第33話 天下統一
天正6年(1578年)冬。
九州平定も終わり、西国の諸将も上洛して織田信長に挨拶していた。
天下は統一、史実よりも二十年以上早く、しかも、流された血は少ない。
毛利も長宗我部も大友も島津も、有力大名が結局は恭順したのだった。
法治国家『日本皇国』の誕生をめざし、鋭意検討を続けている。
アイヌは『アイヌ民国』として法治国家を成立させる予定だ。
皇国政府体制は試行錯誤している。
いきなりこうなりましたみたいなことはできない。
あらかじめ根回しはしているが、まずは、領国の安堵だ。
年末には二條城(元足利幕府の御所)に諸将を集め、明智光秀が取り仕切る。
「上様は、正三位権大納言に任じられ、右近衛大将を兼任することとなった」
「「「「「「おめでとうござりまする~~~」」」」」」
信長が口を開いた。
「まずは、長き戦乱の世の終わりを喜びたい。
いろいろ恨み辛みもあろうが、それこそ、せんなきことじゃ。
特権階級が土地を私し、相続を巡って争いを起こし、あまつさえ奪いあった。
百年にも及ぶ戦乱となったことを反省しようではないか」
「「「「「「は、は~~~」」」」」」
「主上より、幕府を開く勅許を、と打診されたのであるが、お断り申した」
「「「「「「!!!!」」」」」」
初めて聞く者達は一様に驚きの声を押し殺し、知るものはニヤニヤしていた。
国名を『日本皇国』とすることを宣言、国旗も披露した。
「これよりは、主上を奉戴する国家となる。
主上よりは公武あいそろい心を一つにして経綸(国を統治すること)せよとの仰せだ。
まだ定まらぬところも多々あるが、お主達の関心は、領国のことであろう。
さし向き安堵致す。
日本皇国は1都18州の府を置き、皇国府にて政をいたすことになる」
都州府を塗り分けた日本皇国地図が登場、明智光秀が引き継いだ。
「各都州府の長と与力に、御綸旨を授け申す。
とく都州内の行政区割りを為し、検地し、戸籍をしたてるべし。
こは決定でござる!」
「「「「「「はは~~~」」」」」」
都州(1都18州)、州府、州府長
1奥州 盛岡府 武田勝頼(陸奥北半国)
2羽州 秋田府 朝倉義景(出羽)
3陸州 福島府 浅井長政(陸奥南半国)
4常州 土浦府 小田守治(常陸・上総・下総)
5野州 足利府 宇都宮国綱(上野・下野)
6武州 府中府 北条氏直(武蔵・相模)
7越州 上越府 上杉景勝(越中・越後)
8加州 金沢府 柴田勝家(越前・加賀・能登)
9江州 浜松府 徳川信康(甲州・三河・遠江・駿河・伊豆・伊豆南方諸島)
10尾州 岐阜府 織田信雄(尾張・北伊勢・美濃・飛騨・近江・若狭・信濃)
11京都 京都府 村井貞成(山城・和泉・河内・摂津)
12和州 今井府 筒井藤政(大和・紀伊・伊賀・南伊勢・志摩)
13丹州 田辺府 一色満信(丹後・丹波・但馬)
14美州 津山府 山名堯熙(播磨・因幡・備前・美作)
15雲州 松江府 尼子勝久(備中・備後・伯耆・出雲・隠岐)
16芸州 山口府 毛利輝元(安芸・周防・石見・長門)
17予州 徳島府 長宗我部信親(讃岐・阿波・土佐・伊予)
18北州 博多府 大友義統(豊前・豊後・筑前・筑後・肥前・五島・壱岐・対馬)
19南州 都城府 島津義久(肥後・薩摩・日向・大隅・種子島・屋久島)
皇国府 (天領 淡路島・佐渡島・富士山頂・出雲大社・伊勢神宮)
天皇家は、統治には関わらないことを承知で、名を取った。
いわゆる、「君臨すれども統治せず」ということだ。
『日本皇国』国旗は天照らす神聖な大地の意味。
2:3の白地に太陽を表す赤丸。
『アイヌ民国』国旗はカムイに守られし海と大地の意味。
2:3の上半分白下半分紺地にカムイを表す黄丸。
貴丸は誤解していた。
世界でもまだ、正式な国家や国旗という概念はなかった。




