第35話 前世の出来事(1)
「徳川様の治政では、領地を藩とし、大砲や銃を捨てさせたんや。
刀は武家にはお認めになったんやけど、私闘は禁じ、喧嘩両成敗や。
殿中で刀を抜けば切腹と厳しく対応されたんや」
「さもありなん」
「藩主の妻子は江戸で暮らさせよった。
藩主は何年か毎に領国と江戸を行ったり来たりや。
あ、武蔵国の江戸に幕府を開いたんやで」
「刃向かわんように人質をとったのか」
「せや、格式で行列の人数も決め、金も使わせて戦でけんようにしたんや。
そりゃもうえげつなく、難癖つけて潰したりとな。
鎖国をしてオランダ以外の外国勢力を閉めだしたんや。
300年も平和に続いたんやが、ついにここのアメリカ国から開国を迫られて大騒ぎや。
・・・武力で脅されたんや、諸外国は戦に明け暮れて武器がえらい進歩した。
差がついてしもたんやで」
「であるか、オランダはどこなのだ?」
「ここのほんに小さな国や、力も無いから交易だけや」
「ふむ」
「その300年で勝ったのはイングランドやな。
天竺やらアフリカやここオーストラリアにカナダ。
そしてアメリカに植民地を築いて、日が沈まない国になったんや。
奴隷商人がアフリカの民を連れ去りアメリカに何百万人も売ったりや。
オーストラリアやアメリカの原住民を虐殺しまくって土地を奪った。
それで、アメリカは資源もあって大きくなった。
で、イングランドから独立を戦争で勝ち取った・・・」
「日の本はそのアメリカ国に奪われたのか?」
「内乱にはなったんや。
諸外国が武器を売りつけてな。
そやけど、主上をかつぎだした島津や毛利、山内、鍋島らが勝って王政復古、皇国になったんや。
徳川様も内乱で国力を減ずるよりはと、大政奉還で主上に幕府をおかえしたんや。
で、外国勢力に土地は奪われず、富国強兵を合い言葉に国力を高めていったんや」
「うむ、英断ぞ」
「であるな」




