第21話 織田包囲網瓦解
「織田様、徳川様の領地では四公六民、いや、三公七民になるらしいじゃ」
「戦乱で荒れ果てた在所は3年無税、お助け米も支給されるそうじゃ」
「徳川様は一向宗をお許しになったそうじゃぞ。
すべては私利私欲のために民を煽動した生臭坊主が悪いとの仰せじゃ」
「本来の浄土宗では死ねば極楽という教えはないそうじゃ。
ましてや死んでこいなんちゅう坊主はニセ坊主じゃそうじゃ」
「苦しくてすがったのに、死ねば良いなんてアホな教えあるわけねえわ」
「苦しかったら織田様や徳川様におすがりした方がいい。
いくらでも仕事があって大歓迎じゃて」
「坊主に見つかったら連れ戻されて殺されるそうじゃぞ」
「なおさらそんなニセ坊主に従いたくないわな」
税と兵役に苦しめられている加賀・越前・長島でそんな噂が流されている。
実際逃げ出した農民達は大歓迎されて戦乱に荒れた土地や開拓地で、当面の食糧や衣類・住居をあてがわれている。
商売が順調な織田・徳川の大盤振る舞い、もちろん兵役も免除だ。
戦乱で逃散した農民達も戻れば許され、国力回復に専念する持久戦略だった。
まず屈したのが越前、加賀に裏切られた指導者は本願寺と対立していた。
密かに織田家と連絡を取り、不作にあえぐ民への食糧やシャボン製造などのノウハウも供与された。
「闘わずして勝つ、孫子の兵法やな~」
「そやな~」
(どうしてこうなった、完全に史実と違ってるやん)
武田・朝倉・浅井の武将達はオタ・オル・ナイの武人コタンで冬期戦闘訓練に明け暮れている。
旧臣から派遣された若者も渡ってきて、軍兵は300名まで増え、兵糧も軍費も支給されていた。
「このケリはまったくいいのう」
「下着もな、体動かすとぬくうてしかたないわ」
「革手袋もすごいわ」
前世現代と遜色ない防寒対策の衣服。
防具も特製鋼鉄メッシュを挟んだ皮製、可動部分は柔らかくしかも軽いのに弓矢が刺さらず、鉄砲玉も衝撃はあるけど貫通しない。
同様の素材で体を隠せる大きさの盾も軽くて1人で持ち運びができる。
頭は鋼鉄入の革帽子をすっぽりかぶり、真冬用のフードや鋼鉄メッシュのゴーグルも着脱式になっている。
防寒ブーツのようなケリは靴底に鋼鉄スパイクがあって氷上でも滑らないし、雪上用のかんじきも支給された。
「越後も冬に攻められるでござろう」
「鉄砲も新式を開発しておるそうじゃな」
「火縄が必要ないと聞いたぞ」
「まったく、オイナカムイ・タカマル殿の知恵は計り知れないのう」
「「「然り」」」
「それではニセコまで行軍じゃ」
「着いたらケマリもしようず!」
「「「「「お~~」」」」」
ニセコはすでにリゾート、宿泊温泉施設があり共同食事処ではアイヌ料理も和人料理も安価(和通貨も通じる)に食べられ、特に魚介鍋は人気だ。
和人達が入り浸っているのもムリもない。




