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オイナカムイ伝  作者: 日川文月
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第23話 約束

「安東には、和人地を廃止、蝦夷交易を認めぬ沙汰を出したわ。

抜け目なく儂とよしみを通じようとしておったがな。

室町殿への書状も残されておったわ」


「おおきにありがとうござる」

「なに、約束だわ。

期日も天正元年内と決めてやった。

攻め込む口実にでもなればいいがなあ」

「ふふふ」

「ははは、来年には援軍も送るぞ」

「スマチセを増築しますわ」


「お、そうじゃ、岐阜城に一軒建ててもらえんか」

「お安い御用ですわ。

いろいろと工夫もしてあるさかい、貴丸から技術書を預かってきたんや」

「であるか、ふうむ、こんなに詳しくてよいのか?」

「早く普及するやろって・・・金儲けに興味は無いらしいわ」

「美濃焼の窯があるのう、だれかある!」

「は!」


美濃には石灰鉱山もあり、セメントも作れる。

材料がすべて調っているし、イタガラスは堺でも作り始めている。

何より資金が豊富だ。


越前加賀越中越後方面は柴田勝家。

山陰方面は明智光秀。

山陽方面は丹羽長秀。

長島・紀伊方面は羽柴秀吉。

上野・相模・伊豆方面は徳川家康。

日の本統一まで、揺るぎない布陣だ。


ーーーーーーーーーー


「越前を下したら次は長島だな、石山も攻めるかもしれん」


昨年元服した奇妙丸は織田勘九郎信忠となり、月代も剃っている。

史実と違ってまだ初陣はすませてなかった。


「勘九郎、手柄が欲しくて突っ込んだりしないでや」

「そんなあほはせんよ、儂は父上の覇業を引き継ぐんやからな」

「そんならええわ・・・あ!」

「ふふふ、詰みやろ」

「く!話しかけるからやぞ」

「言い訳すんなや、あと一つで儂の百勝じゃ、ハハハ」

「く~~」


本将棋は信長が豪華なものを主上に献上し、ルールも確定した。

囲碁よりも取っつきやすく、公家武家を問わず流行っている。

勝手に作ってもおとがめ無しで、京の細工師が競って儲けていると聞いた。

主上は敵も味方にできるとなれば戦も楽しいものやな~とおっしゃったとか。


「弱すぎて張り合い無いのう」

「んじゃ、角落ちにする?味方が少なくては勝てんやろ」

「おお、そういうことか・・・ええぞ、弱い相手には手加減せねばな」

「チキショー!」

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