第25話 初陣
「ワイの初陣は猪鍋と飯炊きやで~」
「ハハハ、大事な役目じゃ、勘九郎も負けるでないぞ」
「父上、儂の鉄砲の腕をご覧じろじゃ」
「うむ」
長島は七島からきていて水路で分断され、大軍での戦闘が不向きな要害だ。
端から各個撃破された一向一揆衆は有効な反撃もできず。
気がついたら半分以上が崩されていた。
史実と違うのはあらかじめの持久戦略で逃げ出した一揆衆が多かったこと。
坊官や武将が狙撃されて戦略的な戦もできず、逃げた者も多かった。
突然目の前で天罰が下ったような死に様に、死の恐怖が打ち勝った。
石山に逃げ去ったのはほんの一部のみ。
長島一向一揆衆は伊勢神宮の御料地で越前浄土真宗の僧侶達に慰撫された。
織田家の支配を喜んで受け入れることになった。
あわてたのは紀伊の勢力だ。
根来寺の根来衆や雑賀衆は一向一揆に助力をしていたため、織田家に敵対しているとみなされている。
以後は、堺衆や松永弾正などの調略でなし崩しになっていった。
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「御苦労、ん?どうした?」
「いや・・・なんでもないわい」
「・・・死体を見たのか?」
「・・・」
(初陣なんてはしゃいで、ほんまアホやったわ・・・。
あんな・・・兵器作って、ワイが殺させたんや。
自分は、のうのうと猪鍋作ってるだけ・・・。
あかんなあ、これからも・・・)
「儂も戦場は初めてだ・・・一人目は引き金が引けなかった。
・・・しかし!
後悔なぞしとらんわ!
しっかりせい!」
「す、すまんなあ」
「多くを助けた・・・見ろ、みんなが美味しそうに、笑顔だ」
「そやな・・・わいは・・・
あの死んだ武将にも妻や子はいたんやろか」
「記録や形見は、しかりとしてあるわ」
「ん、なら、いいわな・・・」
しんみり慰めあっていたら、どこからか生暖かい目が・・・。
「ひそひそ・・・やっぱ、できてたんやな~」
「奇妙様もやはり、殿と一緒であっちの気も・・・」
「た~~~け!!」
「あほ~~~!!!」
あわてて逃げる前田利家と羽柴秀吉を追いかけたのだった。




