで、適材適所や、隔壁もしっかりしとる。
骸炭汽缶は1個で汽車廻艪は二つや。
操船は馴れれば簡単や」
「伝声管で指示がくるんやろ」
「せや、汽缶で船室は快適や、ま、南方やったら関係ないけどな」
巡洋艦は2本マスト甲板に船尾艦橋煙突一本。
34間長6間幅9間帆高の約三千石、船員30名。
大砲が船尾に1門、船首左右に各二門、骸炭汽缶2本汽車廻艪。
戦闘艦は1本マスト甲板に船尾艦橋煙突一本。
18間長4間幅6間帆高の約千石、船員12名、船首に鋼鉄衝角つき。
大砲が船首左右に各一門、小型の骸炭汽缶汽車廻艪、中距離外洋船だ。
帆走時には廻艪を跳ね上げて帆走の邪魔にならないようになっている。
あくまで補助的な役割だ。
「大砲は濡れても着火できる元込めの三寸雷管式か。
液冷で連発もできるとは、おそろしいな」
「こっちは船腹に突っ込んでぶっ放すか」
「蒸気を切り替えて後退もできるらしいな」
「巡洋艦に最大百人の軍兵か、10隻は必要やな」
「予備も必要やろう、さて、船員の訓練もうかうかできないのう」
「うむ」
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「抵抗するものは刺股で無力化してふん縛れ」
「「「は!」」」
「殺したら目覚めが悪いし、命令された奴隷もいるらしいぞ」
「殺さないとわかれば抵抗も少ないでしょうのう」
「と、希望するが、どうなることか」
5人組単位で輜重工兵隊と鉄砲隊と近接戦闘隊2で構成された小隊が20人、5小隊100人が中隊、5中隊500人が大隊となる。
指揮官は小隊1名、中隊2名、大隊が2名で、総大将と参謀2名が指揮を執るし、大隊あたり軍医が1名と救護隊が10名つきそう。
第一目標はルソンのマニラだ。
状況によってはルソン共和国を成立させ、マニラ港を租借、鎮守府・日本皇国海軍基地とする。
南シナ海以南各国に両国の国書を送り、南蛮諸国の植民化に対抗する宣言を採択、領有区域を定める条約をまとめるまで5年は見ている。
その他、奴隷の解放と行き先の世話をする。
別働隊は琉球王国に両国の国書をわたし、同盟条約の締結をめざす。
また、台湾と大陸の倭寇の本拠地の殲滅、状況調査をする。
派遣人員は種痘をすませ、感染症に感染してないことを外務省防疫庁が責任を持って調査してからの出発だ。
さらにマラリア感染対策としてカヤを大量に持っていき、住民にも配布し、蚊の対策(淀んだ水たまりを埋めるなど)を周知させる。
種痘も行う予定だ。




