第42話 ヌルハッちゃん
「この武人のような一騎当千を千人、予定してる。
宿舎食事を用意していただきたい」
「いやいや、宿舎食事に日当も支払おう、我が兵を鍛えて欲しい」
「大荷物で大移動なので早くて来年夏に来るよし、冬はなかなか・・・
2年程の滞在でええか?」
「承知致した。
是非頼むぞ、タカマル殿」
「よっしゃ。
ワイらの隣国、日本皇国の国書を持ってきておる。
千人の武人の故郷やで、武器はそこからの進呈やで」
「うむ、返書をしたためよう。
改めて歓迎の祝宴をしようぞ」
「「「「おおお~~」」」」
1ヶ月滞在の間に資源の調査をして、有用な鉱山も見つけた。
「磁石に反応があるよ、いろいろありそうだ」
「石灰や石炭の露頭もあるし、分厚い粘土層もだな、なにより温泉もあったぞ」
「やっぱりね、ホットポイントだ」
「?」
「いや、交易で儲けてもらって、国力を高めれば防衛体制も続くよ」
「そのとおり、アイヌ民国に組み込めるのではないか?」
「遠すぎるし、同盟国で良いわ。
ウイグル・ハン国、カザフ・ハン国にもシビル・ハン国から伝えて貰おう。
モンゴル・ハン国にはゴルインがね」
「女がもうちょい好みだったらな~」
「種まいてるンか」
「モテモテだぞ、据え膳じゃい」
「・・・なんかな~」
「ん?」
「ワカトノもモテるンちゃう?」
「ま、まだ・・・ううう」
「童貞か」
「く!」
「毛もまだやろ」
「少し生えておるワイ」
「「「「ぶはは、すこしか、ガハハハ」」」」
「ち!」
季節の変わり目が早く、帰国の途についた。
バイカル湖周辺の資源調査も行って、ゴルインに伝えた。
チョウザメの卵、黒いダイヤ・キャビアの加工法も伝えてお土産に持ち帰った。
北方部族の調査も少ししつつ、マンジュ族の城に戻ったのは10月中旬だった。
「おう、うまくいったか」
「まあな、優秀な護衛もありがとうな。
草地や水の場所もよく知ってて凄く助かった。
詳しい話は奴らに聞いてくれ。
来春には、本格的に動く。
明の目を避けて山丹のほうから行くつもりや。
馬と驢馬を千二百頭ずつ用意しといてくれや」
「そうか、馬喰達に伝えておくから我の書状を見せると良いぞ」
「それはありがたい」
「ヌルハチ、噂のアイヌ族の王子じゃ」
「これはこれは、伯父上をいさめていただいたようで」
「いえいえ・・・うん、強そうな武人やね」
「ハハハ、後ろの男の方が強そうじゃ、手合わせ願おうか」
「おう、泣かせてやる」
「ふん、どうかな」
(ヌルハッちゃんも脳筋かよ、もう~)
手付けで砂金も使い切り、冬前には山丹から交易船で故郷に帰ったのだった。




