第30話 東国統一
天正3年(1575年)春。
東北も関東も完全に織田家に恭順し、諸将が上洛してきた。
「皆もよう決心してくれた、大義である」
「「「「はは~」」」」
一揆勢の暴発で荒廃した加賀・能登は織田家筆頭の柴田勝家の支配。
上杉謙信は快く譲り、関東方面に援兵として出陣したのだった。
元に戻すには苦労も資金もかかりすぎるのは目に見えていたともいえる。
その頃には、北条が寝返っていてたいした戦闘も無く、あっけないほど容易く下っていくのには目を見張っていた。
古河公方や鎌倉公方が多少騒いだだけで、宇都宮氏も佐竹氏も常陸の諸将も闘うこと無く恭順した。
最上氏、伊達氏、蘆名氏、相馬氏は南北に挟まれどうすることもできず、朝廷に和睦を取り持って貰わざるを得なくなったのだった。
石山本願寺は風前の灯火、これも朝廷の仲介にすがり、元々の山科の寺領を安堵され、抱えていた軍兵は解体された。
奥州北半国は南部氏を併合した武田家、出羽国は朝倉家、奥州南半国は浅井家が支配、旧臣も許されて集合していった。
抵抗の意思を見せていた古河公方や鎌倉公方は、京に送られて捨て扶持の高家になった。
「今後は西国を従える。
みなのものよろしく頼むなん」
「「「「「「「はは~」」」」」」」
「東北関東武者の心強きことよ」
「さすがでおじゃる」
おじゃる公家達も褒め称え、単純脳筋の東北関東武者達が気勢を上げた。
史実と違い、日本の半分を支配してからの超大軍による西進になった。
あらがえるはずも無い西国大名諸将は次々に恭順していくだろう流れだ。
末席で様子を伺っていると、明智光秀に声をかけられた。
「安倍殿、よろしいか?」
「ひゃ、ひゃい」
「儂は駿河強襲がすべてを変えたと思っておるのでござる。
安倍殿こそが、かの孔明以上の軍師でござろう」
「いえいえ、そんな・・・」
「謙遜なさるな、なにかあったら某に言ってくだされ」
「あ、ありがとうごじゃるでごじゃる」
明智光秀がニマッと笑って去って行った。
(なんか、まったく印象が違うぞ。
・・・信長様に褒められて、細川様と毎日ルンルンしてるしさあ。
ホントに真面目で優秀な人だな。
前世では真面目すぎて精神的に参ってたんだろうな。
もう「本能寺の変」が起きる要素はないよな。
と思うけど、バタフライがどうのこうのあるのかな・・・)
貴丸は誤解している。
貴丸の存在そのものが、歴史の修正など及ばぬほど、影響していることを。




