第39話 マンジュ族
「ほな気をつけてな、いざという時の砂金や、し~やで」
「わかっとるわ、ガラスの材料集めで川砂さらったらでよったなんてな。
和人に知れたら面倒やさかいな」
「箝口令が保つかひやひやもんやわ」
「和人を追い出してよかったやろ」
「せやな、織田様にも秘密やからな」
「わかってるわ、黙っておくわい」
「ほんまに体に気をつけや」
「ミチこそ、妹達によろしく言うといてや。
土産たくさん買ってくさかい」
「最近生意気になってきとるで。
赤ん坊の頃が懐かしいわ」
「・・・種切れ?」
「ごら!」
「アハハハ」
密かに金角湾に入港、すぐさま離れる船を見送った。
街には明人も多いが、王寧が明の商人らしく対応、袖の下は万国共通だ。
ちなみに全員、種痘はすませ、感染症にもかかっていない。
特にアイヌ人のほぼ90%が各地の病院で種痘をすませている。
和人も都州の病院が種痘の普及に努めてる段階だ。
「マンジュ族の港やけど明の商人が支配してる。
目立たんうちに移動しよう」
「それなら、隣町へ、知り合いがいるから、馬も調達できる」
「頼りにしてるよ、ホンジ」
「まかせなはれ、ハハハ」
「靴やちょっとしたものが違うわ、流行もあるんやろか」
「そやね、知り合いに頼むわ」
明の商人一行に扮して旅を続けた。
「慶治も五右衛門も馴れるのが早いな」
「王寧の旦那にボンボンにマンジュ族の案内人と護衛二人って感じか。
五右衛門は倭寇の奴隷出身ぽいな」
「ち!慶治はんは一言多いわ、酒もほどほどにせい」
「老酒は旨いな」
「そないカパカパいく酒やないで、ほんまに」
「ハハハ、旨いのう」
「さすが、王寧の旦那」
「金はワイがはらってんやで、ええかげんにしてや」
「「「アハハ」」」
上陸7日目にはアタイ・ジャギンの城に到着し、歓迎された。
「ああ、本当にホンジだ、心配してたぞ!おうおうおう!」
「ううう、いろいろあって・・・お主の父上が殺されたと聞いたが」
「そうじゃ、ちくしょうどもめが!」
「わしは今、カラプトモシリで結婚して子供も4人出来てるのだ」
「おお、そうか・・・たしか北にある島だったな」
「後悔はしとらん。
明の船が倭寇に襲われてナ・・・」
積もる話は長くなったが、みんな微笑ましく待った。
「・・・で、今の主人が、アイヌのタカマル殿だ」
「よろしく」
「・・・若そうだが」
「聞いて驚け、天が使わした神だぞ、予言をよくなさる」
「ふむ?」
「アタイ殿、父を殺された恨みで挙兵するは凶だわ、甥のヌルハチの言うことを良く聞いて、激発をおさえよし」
「なんだと!」
(げ!やっちまったか~~)
金角湾は前世のウラジオストックにあたる建州マンジュ族の港
建州マンジュ族の勢力範囲は、前世北朝鮮の北部も含む




